旅のウンチク

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嫌い

2019年05月07日 | ライフスタイル
 ”嫌い”という言葉を私は極力使わないように気をつけるようにしています。

 というのも、まず第一に、私が何を嫌いかという事にはあまり他の人にとって関心がある出来事ではない事は、自分が他人の嫌いな事にあまり関心がない事からも容易に想像できますし、好きな事や嫌いな事など、しばらく時間が過ぎれば簡単に変化もします。

 例えば、子供の頃嫌いだった食べ物を大人になったら好きになったような体験は誰にでもあるのではないでしょうか。
 
 それから、嫌いという言葉を使う際に、”興味がない”とか”よく知らない”という事を全て”嫌い”と表現する人もいます。旅行をしない人がその理由を”旅行が嫌いだから”と言うのを聞くと、やって見た事もない事をどうして嫌いになれるのか不思議に思えます。好きとか嫌いとか、何かを判断するにはある程度以上の知識と経験がどうしても必要なはずです。

 ”嫌い”という表現ではなくて、”あまりよく知らない”とか”今は興味がない”、あるいは”上手くいかなかった”に置き換えた方が正直な表現である場合が多いと思うのです。

 ”嫌い”という言葉にはいくつかの欠点があります。

 それは周囲に自分の好みを断言してしまう事によって関連する話題をシャットアウトしてしまう事から発生します。

 例えば、”料理が嫌い”という人が一緒であれば、大抵の人は料理の話を避けるでしょうし、料理が好きな人が多く集まるような場には誘う事も避けるのではないでしょうか。第一、料理が好きな人との間には気まずいムードを与えてしまいます。

 逆に”料理が嫌い”だからといって、”自分も料理が嫌いなんですよ”という人と良好な関係を築けそうなイメージも湧きません。

 その人が何年か後に料理への興味が目覚めたとしても、料理が好きな人からは、料理に関する場へ誘う事は敬遠される存在となってしまっています。

 将来使えるかもしれない人脈を”嫌い”と言った瞬間に失って、得るものは何もないと思うのです。


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