オーストラリア永住権取得は難しくない!

5つの目標を作り始まった、永住LIFEの幸せなオーストラリア永住権への道

幸せなオーストラリア永住権への道 36 新しい道

2006-02-28 20:00:56 | Weblog
学生ビザに切り替えてでも、この国に残ろう。僕はそう決心をした。
今、諦めて日本に帰ったらきっといつか後悔をする、僕は心の中でまだ実現できていない5つめの目標「オーストラリアでの暮らしが幸せなものだったら永住権を取る。」をやり遂げることを誓った。

今日は授業料が一番安い学校を探す為に、マネージャーにお願いをしてお休みをもらってある。僕はメモ帳とペンをズボンの後ろポケットに入れて家を出た。今日もアンドレアスは朝からサーフィンに行っていて家にはいなかった、アンドレアスは最近、毎朝サーフィンに行き夜は街に出かけることが多かった。オーストラリアでの残された日々を充実させようと忙しいようだった。

昨日、オーストラリアの日本語の情報誌や日本食レストランの前にある掲示板でいくつかの学校の情報を調べて、その中でも3つほど良さそうな学校を見つけておいた。日本人向けの情報や学校、お店を知りたいときはこの方法が一番便利なんだ。僕は、エスプラネードに車を停めて最初の学校を見に行った。

最初の学校は、僕が前に働いていたサーフショップの直ぐ近くにあった。中に入ると小さな受付があってそこにはオージーの女性が座っていた。

「すみません、僕はこの学校に興味があるんです。お話を聞かせてもらえませんか?」

僕が声をかけると、その女の人は優しそうな笑顔でうなずいて、隣の部屋に案内をしてくれた。
イスに座って、しばらくすると日本人の女性が入ってきた。

「こんにちは、私がこの学校の校長をしているケイコです。」

僕はいきなり日本人の女性が現れて、この語学学校の校長ですと言われたので、とても驚いた。前の学校の校長先生は年配のオーストラリア人の男性で頭は少し薄くて体も大きく、いかにも校長先生というイメージにピッタリだったからだ。でも今、僕の前に座っている女性は日本人でしかも、年もまだ30才くらい見える。

「今は、なんのビザで滞在しているの?」
「ワーキングホリデービザです。でももう少しオーストラリアで暮らしたいので学生ビザに切り替えたいんです。」
「学生ビザに切り替えて、この国に残ることはできるけれど出席率が悪いと強制送還になるのは知っている?」

強制送還!僕はビックリした。でもきのうのキャシーの反応と同じで、ワーキングホリデーから学生ビザに切りかえて、この国に残りたいと言うとあまり良い反応をされなかった。きっとビザを取る為だけに学生ビザを取って学校に来ない生徒が多いんだろう。

「この国に残りたいのは本当です、でも自分のお金を払って学校に入学する以上しっかりと学校に来ます。覚えられることは何でも勉強したいんです。」

ぼくは慌てて、そう言った。でもそれは本心だった、ここで払う授業料は僕が今まで一生懸命に働いて貯めたお金だ、意味のないことには使いたくない。そしてこれからこの国で暮らすのなら英語は上手なほうが良いに決まったいる。

ケイコ校長は手に持っているファイルを開いて、1枚の紙を取り出した。そこには授業料の値段が3ヶ月、半年、1年に分けて書かれていた。一番安い3ヶ月のコースでも僕が今のお店でもらえる給料の1ヶ月分より高い。僕は少し困ってしまった、僕が日本から貯めてきたお金も、もう沢山は残っていなかった。そして、いつかビザの申請をする時のためにこのお金は使いたくなかった。でも僕にはまだ、この国にきてから働いて貯めたお金があった、そのほとんどを使えばなんとか払うことができる金額だ。

ケイコ校長は僕が困っている様子を感じたのか、少し考えてから先月まで入学金無料で2ヶ月分の授業料を払えば3ヶ月間の授業を受けることができるキャンペーンをやっていたことを教えてくれた。そして、特別にそのキャンペーンの値段で僕にも授業を受けさせてくれると言ってくれた。

「ありがとうございます。」

僕は、ここが最初に見学に来た学校だけれど、もうこの学校にしようと決めていた。きっと他の学校を見学に行っても、これより安い学校はみつからないだろう。

僕はケイコ校長にお礼を言って、入学の申込書をもらって学校をでた。これで、あと6ヶ月はチャンスがあるぞ。僕は少しいい気分になって、久しぶりに前働いていたサーフショップのマネージャーに会いにお店に遊びにいった。

店に入ると、僕が働いていた頃と同じようにマネージャーは新聞を読んでいた。

「よお、永住ライフ。久しぶりだな。」

マネージャーは読んでいた新聞をおいて、僕の顔を見て笑った。

「そういえば永住ライフ、お前今の店でビジネスビザは取れたのか?たしかもうすぐお前のビザは切れるだろう。」

マネージャーは僕の状況を覚えてくれていた。僕はオーナーの永住権が取れなくてビジネスビザが取れないこと、それでも諦めたくないので学生ビザに切り替えてこの国の残ることを話した。

「永住ライフ、お前それならもう一度サーフショップで働く気持ちはあるかい?」
「えっ!この店で働くってこと、でも僕は1度辞めているし、ビザの申請はできないんじゃないの?」

僕はてっきりマネージャーが、もう一度ここで働いてみないかと誘ってくれているのだと思った。

「ちがう、ちがう、永住ライフ。水着屋のマークを覚えているか?やつが今度、サーファーズの街で新しくサーフショップを始めたいらしんだ、それで右腕になって働いてくれる日本人を探しているみたいだぞ。ビザの申請までは分らないが、お前なら商品を売ることができるし、きっとやつにとって必要な人間になるんじゃないか?」

サーフショップの立ち上げかぁ、やりがいもあるしすごくおもしろそうだな。
僕は一度、マークに会いに行くことに決めた。



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幸せなオーストラリア永住権への道 35 学校へいこう!

2006-02-21 21:13:00 | Weblog
昨夜は、いつのまにか寝てしまったようだ。なんだか寝苦しくて目を覚ますとお店の制服とジ-ンズを履いたままで寝ていた。昨日の出来事を思い出すと少し気持ちが沈みそうになったけれど、もう僕の中の弱い心はどこかに消えていた。ビザが切れるまで、まだあと1ヶ月以上ある、なんとしてでもこの国に残ってやる。僕は自分のできることはなんでもしようと心に決めていた。

急いでシャワーを浴びて、洋服を着替えた。いつもならこのまま制服に着替えてお店に行くところだけれど、その前に今日は行かなけらばならない場所がある。お店の出勤時間までにはまだあと2時間はある、僕は車に乗ってサーファーズまで車を走らせた。海沿いの道のエスプラネードに車を停めて,僕は以前通っていた語学学校に向かって歩いて行った。

学校はサーファーズの街の中心にあって、昼間はもちろんオープンしていないけれどバーやナイトクラブがたくさんあるオーキッドアベニューの2階にあった。僕は少し懐かしく感じながら暗いエントランスを入り、エレベーターに乗った。

この時間なら生徒はまだ学校に来ていないだろう。エレベータを降りると、学校のドアは開いていたけれど思ったとおり、生徒達の姿は見当たらなかった。

僕は入り口のベルを鳴らし、事務室からレセプションのキャシィーが出てきてくれるのを待った。しばらく待つといきおいよくドアが開いて、いつも元気のいいキャシィーの顔が見えた。

「おはよう、キャシィー。」
「あら、おはよう!永住ライフ。ひさしぶりじゃない、元気にしていた?」
「うん、僕は元気だよ。今日は相談があってきたんだ、少し話せるかなぁ。」
「いいわよ、まだ生徒も誰も来ていないし。それじゃあ面談室で話しましょうか。」

僕の通っていた学校には生徒と先生が面談をしたり、新しく学校に入学する生徒がクラス分けのために英語のテストを受けるための部屋があった。普段はほとんど使うことがないけれど先生や学校側に話がある生徒はこの部屋で話をするんだ。

部屋に入ると、キャシィーは僕に座るように言った。

「それでいったいどうしたの?永住ライフ。」

僕は昨日の夜に決心したことをキャシーに相談することにした。

「うん、キャシィー。相談があるんだ、僕がワーキングホリデービザなのは覚えている?そのビザが、あと1ヶ月少しで切れてしまうんだ。でも、僕はまだこの国でしたいことがあるんんだ、だから今度は学生ビザに切り替えてこの国に残りたいんだ。」

キャシィーは少し困ったような顔をして、僕の顔を一度見てから話し始めた。

「永住ライフ、あなた何をしたいの?学生ビザは学生のためのビザで勉強をするためのビザなのよ。学生ビザを取るなら毎日しっかりと学校に通わなければならないの、ビザだけ取って好きなことをやって遊んでいるなんてできないのよ。」

僕は正直に話すことにした。学校が終わってからずっとビジネスビザを取りたくてサーフショップで働いていたこと、今の職場のこと、オーナーの永住権の話、そして僕がオーストラリアが大好きで、なんとしてでもこの国に残ろうと決意をしたこと。すべて話したら、なんだかすっきりした。

「ねぇキャシィー、日本に一度、帰らなくてもワーキングホリデービザから学生ビザに変更することが可能なの?」
「そうね、それは可能よ。でもね永住ライフ、ビジネスビザを取るためには、あなたは仕事をしなければならないんでしょ?そして、あなたは午前と午後の授業も両方受けなければならないのよ。つまり3時以降しか働くことができないの。そして学生は週20時間までしか働くことができないのよ。」

ぼくは、それでもこのまま日本に帰るよりはマシだと思った。その間に、何か別の方法も見つかるかもしれない。そして、オーナーの永住権も取れるかもしれない。

「ありがとうキャシー。これで少しだけ希望が見えたよ。僕は自分の夢を、まだあきらめたくないんだ。」

僕はキャシィーにお礼を言って部屋を出ようとした。キャシィーは学生ビザに切り替えるには健康診断を受けなければならないこと、学校を申し込んで学生ビザを取る時は3ヶ月の授業を申し込めば前後に1ヶ月ずつ準備の期間がもらえて合計5ヶ月間滞在できることを教えてくれた。

そして、最後にこれは友人として言うと前置きをしてから、学校は他にも色々あって料金もそれぞれ違うからあなたに合った学校を調べたほうがいいと言ってくれた。

「がんばってね永住ライフ。そんなにオーストラリアを好きになってくれて嬉しいわ。私はゴールドコーストで生まれたの、そしてここで大きくなったのよ。」

僕はもう一度キャシィーにお礼を言って、今度はエレベーターは使わずに階段をいっきにかけ降りた。



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幸せなオーストラリア永住権への道 34 大好きだから

2006-02-14 17:03:38 | Weblog
「帰国」この言葉が僕の上に大きくのしかかってきた。僕のビザが切れる日までには、あと45日しかない。オーナーの永住件が取れるまでには少なくともあと2,3ヶ月はかかる。ぼくの手の中にあったカードはもう全てきってしまった。これ以上どうやったら、この国に残る為の方法がみつかるのか、もう僕には分らなくなってしまった。

僕は家に帰ると部屋に閉じこもった、幸いアンドレアスはどこかに飲みに出かけたようで家にはいなかった。リビングのテーブルの上にはさっきまでアンドレアスが飲んでいたビールの空缶が3つ転がっていた。アッキーは昨日から最近仲良くなった友達の家に出かけていて留守にしていた。

いったいどうしたらいいんだ。このまま日本に帰るしかないのか。僕は出口の見えないトンネルの中に入り込んでしまったようなひどく惨めでさみしい気持ちになった。

今まで1年間、僕はとても幸せだった。憧れていた外国で暮らすことができて、好きなサーフショップで働けて、アンドレアスという外国人の親友もできた、英語も綺麗な英語ではないが話すことができるようになったし、アッキーという弟分も日本からやってきて自分が教えられることは伝えることができた、アッキーも友達ができて、もう一人で自由に街を歩くことができるようになった。

「もう、十分なんじゃないか?やりたいことは全部やれたんじゃないか?」

僕の中の弱い気持ちが、僕をそう言ってなぐさめる。

「1年間、楽しかっただろ。いろいろな経験ができたよな。いい思いでだよ。」

部屋の電気を全て消して、僕はベットの中に入って布団の中にもぐりこんで声をだして泣いた。シドニーに初めて着いた日のこと、けんじさんとの出会い、バスに乗ってサーファーズに着いた日のこと、英語を練習した日々、ホストマザーとの出会い、サーフショップで働いていた頃、アンドレアスとの楽しい日々、僕の頭の中を今までの1年間の出来事が次々と浮かんでは消えていった。

そうだ、あのノートを見てみよう。あのノートには最初の頃の思い出が沢山書いてあるはずだ。僕はこの国に来て最初の1,2ヶ月の間は毎日、日記をつけていた。友達もいなかったし、仕事もしていなかったから時間だけは限りないほどにあったんだ。

僕は部屋の電気をつけて、ベットの横にある引き出しを開けてノートを探した。引き出しの中にはオーストラリアに来てから撮ったマザーとの写真や、サーフショップの仲間達との写真、アンドレアスとの写真なんかがごちゃごちゃになって入っていた。その一番下のほうから汚れた黄色いノートがでてきた。

ノートを開くと一番最初のページに大きく黒のマジックの汚い字で「オーストラリアでやりたい事」と書かれていた。そして、その下に少し小さい字で同じように5つの目標が書かれていた。

1、現地のサーフショップで唯一の日本人スタッフとして働く。
2、英語しか話せない外国人の親友を作り、一緒に暮らす。
3、海の目の前に暮らし、プール、ジャグジー付きで窓から波がチェックできる家で暮らす。
4、たくさんの外国人の仲間と出会い、色々な価値観と世界を知り、共有する。
5、オーストラリアでの暮らしが幸せなものであれば永住権をとる。

知らないうちにそこに書かれている、ほとんどのことが実現できている。自分で意識していたことと、意識はしていなかったけれどなんとなく実現できたことの両方があるけれど1番目から4番目までの目標は実現できている。

ぼくは、1番目の目標から声をだして読んでみた。

「1、現地のサーフショップで唯一の日本人スタッフとして働く。2、英語しか話せない外国人の親友を作り、一緒に暮らす。3、・・・4・・」

4番目まで読み終わり、5番目を読み始めようとしたけれど、悔しくて、悲しくて、また涙があふれて出てきて読むことができない。

「5、オーストラリアでの・・・暮らしが幸せな・・・・もの・・・。」

僕はこの国にやってきてからずっと幸せだ。この国が大好きで、この国で出会った人達がこんなに大好きなのに、なんでオーストラリアは僕をいさせてくれないんだ!僕はこんなにオーストラリアが大好きなのに・・・・

僕は悔しかった、がんばっても実現できなかった5番目の目標。このまま日本に帰ってもいいんだろうか、こんな時にアンドレアスならなんて言うだろう。でも、こんな弱いところはアンドレアスには見せられない。僕とアンドレアスは兄弟なんだ、こんな弱い今の僕はアンドレアスの兄貴でも弟でもない。

僕はアンドレアスが昨日言った言葉を思い出した。

「なあ、永住ライフ。お前はこの国に残るんだろ?それなら絶対に諦めるなよ。お前のやりたい事が変わったら、それは仕方ないことだ、人間は変わるもんだ。でもお前のやりたいことがあるのなら、俺はお前にはそれを実現して欲しい。」

アンドレアスは、もうすぐノルウェーに帰るんだ。アンドレアスはやりたかった事を全部やったんだ、そしてやりたいことが今は変わったんだ。でも、僕のやりたい事はまだ変わっていない、まだ諦めちゃだめだ。

このまま日本には帰れない。
さっきまで僕をなぐさめていた、僕の中の弱い心が消えた。

「僕は最後まであきらめないぞ。」




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幸せなオーストラリア永住権への道 33 45日

2006-02-07 20:25:40 | Weblog
アッキーが日本からやってきて、アンドレアスも帰国を決意した。僕の今までの生活の流れが大きく変わろうとしていた。今までの流れから分かれて新しい流れに入っていくことがすごくリアルに感じられていた。

僕のビザも残り1ヶ月半を切ろうとしている、ビジネスビザを取得するためにはそろそろ本格的にオーナーやマネージャーと話し合いをして、スポンサーについてお願いをしなければならない。

僕は、その日ある決意をしてお店に向かった。
お店に着いて、シャッターを開けると裏口のドアが開いていた。
めずらしくマネージャーが僕より早くお店に来ているみたいだ、僕は不思議に思いながら裏口のドアを開けて、二階の事務所のドアを開けるために外に出た。

「おはようございます、マネージャー。」
「おう、おはよう。永住ライフ。」

マネージャーは自分の車から大きなバックを取り出している最中だった。なんでこんなに早い時間にマネージャーがお店に来ているのか不思議だったけれど、もっと不思議な事は、いつもは店のよれよれの制服を着ているマネージャーが、今日はきれいなシャツを着ていることだった。

「今日は、何かあるんですか?なんだかよそ行きの格好をしていますね。」
「おう、今日はなオーナーと一緒にビザエージェントのところにいかなきゃならないんだよ。まったくめんどくさいな。」

ビザエージェント?なんでオーナーとマネージャーがビザエ-ジェントに会いに行くんだろう?もしかしたら、オーナーに永住権が取れたのかな、それならば僕のビジネスビザをスポンサーしてもらえるかもしれない。

僕は今日家をでる時に話そうと決めていたことをマネージャーに話すことにした。こんなにいいタイミングは他にないし、僕にとって大切な話だ。

「マネージャー、お願いがあります。もし、オーナーに永住権が取れたのなら僕を社員にしてください。一生懸命に働きます、そしてお店に沢山の利益をだすようにがんばります。もし、スポンサーになってもらえるのなら、ビザの申請にかかるお金は全部僕が払います。お願いします!」

僕は、心の中にあったことを全部話した。もう僕には時間がない、これでだめなら日本に帰らなければならない。アンドレアスが帰国を決意したように、僕はこの国に残ることを決意したんだ。

マネージャは、そんな僕の気持ちを察していたかのように笑いながら言った。

「アホか、何の為に俺が社長と一緒にビザエージェントのところなんかに行くと思ってんだよ、お前のビザはあと1ヶ月そこらしかないんだろ?だったら、社長の永住権が取れたら直ぐにでも準備を始めなきゃしょうがないだろ。」

僕は嬉しくて飛び上がりそうになった!マネージャーは僕のビザのことを考えてくれていたんだ。

「ありがとうございます!マネージャー。」
「ありがとうじゃないぞ永住ライフ、まだ社長の永住権が取れた訳じゃないんだ。俺は社長の永住権が取れたら、お前のビザを申請できるようにしようと思ってるだけだよ。」

それでも僕は嬉しかった。何度もお礼を言う僕に、めんどくさそうに仕事に戻れと言うマネージャーがとても頼もしく見えた。

「よーし!今日もがんばるぞー。」

二階の事務所に続く階段をいきおい良くかけ上がり、事務所の扉を開けて電気のスイッチを全部ONにした。事務所の窓から空を見ると、今日も雲ひとつなく晴れていて、なんだか素晴らしいことが待っているような気がした。

お昼頃にオーナーがお店にやってきて、マネージャーと一緒にビザエージェントに出かけて行った。出かけにマネージャーに「後は任せたぞ。」と声をかけられて僕は、さらに気持ちがワクワクしてきた。

午後は伝票の整理や、電話の応対をしながらもエージェントでオーナーとマネージャーが話している場面を想像して、楽しい気分がおさまらなかった。

でも、そのワクワクはそんなに長くは続かなかった。僕は同じ1日の中で楽園にいるような気持ちから、希望のない真っ黒い部屋に閉じ込められたような、二つの気持ちを味わうことになった。

「おかえりなさい!」

マネージャーとオーナーが帰ってくると、僕は大きな声で挨拶をした。
二人が、どんなことをエージェントのところで話してきたのか早く聞きたくてたまらなかった。でも二人の顔を見た瞬間に何かよくないことが起こったということが、二人が何も言わなくても分かった。

僕は、何があったのかとても気になったけれど、オーナーにもマネージャーにも聞ける雰囲気じゃなかったので、やりかけだった伝票の整理を続けた。二人は二階の事務所に入っていったまま結局、閉店の時間までお店に下りてくることはなかった。

お店のかたずけをして、野菜やお米をしまってある倉庫の前を掃除していると二階の事務所の窓からオーナーが声をかけてくれた。

「おーい、永住ライフ。そのへんが終ったら二階にあがってこい。ちょっと話があるんだ。」

僕は急いで掃除を終らして、緊張しながら事務所の中に入っていった。オーナーもマネージャーもとても疲れた顔をしている。朝は新しいシャツを着て、あんなにニコニコ笑っていたマネージャーも、まるで何日も寝ていないような疲れきった顔になっていた。

「そこに座りなさい、永住ライフ。」

僕は、オーナーに言われるままにマネージャーの隣のソファに腰を下ろした。

「実はな、俺も本当に残念なんだけれど。俺の永住権がすぐには取れそうにないことが分かったんだ。」

僕の胸の中で大きな風船がはじけたような感じがした。心臓の鼓動が早くなり、頭の中が真っ白になった。

「俺もすぐに永住権が取れると思っていたから、お前のスポンサーの話を聞いていた。そして、お前の仕事ぶりも見ていたよ、お前は本当によくやってくれたし、永住権が取れたらスポンサーをしてやりたいと今でも考えているよ。でもな今日、エージェントにはっきり言われたよ。俺の永住権が取れるのには早くてもあと2,3ヶ月はかかるらしい。つまりお前のビザが切れる前には、間に合わないんだよ。」

僕の目の前の世界がすべて止まったように感じた。
僕のビザが切れる日まで、あと45日。





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