オーストラリア永住権取得は難しくない!

5つの目標を作り始まった、永住LIFEの幸せなオーストラリア永住権への道

幸せなオーストラリア永住権への道 40 壁の向こう側

2006-03-28 17:38:38 | Weblog
アンドレアスとアッキーとナローネックでのサーフィンを楽しんで家に帰ると、もうマークとの約束の時間までには30分くらいしかなかった。今日はマークのサーフショップ作りを,はじめて手伝いに行く約束をしていた。

僕は急いでシャワーを浴びて、かんずめのビーンズと食パンを牛乳でおなかに流し込んで,急いで出かけえる準備をした。アンドレアスとアッキーは二人ともソファーにゆっくりと腰掛けて優雅に朝からビールを飲んでベーコンとマカロニを食べていた。昼寝をして、午後からはバレーヘッズかディーバーへサーフィンをしに行くらしい。

「それじゃあ、いってくるよ。」
「おう、がんばってこいよビキニボーイ。」
「永住ライフさん、がんばって、いってらっしい。」

二人に声をかけてもらって僕はなんだか、とてもいい気分になった。朝早起きして、仲間とサーフィンをして、仕事や次の予定のために出かけていく。なんだかしばらくこんな気持ちは忘れていたな、朝日が上がるのと同時に海に入ることも、今では家族のようなアンドレアスやアッキーと一緒に海に入ることも、すごく楽しいということは頭では知っていたし、覚えていたけれど、仕事の準備やビザのことが忙しくてしばらくやっていなかった。楽しさや気持ちよさは頭では覚えていたけれど、感覚的な部分では忘れていたな。

僕はこのまえマークが言っていたことを少し思いだした。
「最初は海から離れるのは辛かった、でもそのうちに自分が何者かを忘れてしまうんだ。仕事をしてビールを飲んで寝て毎日が過ぎていく、仕事は忙しい、時間はない、体はどんどん重くなっていく、そして気が付いたら自分がサーファーだったことなんてすっかり忘れてしまうんだ。」

僕は、自分がサーファーだってことを忘れたことは一度もなかったけれど、大好きな仲間と過ごす時間を大切にすることを少しの間、忘れていたかもしれない。

「さあ、マークを手伝いにいくぞ。」

僕は車のエンジンをいきおい良くかけて、ゴールドコーストハイウェイをサーファズの街に向けて走りだした。気持ちがワクワクして車の中で大きな声で歌を歌いながら走った。

マークの店の前について隣の店を覗いて僕はビックリした。2週間前に来たときには営業をしていたのに、お店の中は空っぽでコンクリートの壁が剥き出しになっていた。そのお店の中でマークが壁にマジックで線を引いていた。

「おお、来たな永住ライフ待っていたぞ。朝のサーフィンに行ってきたのか?何処で入ったんだ。」
「おはよう、マーク。今日はナローネックで入ったよ。」
「それでサイズはどうだった、波はよかったのか?」
「うん、サイズは肩ぐらいだったけれど風も無くて、かなり楽しめたよ。」

マークは僕の話を笑いながら楽しそうに聞いていた。僕はサーファー同士なら挨拶代わりにする「今日はどこで入って波はどうだった。」という会話をマークとできたことがとても嬉しかった。やっぱりマークの心はもうサーフィンの世界に戻ってきているんだな。

「ところでマーク、僕達は何から始めればいいの?」

壁も床もコンクリートが剥き出しになっている地下の倉庫みたいな店の中を見渡しながら僕は尋ねた。

マークはゆっくりと立ち上がって、隣のビキニショップとこの店の真ん中を仕切っているコンクリートの壁の方に歩いていった。そこには、さっきマークがマジックで引いた線で幅2メートル、高さ2メートル以上ある、大きな正方形が書かれていた。

「まずは俺がさっき引いたこの幅で、コンクリートの壁をぶち抜くんだ。そしたら隣の店とこの店がひとつになるだろ。永住ライフ、まずは壁をぶち抜くぞ。」
「でも、どうやってこんな厚い壁を壊すの?僕にそんなことができるかなぁ。」

マークの計画はマークが引いた線の上にドリルで穴を開けていき、穴を沢山あけて点を線にしていってもろくなった部分から壊していくというものだった。その計画自体もなんだか本当にうまくいくのか心配だったし、マークが壁に穴をあけるために用意していたドリルも想像していたよりもずっと小さなもので、本当にこの計画がうまくいくのか僕には信じられなくなった。

そして、僕のその不安はドリルを使って実際に壁に穴を空け始めたときに確信に変わった。僕の中でさっきまでワクワクしていた心は、やっぱり自分達の力とこんな小さな頼りないドリルでは大きな壁を壊すことなんてできないんじゃないかという気持ちに変わっていた。ドリルを壁に押し当てて力をこめてもすぐに壁に穴があいていかないからだ。ゆっくり時間と力を使っても本当に少しずつしか穴はあいていかない。

「マーク、本当にこんなことをやって壁を壊すことなんてできるの?」

僕は我慢できずにマークに聞いた。マークは少し残念そうな顔をして、僕が壁にドリルをつきたてるためのポイントに使う小さな穴をつくる作業を中断した。

「永住ライフ。今、お前は自分にはこの壁を壊すことなんてできないんじゃないかと思っているんだろ。でもな、お前はできないんじゃなくてまだやり方を知らなくて、実際に経験をしたことがないから難しくて不可能なことをしているような気分になるんだ。俺はやり方を知っているし、実際にこんな壁を壊したことなんて何度でもある、たしかに時間はかかるかもしれないけれど必ず壁は壊れる。そうしたら次にお前が同じような壁に出会ったときには、自分にもできると思うことができるんだ。」

僕はさっきまで一人でワクワクしながら、マークを手伝うなんていい気になっていた自分が恥かしくなった。自分がやったことがなくて大変なだけで,これは不可能なことなんだと決めつけて諦めそうになっていた。

「マーク、僕も壁を壊したいよ。そして少しずつでもサーフショップを作っていきたい。」

ぼくは、もう一度ドリルの電源をONにして力をこめてコンクリートの壁に穴をあけ始めた。さっきと同じように穴は少しずつしか深くなっていかなかったけれど僕の頭の中では穴が貫通して隣の店につながることも、壁が壊れることも、想像することができるようになっていた。

グイーン。大きな音をあげながら握っているドリルに力をこめる。コンクリートが削れたカスが煙になっていく、力をこめていたドリルに突然抵抗がなくなり最初の穴が貫通したことがわかった。

僕はドリルを引き抜いて、その小さな穴を覗いてみた。穴の向こう側のビキニショップから光が入ってきてその小さな穴の部分だけ明るく光っていた。

この小さな穴が沢山集まって、最後にはこの大きな壁をぶち抜くことができるんだ。
よーし、どんどん穴をあけてやるぞ。僕は目の前の壁をドンと叩いた.




★★★お知らせ★★★

☆オーストラリア永住希望者限定のIELTS目標スコア達成講座を始めました。
 目標スコアを達成して夢の永住ライフを実現しよう!
 
 http://www.eijyulife.com/explanation/study.html

☆永住LIFE発!幸せなオーストラリア永住権の取得方法の実践的なホームページです。オーストラリアが好きな人、永住LIFEに興味がある人は是非、ご覧になってください。
メールマガジンもこちらから登録できますよ!
「オーストラリア永住権取得は難しくない!」http://www.eijyulife.com

☆幸せな永住権への道」は、毎週火曜日に更新中です。楽しみにしていてくださいね。



幸せなオーストラリア永住権への道 39 金色の世界

2006-03-21 18:07:12 | Weblog
マークの店に行ってから2週間間がすぎた。学校の申し込みやイミグレーションオフィスでの学生ビザへの変更申請も終わり、僕は少し落ち着いた気分になっていた。新しい生活が始まること、そしてマークがサーフショップを作るのを手伝うことになったのも僕をワクワクさせる理由のひとつだった。

でも、それと同時にアンドレアスと一緒に暮らすことができる日々はどんどん残り少なくなっていた。今月にはアンドレスの通うグリフィス大学で進級をかけた試験があるらしい、隣の部屋に住んでいるヤコブやジョハンソンも勉強が忙しく、毎日海に行ってまったく学校に行かなくなったアンドレアスを最近では諦めたらしく、試験のことや課題のことは何も言わなくなっていた。

学生を続けるヤコブやジョハンソン、この国を離れるアンドレアス、この国にやってきたばかりのアッキー、そしてなんとしてでもこの国に残ろうとしている僕、僕達の生活はそれぞれ新しい季節を向かえようとしていた。

今日は仕事がお休みなので、マークの店に手伝いに行くことになっていた。マークの店の隣の店はマークが早くサーフショップをオープンするための作業を始めたいので契約を早めてもらい先週末には出て行ったらしい。

僕はマークの店に行く前に早起きをして、久しぶりにアンドレアスとアッキーの3人でナローネックにサーフィンをしに行った。

ナローネックは僕らが暮らしているメインビーチとサーファーズパラダイスのちょうど中間にあるポイントだ。メインビーチから海外沿いの道を車で走っていくと、そこから急に海側の建物や木が無くなって、大きく広がるゴールドコーストの海を車の中からでも見ることができる素敵なポイントだった。

道沿いに車を停めて、ボードショーツに着替える時にアンドレアスの体型が少し変わっていることに気が付いた。もともとベンチプレスやマーシャルアーツで鍛えていたアンドレアスの体は太い筋肉をしていて大きな体をしていたけれど、どちらかというとプロレスラーのような体型だった。でも久しぶりに見たアンドレアスの体は胸と背中、そして脇の筋肉が発達したサーファーの体つきになっていた。

「アンドレス、お前体つきが変わったな。まるでサーファーみたいだぞ。」

僕は半分冗談でそう言って、アンドレアスをからかった。

「まるでサーファーってなんだよ。俺はもうずいぶん前からサーファーだぜ、そんなことよりも今日は俺のサーフィンを見てくれよ。」

アンドレアスはそう言うと、僕やアッキーがまだ準備ができていないのに、自分のボードを車の荷台から下ろして一人で海に向かって走って行ってしまった。

そういえばずいぶん長い間、僕はアンドレアスのサーフィンを見ていなかった。日本食材のお店で働きはじめてから、配達の前にも店の掃除や書類の整理なんかをしなければならなかったから、朝からサーフィンに行っている元気がなかったんだ。

サーフボードをボードケースから取り出して、車の鍵を閉めてリーシュコードの中にしまい、僕はビーチに続く階段を下りていった。朝日が昇ったばかりのナローネックの海は金色に輝いてキラキラしていた。

アンドレスは準備体操もストレッチもしないで海に入っていったらしく、もうビーチにはいなかった。沖には数人のサーファーがいることは分ったけれど、朝日がまぶしくてどれがアンドレアスなのかは分らなかった。

僕とアッキィーはビーチの上で寝転んでストレッチをして体を伸ばしてから海に入っていった。去年、バイロンベイに行った時に昼寝をした後にそのまま海に入って膝の筋を痛めてから、どんな小さい波の日でもしっかりとストレッチをしてから海にはいる習慣がついていた。

海に入りボードの上に乗って、沖に向かってパドリングを始めるとビーチで見ていたときよりもさらに海面がキラキラしていて本当に金色の世界にいるような感じがした。その金色の中から大きな声を出しながら僕らの方に向かって、波の上を走ってくる体の大きなサーファーがいた。眩しくってサーファーの形をした黒い影にしか見えない。

「イヤー!」

大声をあげながら波のトップに上がり、そしてボトムに下りてぐいぐいと走っている。波を滑るというよりも波を力ずくで征服して走っているような感じがした。


アンドレアスだ!

近くまで来て、顔や体が見えた時にその黒い影がアンドレアスだと分った。僕はビックリした、僕の知っているアンドレアスのサーフィンよりもずっと上手になっている。

僕らの少し前で大きく転んで、ボードを空高くすっ飛ばしてアンドレアスは止まった。その顔は自分の一番かっこいい所を、親に見てもらった子供のように、得意げで純粋な顔をしていた。

「アンドレアス、すごいな!かっこよかったぜ。」

アンドレアスは顔をクシャクシャにして嬉しそうに笑った。

「まるでサーファーみたいだっただろ。」

「ああ、まるでサーファーみたいだったよ。」

僕らは大きな声で笑った。僕が一緒にサーフィンを教えていた頃のアンドレアスはもうそこにはいなかった。1年前にサーフィンに憧れてノルウェーからやってきたバイキングの子孫は、この1年間で立派に波乗りを覚えてサーファーになった。

「国に帰っても俺はサーフィンを続けるぜ。もう永住ライフと一緒にいなくてもサーフィンをやめないよ。」


僕達は次の波を求めて、また金色の世界に向かってパドリングを始めた。




★★★お知らせ★★★

☆オーストラリア永住希望者限定のIELTS目標スコア達成講座を始めました。
 目標スコアを達成して夢の永住ライフを実現しよう!
 90日でIELTS目標スコアを達成できる!! 
 http://www.eijyulife.com/explanation/study.html

☆永住LIFE発!幸せなオーストラリア永住権の取得方法の実践的なホームページです。オーストラリアが好きな人、永住LIFEに興味がある人は是非、ご覧になってください。
メールマガジンもこちらから登録できますよ!
「オーストラリア永住権取得は難しくない!」http://www.eijyulife.com

☆幸せな永住権への道」は、毎週火曜日に更新中です。楽しみにしていてくださいね。










幸せなオーストラリア永住権への道 38 自分が何者か・・

2006-03-14 18:24:28 | Weblog
マークのお店の中は外で見ていた時よりも、さらに派手でショッキングだった。
壁には一面にピンクや水玉、スカイブルーに派手なオレンジのビキニが掛かっていて、フロアの部分にも沢山の水着が掛かった棚がいくつも置かれていた。そして、ショウケースの上にはビキニ姿の女の子のポスターやカタログが沢山置かれていた。

「ここは最高の景色だろ?」

僕が緊張しているのを察したのか、マークは冗談を言いながらレジが置いてある大きなショウケースの前にイスを出してくれた。

僕がイスに座ると、マークはショウケースの裏に立てかけてあった折りたたみのイスをだして自分もそこに腰掛けた。

「それで、俺がスタッフを探しているってジェフから聞いたのかい?でも、ここは見てのとおりのビキニショップだ。ノーティーな女の子はいつでも歓迎だけれど男には用はないんだけどな。」

マークはそういって一人で笑った。僕はどうしたらいいのか分らなくてとりあえず一緒に笑ってみた。でも、ジェフはマークは変わりものだけれど悪いやつではないと言っていたしサーフショップの話には興味があったので僕はマークに聞いてみることにした。

「ジェフからマークさんがサーフショップを始めたがっているって聞きました。僕は今、別の仕事をしていますがサーフショップの仕事は大好きなんです。マークさんは本当にサーフショップをオープンしようと考えているんですか?」

マークは少し驚いたような顔をして笑った。

「話が早いな、でもジェパニーズサーファーのお前から見て、俺がサーフィンをするように見えるかい?」

僕は、それまでじっくりとマークの顔や体型を見たことは無かった。前に働いていたサーフショップで何度か会ったことはあったけれど、挨拶をした程度であまり気にはしていなかった。落ち着いてマークの顔や体を見てみると年齢は多分40歳くらいだけれど、おなかはでているし日にも焼けていない、およそサーフィンをしている人間の体つきではなかった。唯一、サーファー的な部分があるとすれば肩までのばしたこげ茶色の髪の毛ぐらいだ。

「失礼かもしれませんが、マークさんはサーフィンをしているようには見えません。でもサーフショップをオープンすることとサーフィンをしているかは直接は関係ないと思います。サーフィンをしていないサーフショップのオーナーもたくさんいるからです。」

僕は正直に答えた。事実、前の店のオーナーは女性だったし、サーフィン自体したことがないと言っていた。それでも彼女は数店のお店を経営していたからだ。

「そうだ、俺はサーファーじゃない。でもな自分がやりたい事を思い出したんだ。」

僕はマークの言う意味がわからなかった。でもマークが何か本気で新しいことを始めようとしていることは分った。

「来月、隣の店が出て行く。そしたら隣の店もレンタルして、このビキニショップと隣の店の間の壁をぶち抜いて二つの店をつなげてひとつにするんだ。そして、そこにサーフショップを作ろうと思っているんだ。お前がその気なら俺と一緒に店を作らないか。ただし、全部二人で作るんだ業者なんかには頼まないぞ、壁をぶち抜くところから全部自分達でやるんだ。」

「壁をぶち抜く!そんなことできるんですか?」

僕はビックリした。本当ににそんなことができると思わなかった、この店の壁はコンクリートでできていたし一目見ただけで壁が頑丈で厚いことが分ったからだ。僕はイスから立ち上がりマークがぶち抜くといっている隣の店との間の壁を叩いてみた。すると思ったとおり僕が叩いた衝撃を吸収してしまうぐらいに頑丈だった。

イスに戻るとマークがショウケースの引き出しから古い写真を出して見せてくれた。そこには大きな波のトップでカットバックをして、大きな弧を描くような派手なスプレーを飛ばしているサーファーが写っていた。そしてもう1枚の写真には綺麗なチューブを巻いている大きな波が写っていた。

それは何十年も前の写真だったけれど、この大きなスプレーを飛ばしている若いサーファーがマーク自身であることが僕には分った。

マークはサーファーだったんだ。

「これはマークさんですね?マークさんはサーファーだったんですね。」

僕は興奮して、マークに尋ねた。マークは若い頃に暖かい気候とまだ見たことのない波をを求めてニュージーランドからオーストラリアに移住してきたらしい、そしてサーフィンばかりの生活をしていたけれど、今の奥さんに出会い、結婚をして子供もできて、ビジネスをしてお金を作ることが忙しくなって、すっかり海から離れてしまったことを僕に話してくれてた。

「最初は海から離れるのは辛かった、でもそのうちに自分が何者かを忘れてしまうんだ。仕事をしてビールを飲んで寝て毎日が過ぎていく、仕事は忙しい、時間はない、体はどんどん重くなっていく、そして気が付いたら自分がサーファーだったことなんてすっかり忘れてしまうんだ。」

マークの話を聞きながら、ぼくはなんだか少し悲しくなった。大好きな海と大好きな家族の両方を守ることは難しいことなんだろうか。

「でもな、俺はまた大好きなサーフィンの世界に帰りたいんだ。波の上を滑って、波を刻んで走りたいんだ。だから、サーフショップをゼロから作りながら、もう一度サーフィンの世界に戻るんだ。」

僕はマークが言っていることはマークの本心だと思った。そしてマークがもう一度サーフィンの世界に戻ってくることを応援したい気持ちになった。

「僕は今、他のお店で働いているので毎日は来ることはできませんが、お休みの日や空いた時間ならお手伝いはできます。必要な時が来たら連絡をください。」

僕はマークに電話番号を教えてマークの店をでることにした。もう沢山のビキニに囲まれたマークの店にいることを、はずかしいとは思わなかった。


★★★お知らせ★★★

☆オーストラリア永住希望者限定のIELTS目標スコア達成講座を始めました。
 目標スコアを達成して夢の永住ライフを実現しよう!
 90日でIELTS目標スコアを達成できる!! 
 http://www.eijyulife.com/explanation/study.html

☆永住LIFE発!幸せなオーストラリア永住権の取得方法の実践的なホームページです。オーストラリアが好きな人、永住LIFEに興味がある人は是非、ご覧になってください。
メールマガジンもこちらから登録できますよ!
「オーストラリア永住権取得は難しくない!」http://www.eijyulife.com

☆幸せな永住権への道」は、毎週火曜日に更新中です。楽しみにしていてくださいね。

















幸せなオーストラリア永住権への道 37 ビキニボーイ

2006-03-07 16:54:34 | Weblog
今日は、ケイコ校長の学校に入学の申し込み書を提出に行く日だ。早めに入学を決めてお金を払い、ワーキングホリデービザから学生ビザへの変更の手続きを終らせてしまおう。ビザの変更には学校が発行してくれる書類が必要なんだ。

昨日、配達の仕事を終えてお店に帰る途中にサーファーズのANZ銀行によって、ケイコ校長がディスカウントしてくれた2ヶ月分の授業料を下ろしてきた。僕の財布には普段は2,30ドル入っていれば多いほうなのに、大量のお金を封筒に押しこんで持っているので、僕は家に帰ってくるまでぜんぜん気持ちを緩めることができなかった。あまりにも緊張していたために帰り道で2回もエンストをしてしまったぐらいだ。

それに、今日はもう1箇所行きたい場所があった。それはマークの水着屋だ。マークとサーフショップのマネージャーが仲がよかったので僕も何度かはマークにあったことがあった。マークの水着屋は僕が働いていたサーフショップから数十メートル歩いたANAホテルの前にあった。お店の中には入ったことがなかったけれど、外から見ると男用の水着は無く水着屋というよりはビキニショップといったほうがピッタリくる感じのお店だ。

そのマークがサーフショップを始めたいらしい、そして日本人で右腕になってくれる人間を探しているらしい、僕は正直に言って興味があった。今の配達の仕事も楽しいけれどサーフショップでの仕事は本当に楽しかった。そして何よりも自分でなければできない仕事というものをやってみたかった。僕は学校の帰りにマークの店に行ってみようと思っていた。

昨日の夜、アンドレスとアッキーにその話をしたら大笑いされた。二人とも僕がビキニショップで働くことを想像したらしい。アンドレスにいったては座っていたソファーから、わざわざ立ち上がり、腰を振りながら女言葉で「私は永住ライフ。ビキニを買ってね。」とふざけて、一人で大騒ぎをしていた。

服を着替えてリビングにでると、昨日飲んだビールのカンがそのままころがっていた。僕はそれを集めてゴミ箱に捨てた。そして、まだ寝ている二人に「いってきます。」と聞こえないぐらいの小さいこえで声をかけてから家をでた。いつまで今の3人の暮らしが続けられるかはわからないけれど、今のところ僕にとってのオーストラリアの家族なんだ。

学校に着くと、今日は受付にケイコ校長が座っていた。

「おはようございます、今日は入学金を払いにきました。入学の手続きをお願いします。」

ケイコ校長は僕に受付の近くのイスに座るように言って、コーヒーを持ってきてくれた。
前回、僕が学生ビザに切り替えてオーストラリアに残りたいと言った時とは全然、応対がちがっていた。やっぱりケイコ校長も自分の仕事や学校に誇りをもっているから、それをビザのために利用されるようなことは、気持ちが良くないのだろう。

手早く、申し込み用紙と入学金を手渡すと、ケイコ校長は学校が発行する学生ビザに切り替えるのに必要な書類を僕にくれた。

「これを持って、サウスポートのイミグレーションオフィスに行きなさい。他にも必要な書類もあるし、お金も必要だから事前にちゃんと確かめてから行くのよ。」
「ありがとうございます。学校が始まるのが楽しみです、よろしくお願いします。」

僕はこれから始まる、新しい生活にワクワクしていた。僕は小さい時から学校が好きだった、やりたくない勉強をさせられるのは苦痛だったけれど、好きな教科を勉強したり、友達に会えるので学校は大好きだった。25歳を過ぎて大人になったけれど、またかばんを背負って筆箱を持って、新しいことを勉強できるのは想像しただけで楽しそうだった。

ケイコ校長によくお礼を言って、学校を出た。外に出て、学校の入っているビルを見上げると太陽が反射してピカピカ光っていた。しばらくはここに通うんだと考えたら、また楽しい気持ちになってきた。そして、今度はマークの店に向かって歩いて行った。

マークの店につくと、まだ店は閉まっていた。腕時計を見たらまだ朝の九時だった。こんなに早い時間から水着屋が開いているわけなかった。また今度来ることにして僕はガラス越しにお店の中を見ていた。本当にビキニだらけだ、これじゃあアンドレアスにビキニボーイとからかわれても仕方がないな。

「おい、お前なにやってんだ!」

後ろから突然、声をかけられた。朝から女物のビキニを扱う店のウインドウにくっついて店内を見ていた僕は、まわりから見たら相当あやしい人に見えたんだろう。

「すいません、僕はこの店で求人をしていると聞いたのでどんなお店か見ていたんです。」
「だれに、そんなことを聞いたんだ。おれはこの店のオーナーだ。お前はだれだ。」
「僕は永住ライフです。ジェフのサーフショプで働いていました。マークさんにも何度かあったことがありますよ。あやしいものじゃありません。」

ぼくはビックリして、とっさにマネージャーから聞いていた求人のことを言ってしまった。まだ、ここで働くつもりなんてないのに。そして僕に声をかけたのは水着屋のマーク本人だった。

「あー、あー、覚えてるよ。お前があのときのジャパニーズサーファーか。とりあえず中に入れよ、少し話そうぜ。」

マークはそういうと店の鍵を開けて、中に入って電気をつけた。僕もマークに続いてお店の中に入っていった。店の中は外から見えた以上にビキニだらけでマークには悪いけれど、僕はそこにいるのがとても恥かしくなった。



★★★お知らせ★★★

☆オーストラリア永住希望者限定のIELTS目標スコア達成講座を始めました。
 目標スコアを達成して夢の永住ライフを実現しよう!
 http://www.eijyulife.com/explanation/study.html

☆永住LIFE発!幸せなオーストラリア永住権の取得方法の実践的なホームページです。オーストラリアが好きな人、永住LIFEに興味がある人は是非、ご覧になってください。
メールマガジンもこちらから登録できますよ!
「オーストラリア永住権取得は難しくない!」http://www.eijyulife.com

☆幸せな永住権への道」は、毎週火曜日に更新中です。楽しみにしていてくださいね。