ジュンとノリの「こうほー」、いや広報活動のおかげで南はクーランガッタにあるキラベーカリーの壁から、北はラナウェイベイにあるステーキ屋の看板までRainbow of surfers paradise cupの鮮やかな虹の橋のポスターが張り巡らされた。
サーファーズパラダイスの街中については、ノリが働いている居酒屋のトイレからはじまってバーボンバーやナイトクラブのトイレ、語学学校やツアーオフィスの掲示板、おみやげもの屋の壁、焼肉屋、焼き鳥屋の壁、それこそサーファーズのワーホリ達がバイトをしているすべてと言っていいほどの場所にノリとジュンの強引とも言える「こうほー」活動は進んでいた。
お店のオーナーに頼む前に、そこで働いているワーホリサーファーにジュンとノリの二人が声をかけて説得してから一緒にオーナーにお願いをしにいくという作戦をとっていたので、サーファーズに暮らすワーホリサーファーで二人の顔を知らない人間はいないし、そんな二人にたのまれれば横のつながりの強いこの街で嫌だと断る人間は少なかった。
そして、ほとんどのお店に僕も一緒についていってこの大会の目的や想いを伝えたので、始めは強引なノリとジュンのプッシュに面食らっていた人たちも、このサーファーズパラダイスの街やキッズ達への想いに共感をしてくれ、僕達の夢に賛同してくれる人たちも少しずつ増えていった。
それはジャパニーズサーファーが働いているお店や日本人コミュニティーはもちろん、オージーや他の国から移住してきたお店のオーナーや、お店を営んではいなくても、この街で暮らすオージー達の間にも広げていくことができた。
「僕達の夢に御協力ありがとうございます。貴方のお知り合いや友達で今回の大会のポスターを貼らせてくれそうなお店や、協力をしてくれそうな人がいたら、ぜひ紹介をしてください。」
この言葉は、まるで魔法の言葉だった。
気の良いオージーやお店のオーナーの中には、その場で受話器を取り、友達のお店や他の経営者、なにかコネクションをもっていそうな人に電話をしてくれ、勝手に次の約束を取り次げてくれる人までいた。
「なんだかおもしろいことを言ってるジャパニーズサーファーがいるんだけれど、気のいい奴だからなにか協力できることがあったら力をかしてやってくれ。なんだかこいつらには夢があるらしいんだ。」
知り合いや友達の紹介で会いにいくと、最初から信用をしてくれているので変な疑いを持たれることも無く僕らの話をみんなニコニコしながら聞いてくれた。人は熱い気持ちを心に持って真剣に夢を語ると、応援をしてくれんだということを知って、僕はとても嬉しかった。
そんな、こんなで僕らのRainbow of surfers paradise cupはサーファーズで暮らす人たちの間にだんだんと知られるようになってきた。それでも困った問題があった。それは参加者のエントリーの少なさだった。
シリンダーズでエントリーを受け付け初めて1週間が経つというのにオージーやキッズの参加者は20人を越えているのに対して、ジャパニーズのボディーボーダーからのエントリーはまだ一人もいなかった。
お店のオーナーや僕が直接に話をした人達には、今回の大会への想いや夢が伝わってもポスターを見ただけの人たちには伝わらない。豪華な優勝賞金がでるわけでもなく、毎年恒例になっているような大会でもなく。ましてやサーファーズパラダイスに暮らす日本人の中ではサーフィン人口に比べボディーボード人口は少なく、そのほとんどが女の子達だった。
何か、いい方法はないか僕は考えた。夜のミィーティングでもみんなに相談をしてみたけれど、これと言った解決策もでてこなかった。
ポスターでは大会の日時とイメージしか伝えることができない。そして女の子達は男の僕らに比べて大会に出て、誰かと競うようなことが好きではない人が多い。なんとか、僕らの想いや夢を伝える方法がないかと考えて、すっかりいきずまってしまった。
今夜もミィーティングが終わったのは夜の12時をまわっていた。ターニーの彼氏が心配して自慢のピカピカの四駆で迎えにきたのを合図に今夜はお開きになった。家に帰る道を歩きながら、ネラング大橋の上から川の水面を見ると空に浮かんだ満月が綺麗に反射をしてピカピカと光っていた。
あんなにそこら中にポスターを貼りまくって、大会の開催を宣伝したのはいいけれど、もしこのまま人が集まらなかったら、それこそ街中の笑いものだ。そんな想いが僕の頭と胸をグルグルとまわってなんだか少しだけ悲しくなった。
あんなにたくさんの人たちが協力をしてくれ、ポスターを貼らせてくれたり、知り合いを紹介までしてくれたのに、肝心の参加者が集まらなかったらそんな好意にも応えることができない。
こんなところで弱気になっている場合じゃない。落ち込んだ気持ちを橋の上に落ちていた少し大きめの石ころに込めて、金色の満月が浮かぶ川の水面に向かって投げ込んだ。金色の月は僕の不安をトプンと音をたてて暗い川底に飲み込んでいった。
「ただいまーアッキィー。」
「おかえりなさい永住ライフさん。今日も遅かったですね、大会の準備の方は順調に進んでいるみたいですね。どこにいっても大会のポスターがはってありますよ。この街の人で今回の大会の開催を知らない人はいないんじゃないですか。」
アッキィーはリビングのソファーに半分からだを横にして、新聞を読みながら話かけてきた。まぁ新聞といってもそれほど英語が得意ではないアッキィーが現地の新聞なんかを読むわけはなく。月に一回発行される日本人向けのフリーペーパーだった。オーストラリアや日本のニュースや芸能ネタ、そのほか特集やコラムなんかが書かれたそのフリーペーパーはオーストラリアで暮らす日本人なら誰もが毎月、楽しみにしているものだった。
先月号ではオーストラリアで活躍する日本人を特集していて、メルボルンで活躍している日本人デザイナーやパースでワイナリーを営む事業家、ゴールドコーストでブライダル会社を経営する社長なんかが自分の経験や苦労話なんかをサクセスストーリー風に語っていた。
その瞬間、僕の頭にヒラメキが走った。そしてアッキィーの手から、そのフリーペーパーを取り上げた。僕はあるものを探して表紙から1ページ、1ページ、くいいるように見つめながらどんどんページをめくっていった。
「ちょっとー、なにするんですか。いくら永住ライフさんでも強引すぎますよ。それは僕が今読んでいるんじゃないですか。ねぇ、永住ライフさん。もう、永住ライフさんったら!」
「これだ!」
僕の探していたものは新聞の最後の最後に小さく載っていた。
新聞をやぶりポケットに詰め込んで、明日の作戦を考えるために自分の部屋に向かって、階段を一気に駆け上った。
★★★お知らせ★★★
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お店のオーナーに頼む前に、そこで働いているワーホリサーファーにジュンとノリの二人が声をかけて説得してから一緒にオーナーにお願いをしにいくという作戦をとっていたので、サーファーズに暮らすワーホリサーファーで二人の顔を知らない人間はいないし、そんな二人にたのまれれば横のつながりの強いこの街で嫌だと断る人間は少なかった。
そして、ほとんどのお店に僕も一緒についていってこの大会の目的や想いを伝えたので、始めは強引なノリとジュンのプッシュに面食らっていた人たちも、このサーファーズパラダイスの街やキッズ達への想いに共感をしてくれ、僕達の夢に賛同してくれる人たちも少しずつ増えていった。
それはジャパニーズサーファーが働いているお店や日本人コミュニティーはもちろん、オージーや他の国から移住してきたお店のオーナーや、お店を営んではいなくても、この街で暮らすオージー達の間にも広げていくことができた。
「僕達の夢に御協力ありがとうございます。貴方のお知り合いや友達で今回の大会のポスターを貼らせてくれそうなお店や、協力をしてくれそうな人がいたら、ぜひ紹介をしてください。」
この言葉は、まるで魔法の言葉だった。
気の良いオージーやお店のオーナーの中には、その場で受話器を取り、友達のお店や他の経営者、なにかコネクションをもっていそうな人に電話をしてくれ、勝手に次の約束を取り次げてくれる人までいた。
「なんだかおもしろいことを言ってるジャパニーズサーファーがいるんだけれど、気のいい奴だからなにか協力できることがあったら力をかしてやってくれ。なんだかこいつらには夢があるらしいんだ。」
知り合いや友達の紹介で会いにいくと、最初から信用をしてくれているので変な疑いを持たれることも無く僕らの話をみんなニコニコしながら聞いてくれた。人は熱い気持ちを心に持って真剣に夢を語ると、応援をしてくれんだということを知って、僕はとても嬉しかった。
そんな、こんなで僕らのRainbow of surfers paradise cupはサーファーズで暮らす人たちの間にだんだんと知られるようになってきた。それでも困った問題があった。それは参加者のエントリーの少なさだった。
シリンダーズでエントリーを受け付け初めて1週間が経つというのにオージーやキッズの参加者は20人を越えているのに対して、ジャパニーズのボディーボーダーからのエントリーはまだ一人もいなかった。
お店のオーナーや僕が直接に話をした人達には、今回の大会への想いや夢が伝わってもポスターを見ただけの人たちには伝わらない。豪華な優勝賞金がでるわけでもなく、毎年恒例になっているような大会でもなく。ましてやサーファーズパラダイスに暮らす日本人の中ではサーフィン人口に比べボディーボード人口は少なく、そのほとんどが女の子達だった。
何か、いい方法はないか僕は考えた。夜のミィーティングでもみんなに相談をしてみたけれど、これと言った解決策もでてこなかった。
ポスターでは大会の日時とイメージしか伝えることができない。そして女の子達は男の僕らに比べて大会に出て、誰かと競うようなことが好きではない人が多い。なんとか、僕らの想いや夢を伝える方法がないかと考えて、すっかりいきずまってしまった。
今夜もミィーティングが終わったのは夜の12時をまわっていた。ターニーの彼氏が心配して自慢のピカピカの四駆で迎えにきたのを合図に今夜はお開きになった。家に帰る道を歩きながら、ネラング大橋の上から川の水面を見ると空に浮かんだ満月が綺麗に反射をしてピカピカと光っていた。
あんなにそこら中にポスターを貼りまくって、大会の開催を宣伝したのはいいけれど、もしこのまま人が集まらなかったら、それこそ街中の笑いものだ。そんな想いが僕の頭と胸をグルグルとまわってなんだか少しだけ悲しくなった。
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「ただいまーアッキィー。」
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アッキィーはリビングのソファーに半分からだを横にして、新聞を読みながら話かけてきた。まぁ新聞といってもそれほど英語が得意ではないアッキィーが現地の新聞なんかを読むわけはなく。月に一回発行される日本人向けのフリーペーパーだった。オーストラリアや日本のニュースや芸能ネタ、そのほか特集やコラムなんかが書かれたそのフリーペーパーはオーストラリアで暮らす日本人なら誰もが毎月、楽しみにしているものだった。
先月号ではオーストラリアで活躍する日本人を特集していて、メルボルンで活躍している日本人デザイナーやパースでワイナリーを営む事業家、ゴールドコーストでブライダル会社を経営する社長なんかが自分の経験や苦労話なんかをサクセスストーリー風に語っていた。
その瞬間、僕の頭にヒラメキが走った。そしてアッキィーの手から、そのフリーペーパーを取り上げた。僕はあるものを探して表紙から1ページ、1ページ、くいいるように見つめながらどんどんページをめくっていった。
「ちょっとー、なにするんですか。いくら永住ライフさんでも強引すぎますよ。それは僕が今読んでいるんじゃないですか。ねぇ、永住ライフさん。もう、永住ライフさんったら!」
「これだ!」
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