
『ガメラ2 レギオン襲来』 金子修介監督 ☆☆☆★
DVDで再見。『ガメラ 大怪獣空中決戦』に続く平成ガメラ2作目である。敵役として昭和シリーズのギャオスを登場させた『大怪獣空中決戦』に対し、今回はオリジナルの新怪獣を登場させている。そういうところからも凝りに凝ったストーリーからも、前作をしのぐ怪獣映画を作ろうという制作サイドの意気込みが伝わってくる。実際、平成ガメラシリーズの中でこれが最高傑作という人も多いようだ。まあ個人的にはこれが傑出しているとは思わないが、一番気合いが入っている感じはする。
今回ガメラと対決するのはレギオンという宇宙怪獣で、隕石のふりをしてある日突然地球にやってくる。このレギオンという怪獣の生態がもう凝りまくっていて、本作の見どころの一つになっている。まず草体というものがあり、これは文字通り巨大な植物で、花を咲かせ、酸素を吹き出し、大爆発することで種子を飛ばして繁殖するというハタ迷惑な性質を持っている。それからこの草体と持ちつ持たれつの関係にある昆虫みたいなのがいて、これがレギオンだが、この昆虫レギオンにはウジャウジャいる小型の兵隊たちと、一匹の巨大なレギオンがいる。これらを全部ひっくるめてレギオンと呼称するのだが、もちろんメインとなってガメラと戦うのは大型レギオン(よく知らないが正しくはマザーレギオンというらしい)である。ちなみにレギオンの形態は蚊に似ているんじゃないか?
ストーリーはこのレギオンの生態と密接に関連していて、最初札幌に草体が出現するが、爆発一歩前でガメラに焼き払われる。次に仙台に現れ、今度は巨大レギオンが出現してガメラの妨害を阻止する(この際、どうもガメラはレギオンにタイマンではかなわないようだということが分かる)。大爆発が起き、仙台は消滅する。ついでにガメラも動かなくなって死んだんじゃないかということになる。レギオン強し。そしてついに大型レギオンが関東に現れ、東京へ進攻し、自衛隊が必死に防衛するが歯が立たない。そこに子供たちの祈りで復活したガメラが飛来し、ガメラ対レギオン最後の決戦となる。
それにしてもレギオンは強い。尖った触手みたいなのをガメラの体にぶっ刺したり、光線で甲羅を砕いたりとやり放題で、ガメラのプラズマ火球はバリアで難なくクリアされてしまう。ガメラが必死に触覚をへし折ってようやく死んだかと思ったら、あっさり復活して前より強力な武器を出したりする。手に負えない。体もガメラよりでかい。歴代怪獣の中で最強かも知れない。というわけで本作でのガメラの苦戦ぶりは、ギャオス相手の前作とは比べものにならない。
ところで今回のヒロインは水野美紀だが、まだブレークする前の若い頃で、頬がふっくらしていて非常に可愛いい。子供科学館とかいうところの職員だが、なぜかレギオンの生態を自信たっぷりに正確に言い当てることができるため、自衛隊員の永島敏行から色々と意見を聞かれたりする。ついでに言うと、全篇にわたって微妙な長さのミニスカートを着用。階段を上ったり椅子に座ったりする場面では自然と目が吸い寄せられる仕掛けになっている。うーむ、やってくれるじゃないか金子監督。何はともあれ、三部作の中で一番魅力的なヒロインと言わせてもらおう。本作における水野美紀の存在感はガメラに匹敵する。
さて、平成ガメラといえばかっこいい怪獣映像がウリだが、本作には意外と少ない。個人的にはそこが最大の不満である。着地したガメラが横滑りしながら火球を三連発、という場面はなかなかイケるが、あれぐらいだ。特に回転ジェットが少ないのが問題である。最初登場する時は回転ジェットだがCG丸出しでダサいし、他では両腕を広げたまま、回転しないで飛ぶことが多い。おまけにその時は腕だけ平べったくなるのでなんだか海ガメみたいだ。ウミガメラだ。それに最後、レギオンを倒したあと垂直に飛び立つ姿は、一番いい場面であるにもかかわらずヤッコダコそのもので、あまりにも間抜けである。最初観た時は愕然となった。ことガメラ映像に関しては、三部作の中でこの『対レギオン』が一番みどころが少ないと思う。まったく、これで水野美紀のミニスカートがなければちゃぶ台をひっくり返しているところだ。
それからガメラの勝ち方にも納得いかない。仮死状態になったガメラが復活する時もだが、なんだか神秘的な光が地球全体から集まってきてガメラに力を与える。まあガメラは地球の守護神なのでああいうことができるということなのだろうが、そういう超越的なもの、奇跡的なもののおかげで勝つのはズルいじゃないか。そんなことができるなら無敵だ。あくまで一個の怪獣であり、自分の力でなんとかするからいいのである。神秘の力はやめれ。あくまで身体能力で勝て。前作もそうだったが、そういうファンタジー的な都合の良さが作品を甘くしてしまっている。
DVDで再見。『ガメラ 大怪獣空中決戦』に続く平成ガメラ2作目である。敵役として昭和シリーズのギャオスを登場させた『大怪獣空中決戦』に対し、今回はオリジナルの新怪獣を登場させている。そういうところからも凝りに凝ったストーリーからも、前作をしのぐ怪獣映画を作ろうという制作サイドの意気込みが伝わってくる。実際、平成ガメラシリーズの中でこれが最高傑作という人も多いようだ。まあ個人的にはこれが傑出しているとは思わないが、一番気合いが入っている感じはする。
今回ガメラと対決するのはレギオンという宇宙怪獣で、隕石のふりをしてある日突然地球にやってくる。このレギオンという怪獣の生態がもう凝りまくっていて、本作の見どころの一つになっている。まず草体というものがあり、これは文字通り巨大な植物で、花を咲かせ、酸素を吹き出し、大爆発することで種子を飛ばして繁殖するというハタ迷惑な性質を持っている。それからこの草体と持ちつ持たれつの関係にある昆虫みたいなのがいて、これがレギオンだが、この昆虫レギオンにはウジャウジャいる小型の兵隊たちと、一匹の巨大なレギオンがいる。これらを全部ひっくるめてレギオンと呼称するのだが、もちろんメインとなってガメラと戦うのは大型レギオン(よく知らないが正しくはマザーレギオンというらしい)である。ちなみにレギオンの形態は蚊に似ているんじゃないか?
ストーリーはこのレギオンの生態と密接に関連していて、最初札幌に草体が出現するが、爆発一歩前でガメラに焼き払われる。次に仙台に現れ、今度は巨大レギオンが出現してガメラの妨害を阻止する(この際、どうもガメラはレギオンにタイマンではかなわないようだということが分かる)。大爆発が起き、仙台は消滅する。ついでにガメラも動かなくなって死んだんじゃないかということになる。レギオン強し。そしてついに大型レギオンが関東に現れ、東京へ進攻し、自衛隊が必死に防衛するが歯が立たない。そこに子供たちの祈りで復活したガメラが飛来し、ガメラ対レギオン最後の決戦となる。
それにしてもレギオンは強い。尖った触手みたいなのをガメラの体にぶっ刺したり、光線で甲羅を砕いたりとやり放題で、ガメラのプラズマ火球はバリアで難なくクリアされてしまう。ガメラが必死に触覚をへし折ってようやく死んだかと思ったら、あっさり復活して前より強力な武器を出したりする。手に負えない。体もガメラよりでかい。歴代怪獣の中で最強かも知れない。というわけで本作でのガメラの苦戦ぶりは、ギャオス相手の前作とは比べものにならない。
ところで今回のヒロインは水野美紀だが、まだブレークする前の若い頃で、頬がふっくらしていて非常に可愛いい。子供科学館とかいうところの職員だが、なぜかレギオンの生態を自信たっぷりに正確に言い当てることができるため、自衛隊員の永島敏行から色々と意見を聞かれたりする。ついでに言うと、全篇にわたって微妙な長さのミニスカートを着用。階段を上ったり椅子に座ったりする場面では自然と目が吸い寄せられる仕掛けになっている。うーむ、やってくれるじゃないか金子監督。何はともあれ、三部作の中で一番魅力的なヒロインと言わせてもらおう。本作における水野美紀の存在感はガメラに匹敵する。
さて、平成ガメラといえばかっこいい怪獣映像がウリだが、本作には意外と少ない。個人的にはそこが最大の不満である。着地したガメラが横滑りしながら火球を三連発、という場面はなかなかイケるが、あれぐらいだ。特に回転ジェットが少ないのが問題である。最初登場する時は回転ジェットだがCG丸出しでダサいし、他では両腕を広げたまま、回転しないで飛ぶことが多い。おまけにその時は腕だけ平べったくなるのでなんだか海ガメみたいだ。ウミガメラだ。それに最後、レギオンを倒したあと垂直に飛び立つ姿は、一番いい場面であるにもかかわらずヤッコダコそのもので、あまりにも間抜けである。最初観た時は愕然となった。ことガメラ映像に関しては、三部作の中でこの『対レギオン』が一番みどころが少ないと思う。まったく、これで水野美紀のミニスカートがなければちゃぶ台をひっくり返しているところだ。
それからガメラの勝ち方にも納得いかない。仮死状態になったガメラが復活する時もだが、なんだか神秘的な光が地球全体から集まってきてガメラに力を与える。まあガメラは地球の守護神なのでああいうことができるということなのだろうが、そういう超越的なもの、奇跡的なもののおかげで勝つのはズルいじゃないか。そんなことができるなら無敵だ。あくまで一個の怪獣であり、自分の力でなんとかするからいいのである。神秘の力はやめれ。あくまで身体能力で勝て。前作もそうだったが、そういうファンタジー的な都合の良さが作品を甘くしてしまっている。
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