社会保障・税に関する番号制度についての基本方針(1)、番号制度を「国民主権を実現するための手段・道具」と考えようの続きです。
最近、この分野の展開は速く、基本方針の決定後も
情報連携基盤技術WG(第1回)平成23年2月4日
社会保障改革に関する集中検討会議(第一回)平成23年2月5日
個人情報保護WG(第1回)平成23年2月7日
などがありました。時間がないので、どこまで議論できるか不安もありますね。
(2)番号制度に必要な3つの仕組み
番号制度(複数の機関に存在する個人や法人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための基盤)には、次の3つの仕組みが必要としています。
1 付番
2 情報連携
3 本人確認
●付番について
付番は、
・新たに国民一人ひとりに唯一無二の
・民-民-官で利用可能な
・見える番号を
・最新の住所情報と関連づけて
・付番する仕組み
・個人に対して付番する番号は、住基ネットを活用した新たな番号とする
・番号の名称は、国民の公募で決める
・個人の番号は、改良住基カードの券面等に記載される
・番号が、みだりに公開されたり、流通させたりしないようにする
・法人等に対して付番する番号は、登記の会社法人等番号を活用した番号とする
・会社法人等番号を有しない法人等の番号は、今後検討する
・法人等の番号は、広く一般に公開され、自由に流通できる
・法人等の番号は、官民を問わず様々な用途で利活用する
・容易に番号の検索、閲覧等ができるようにする
・付番機関は、歳入庁が創設されれば、歳入庁とする
・歳入庁が創設されるまでは、個人番号は総務省、法人番号は国税庁とする
・付番対象となる個人は、住民票コードを持つ日本国民と外国人住民とする
・付番対象となる法人は、納税義務を有する法人や人格なき社団などとする
・付番対象は、今後拡大する可能性がある
・個人の付番の基礎となるデータは、住民基本台帳に記載されている4情報(住所、氏名、生年月日、性別)とする
・法人の付番の基礎となるデータは、3情報(商号・名称、本店・主事務所、会社法人等番号)とする
・複数の機関で管理している同一人の情報は、国民IDコード(PDF)を用いて紐付けする
・紐付けられた情報を相互に活用するための仕組みを「情報連携基盤」とする
・番号を本人が利用できる分野は、社会保障と税務分野とする
・社会保障分野には、年金、医療、福祉、介護、労働保険がある
・税務分野には、国税と地方税がある
・国民の利便性、導入コスト、プライバシー保護等を考慮する
・各分野で利用されている既存の番号は、当分の間、並存する
★作者コメント
国民の一人ひとりには既に住民票コードが付番されていますが、それとは別に番号を付けることになります。民-民-官で利用可能というのは、納税者番号や社会保障番号として使われることを意味します。例えば、
納税者番号の場合:個人--勤務先・金融機関--国税庁
社会保障番号の場合:個人--病院・保険機関--厚生労働省
最新の住所情報との関連づけは、各市町村が管理する住民票(住民基本台帳)と番号を結びつけることを意味します。つまり、住民票コードとリンクした番号が付与されることになります。
付番するのは、けっこう大変な作業です
「住民票に記載された情報は正しい」ことを前提とすれば、
・住民票コードと同じように行政側で各住民に番号を付けて、その番号を住民票に記載した住所へ送付して通知する
・新しい健康保険証に番号を記載し、有効期限が切れたものから順次切り替えることで通知に代える
などの方法が考えられます。
「住民票に記載された情報は、現状と異なる場合が多い」ことを前提とすれば、
・本人が最寄の市町村役場等へ出頭して、運転免許証等で厳格に本人確認した後に、番号を付けて、本人に通知書等を交付する
・行政側で各住民に仮番号を付けて、その番号を住民票に記載した住所へ本人限定受取で送付して通知する。本人による受取りを確認できた番号のみ、正式な番号として登録する。
などの方法が考えられます。間違って番号を付けてしまうと大変ですが、あまり厳格に本人確認を実施すれば、費用や時間がかかり過ぎてしまうので、妥協点を探すことになります。
作者のオススメは、「住民票コードと同じように行政側で各住民に番号を付けて、その番号を住民票に記載した住所へ送付して通知する」というシンプルな方法です。そして、実際に本人が番号を利用する段階では、企業や金融機関が、運転免許証等で厳格に本人確認をすれば良いでしょう。
最初から完全・完璧を目指さずに、時間をかけて番号制度を社会や国民に浸透させていき、その精度や信頼性を高めていくということです。
日本で番号制度を導入する場合は、米国や韓国を反面教師として、番号を絶対視したり、番号(と氏名、住所、電話番号などの公開情報)だけで本人確認をするような事態は避けなければいけません。「番号そのものに価値を与えない」ように注意しましょう
関連ブログ>>共通番号(国民ID)のすべて、正確な情報の記録に欠かせない「信頼の経路」と「信頼の起点」|社会保障と税の番号制度、国民ID制度、アイデンティティ連携、議論がかみ合わない理由(後編)
最近、この分野の展開は速く、基本方針の決定後も
情報連携基盤技術WG(第1回)平成23年2月4日
社会保障改革に関する集中検討会議(第一回)平成23年2月5日
個人情報保護WG(第1回)平成23年2月7日
などがありました。時間がないので、どこまで議論できるか不安もありますね。
(2)番号制度に必要な3つの仕組み
番号制度(複数の機関に存在する個人や法人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための基盤)には、次の3つの仕組みが必要としています。
1 付番
2 情報連携
3 本人確認
●付番について
付番は、
・新たに国民一人ひとりに唯一無二の
・民-民-官で利用可能な
・見える番号を
・最新の住所情報と関連づけて
・付番する仕組み
・個人に対して付番する番号は、住基ネットを活用した新たな番号とする
・番号の名称は、国民の公募で決める
・個人の番号は、改良住基カードの券面等に記載される
・番号が、みだりに公開されたり、流通させたりしないようにする
・法人等に対して付番する番号は、登記の会社法人等番号を活用した番号とする
・会社法人等番号を有しない法人等の番号は、今後検討する
・法人等の番号は、広く一般に公開され、自由に流通できる
・法人等の番号は、官民を問わず様々な用途で利活用する
・容易に番号の検索、閲覧等ができるようにする
・付番機関は、歳入庁が創設されれば、歳入庁とする
・歳入庁が創設されるまでは、個人番号は総務省、法人番号は国税庁とする
・付番対象となる個人は、住民票コードを持つ日本国民と外国人住民とする
・付番対象となる法人は、納税義務を有する法人や人格なき社団などとする
・付番対象は、今後拡大する可能性がある
・個人の付番の基礎となるデータは、住民基本台帳に記載されている4情報(住所、氏名、生年月日、性別)とする
・法人の付番の基礎となるデータは、3情報(商号・名称、本店・主事務所、会社法人等番号)とする
・複数の機関で管理している同一人の情報は、国民IDコード(PDF)を用いて紐付けする
・紐付けられた情報を相互に活用するための仕組みを「情報連携基盤」とする
・番号を本人が利用できる分野は、社会保障と税務分野とする
・社会保障分野には、年金、医療、福祉、介護、労働保険がある
・税務分野には、国税と地方税がある
・国民の利便性、導入コスト、プライバシー保護等を考慮する
・各分野で利用されている既存の番号は、当分の間、並存する
★作者コメント
国民の一人ひとりには既に住民票コードが付番されていますが、それとは別に番号を付けることになります。民-民-官で利用可能というのは、納税者番号や社会保障番号として使われることを意味します。例えば、
納税者番号の場合:個人--勤務先・金融機関--国税庁
社会保障番号の場合:個人--病院・保険機関--厚生労働省
最新の住所情報との関連づけは、各市町村が管理する住民票(住民基本台帳)と番号を結びつけることを意味します。つまり、住民票コードとリンクした番号が付与されることになります。
付番するのは、けっこう大変な作業です
「住民票に記載された情報は正しい」ことを前提とすれば、
・住民票コードと同じように行政側で各住民に番号を付けて、その番号を住民票に記載した住所へ送付して通知する
・新しい健康保険証に番号を記載し、有効期限が切れたものから順次切り替えることで通知に代える
などの方法が考えられます。
「住民票に記載された情報は、現状と異なる場合が多い」ことを前提とすれば、
・本人が最寄の市町村役場等へ出頭して、運転免許証等で厳格に本人確認した後に、番号を付けて、本人に通知書等を交付する
・行政側で各住民に仮番号を付けて、その番号を住民票に記載した住所へ本人限定受取で送付して通知する。本人による受取りを確認できた番号のみ、正式な番号として登録する。
などの方法が考えられます。間違って番号を付けてしまうと大変ですが、あまり厳格に本人確認を実施すれば、費用や時間がかかり過ぎてしまうので、妥協点を探すことになります。
作者のオススメは、「住民票コードと同じように行政側で各住民に番号を付けて、その番号を住民票に記載した住所へ送付して通知する」というシンプルな方法です。そして、実際に本人が番号を利用する段階では、企業や金融機関が、運転免許証等で厳格に本人確認をすれば良いでしょう。
最初から完全・完璧を目指さずに、時間をかけて番号制度を社会や国民に浸透させていき、その精度や信頼性を高めていくということです。
日本で番号制度を導入する場合は、米国や韓国を反面教師として、番号を絶対視したり、番号(と氏名、住所、電話番号などの公開情報)だけで本人確認をするような事態は避けなければいけません。「番号そのものに価値を与えない」ように注意しましょう
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