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近況報告。

・・・のつもりではじめたのですが・・・。
ゼミについては、学科公式ブログで報告しています。

男女逆転大奥。

2010-01-31 16:50:55 | 考えごととか。
映画化に向けて宣伝のためか本屋で山積になっていたので、
ついに、よしながふみ『大奥』を買いました。

若い男だけがかかる奇病が流行り、
男性が女性の4分の1になった江戸時代、
将軍を含めて、すべての家業は女が継ぎ、
種を持つ男は大事に大事に育てられる。
そんな「江戸時代」の大奥は、男子3000人といわれる逆ハーレム。


「腐」系かなあ(←すみません苦手)とおそるおそる読んだのですが、
なんていうか正統派ジェンダー系。
センス・オブ・ジェンダー賞受賞だそうです。
おもしろかったので、ジェンダーの専門家でもないのに
(専門家でないから許される?)あやしい感想を書きました。
※長文&乱文すみません。はい。仕事からの逃避です。

(以下ネタバレあり)


映画にもなる1巻(吉宗編)は、わりと完結しています。
男女逆でどうなるかなと思ったら、
時代劇風のくさいくらいの台詞の中にはめてしまうと、
あら不思議。これは、あり。というか違和感ない。

ベタすぎるのに/だからこそ、あり。

吉宗(女)のあまりの男前ぶりに感激するも、
必ずしもすべて男女逆でなくて、
主人公の水野(男)が男気あるかっこよい設定だったりと、
それをどうとるかは別として、不思議に攪乱されています。

なんだ逆でも全然ありだなあと思うことで、
逆はやはりどこかで「なし」だと思っている自分に気づかされます。


しかしながら、ここまではいわば序章。
1巻の終わりから始まる過去編からが本編。
男名を残したままの女が家を継ぐ制度が出来上がっていく過程が
明らかにされます。

2巻からは、家光編。
本物の家光(男)が死去し、私生児の千恵(女)を代理に立てたところから、
男女逆転が始まっていく様を描きます。

家光(千恵)とお万の方(万里小路有巧)の愛のゆくえを
絡めながら話が進みますが、アリバイ崩しのように、
結論がわかっているところに向けてピースをはめていくのがおもしろい。

史実と虚実の配合が絶妙で、
鎖国、大名家取り潰し、吉原、農具の開発等々が
男子人口の減少に絡めて説明されていきます。
家制度のせいで一夫多妻制が進まず、女系相続に至ったという説明も
なんとなく納得させられてしまいました。


そして、話がまた転回するのが、家光編の末尾(4巻)ごろから。
女大名を認め、女将軍を世に公表し、男による大奥が成立したあと。

あくまでも父家光の影として生きる家光(千恵)は、
世継ぎを生むために出産と流産を繰り返して若くして死去。

市井の状況について、
「そう 男女の役割は逆転したのではない
正確には 男は子作り以外は何もしなかった 
育児を含めた家事も仕事も この世の労働の一切を
女達は引き受ける事になったのである」
とのモノローグを残して、1話の家綱編を経て、綱吉編へ。

元禄の狂乱を代表する将軍の治世は、
男による武断政治から女による文治政治の転換期と位置づけられ、
由比小雪の乱も忠臣蔵もその路線で描かれます。

と同時に、綱吉編では、男女逆転の「隘路」が描かれます。

一人娘の松姫が夭折してしまい(史実は女児は成人し、男児が夭折)、
世継ぎ(この時点では女子でOK)を産むことを宿命付けられた女将軍。
夜な夜な若い男を選んで子作りに励む日々。
かんざしを大量にさした、遊女さながらの綱吉の絵にドキッとさせられます。

「何が将軍だ!! 若い男達を悦ばせるために 
私がどれほどの事を床の中で覚えてきたか そなたにはわかるか!?
将軍というのはな 岡場所で体を売る男たちより 
もっともっと卑しい女の事じゃ」

父(!)桂昌院の
「勉学も大切やけど やはり女は器量が大事やで
どないに偉いのや 殿様や言うても 子を生すには
側室の男達をその気にさせねば 始まらんのやさかい」
という言葉に縛られる一生。

将軍になっても、産む性ということに縛られるのか?
見られ、選ばれる性なのか?

この問題は、家光が母になって変わった、強くなった等々
描写されているところから続いているのかもしれません。
やはり母になることに何かが賭けられてしまうのか?

でも、実はそれは男も同じで、子種を売るために夜な夜な違う女のもとに
売られていく男達。大奥にあがることは、ある意味その宿命からの
逃避とも位置づけられます。

そう。あえて言えば、家事仕事両立問題とか、産む性とか、草食系とか、
ジェンダーの攪乱の「隘路」が描かれているのです。
(勝手に解釈したところによれば。)


「虚実ない交ぜ」のこの話、
「実」のほうは、ごくごくお約束的なエピソードで構成されているのですが
(「大奥総取締役」など、史実でではなく「大奥」ドラマのパクリも散見)、
にもかかわらず/だからこそ、男女逆転という「虚」の発想の妙が
際立つような気がします。


さて、「隘路」の先は、というと。
最新刊の5巻ラストで、ついに少女吉宗と老女綱吉が邂逅。
「大名の娘ともなれば 美しく着飾ることも必要であるぞ」
と父の言葉をそのままぶつける綱吉に、
きっぱりと答えるニュージェネレーション吉宗。

「私はそうは思いませぬが なぜなら
私自身が姿の美しい男にとんと興味が無いからにござります 
女にも私のようなのがいるのですから 
男にだって必ず 美しい女を好まぬものがいるはずです」。
(選ぶ性としての視点!)

人生を呪縛した思考を少女に簡単に崩された老女将軍の高笑いとともに
「隘路」の先の可能性が示唆されました。

今本誌は綱吉死亡までの模様です。
したがって、おそらく重要なのは、短い家宣・家継の治世の次。
この新しい世代の将軍がどういう治世を築くのか、
1巻の時代に戻ったあとなのでしょう。

わりとだいぶ楽しみです。(けど難しそうです。)


採点地獄。

2010-01-28 22:01:25 | 授業とか。
色々なご縁があり、今学期は、
社会学の概論を、一般教養として全学科に向けてお話しました。
リアペを見ても比較的好評だったようでほっとしています。

ところで、今回の概論は、初の試みとして「レポート試験」にしてみました。

これは、苅谷剛彦先生の『学校って何だろう』(ちくま文庫)に書いてある
コリンズ先生の「24時間試験」に想を得たものです。

「24時間試験」とは・・・。
教室で問題を出して、解散とし、24時間後に解答を回収する、
その間は、ずっと「試験」に取り組んでいても、
さっさと終わらせて好きなことをしてもよい、というものらしいです。
試験とは、条件をそろえて、解答を競うものであるとすれば、
時間という条件がそろっていれば立派にテストだから、と。
なるほど。

今回は、それを冬休み3週間にしたバージョンをやってみました。
12月最終回に「問題」を出し、1月初回(後期最終回)に
回収する形で、8問出して4問選んでもらうことにしました。
(本当は8問全部に答えてもらいたいですが、採点も大変なので。
5問以上考えて比較考量してくれていたらうれしいですが。)

つまり、体裁はレポートなのですが、調べ物をしたり、
意見を述べたりするのではなく、問題に対する回答を作文して来い!
というものです。

さて、その結果。
解答の水準はかなり高く、期末試験は落とすためのものではなく
勉強していただくためのものと思っている私としては、
満足のいく結果が出ました。

あきらかに授業で話していないことを、教科書やウィキペディアで
調べたな!というものもありましたが、それでも勉強したのだからOK。
ただ、教育の問題だけ同じタイプの誤答(授業と出題意図を踏まえて
いないもの)が多くて、教育社会学担当としては凹みましたが。

しかーし・・・!!
4問とはいえ、力作ぞろいのものを読むので、
テスト以上に気を張って採点しないといけないことが判明しました。
(テストだと短いし、放棄して白紙で出す学生がいる分楽なのですw)

いや、うれしい誤算なんですが。
同一授業ですが、2クラスあるので、併せて300名分・・・。
泣きました・・・(若干後悔しました・・・
でも全部読みました(のべ20時間以上・・・。)

うーん、来年の社会学科生向けは、どうしたものでしょう。
Max120名なので、同じ方式にするか・・・。
10問前ばらし+どれが出るかはお楽しみ+持ち込み不可の試験にするか・・・。
(ラクタンって書かれたことだしw ←しつこい)


再帰性?

2010-01-24 23:47:33 | 授業とか。
はじめて(少なくとも発見できた範囲では)、
ネット上で授業評価書き込まれました。

そっかー「ラクタン」かー。
まだ全部採点終わってないから、どうかわかりませんよーw
あれで「楽」なら、来年は持ち込み不可の試験にしていいかしら?www


5年の歳月。

2010-01-21 21:58:35 | 近況とか。
先週末寒かったせいか風邪を引いてしまいました
たいしたことないのにぐずぐずしていてこまります。少し治ってきたかな?

今、赤ペン先生で有名な某B社の調査の分析のお仕事をしています。
5年に1度の調査なので、5年ぶりのお仕事です。

小4から高2に聞いたアンケートの分析ですが、
前に調査された人は中3から大4です(あたりまえ)。
5年間で生活や勉強に関する回答がどう変わったかを見ています。

変わったのはこちらも一緒で、
5年前は大学院博士課程3年生だったので、
「前はいかにも学生さんだったのにねー」と言われました。。。
その分、戦力になってるとよいですが。。。

それにしてもこの調査、保健、心理、社会学等の混成チームなのですが、
異分野の先生方の視点はいつも勉強になります。
例えば、生活への満足度を分析する際など、
私などは、階層や学力にばかり注目してしまうのですが、
睡眠時間や食文化、親子のコミュニケーションなどから見る視点も
あるのだなあと、研究会のたびにはっとさせられます。
悪い意味で社会学的思考にとらわれないようにせねば!と
自戒する日々です。

ちなみに、速報版は年度内に公表されるそうです。

どうでもいいですが、年末年始にやっていたのは、
厚労省の「21世紀出生児調査」の分析ですが、
こちらは2001年にオギャーとうまれた赤ちゃんを追跡調査(パネル調査)して、
対象児は今年9歳です。。。
(分析には時差があるので、私はまだ幼稚園段階までしか扱っていませんが。)
なんか、ものすごくショックです。。。


ジャニーズがわりと好きと言うとたいてい意外と言われます。

2010-01-11 00:51:03 | 近況とか。
N先生企画の学科の留学生交流会というのがありました。
なんのお手伝いもせず、ただ途中から顔を出しただけですが、
日本人学生も参加してくれて楽しい時間でした。

その中で、日本の女子アイドルや韓流や台湾のアイドルの話になりました。
「先生は東方神起とか韓流とか好きですか?」と某さんに聞かれ、
「え、いや・・・あんまり・・・」と答えました。

「アイドルならば、どちらかというとジャニーズのほうが・・・」ともw

いや、ジャニーズもカウントダウンはジャニーズで、くらいのノリですけど。
ジャニーズって「お仕事としてのアイドル」な感じが好きなんですよね。

アイドルであることは、自らの夢なんだけど、
みんなの夢を演じる「お仕事」でもある、という感じというか。

事務所の力が大きいのはみんな織り込み済み。
アイドルは演出されたものであるということも織り込み済み。
「素」(本当の素ではないにせよ)の部分も込みで消費させる。
だから、与えられたことは、「なんじゃそりゃ」という仕事も
淡々とこなすという姿勢(プロ意識)を時折見せる。

そのあたりが、(特にS○AP以降の)ジャニーズが生き残ってる
鍵のような気がして、なんか好きです。
(その点、今危ういのがK××-×××ではないかと。)

手近感、仲間うちっぽさと、かっこよさの配合が絶妙。
(だからえらくなりすぎたS○APより、漢字一文字の某グループのほうが
今人気上げていてるのではないかと。)

リフレクシブというといいすぎかもしれないけど、
色々織り込み済みでアイドルとファンがいるという
そんなゆるい感じが現代的というか。

その点、そんな時代にあえて日本のアイドルでは出せない
「スター」っぽさを追求したのが、韓国や台湾のアイドルなのかなーとも。
(パパラッチ的なメディアのあり方が成り立つのも、
スターとその私生活という表裏の二分法が成り立ってこそ。
ジャニーズはもっと裏を織り込んで表が成り立っていて、
だからこそ致命的なゴシップ探しが過熱しにくい、という印象。)

そんなわけで、両方あって今のアイドル業界なんだろうなと。
女子アイドルのほうはAK○とかわかんないんでよくわからないですが。

何を熱く(しかもいい加減に)語っているかという話ですが、
嫌韓みたいな文脈でとられてたらいやだなあと、後で思ったのと。
先日原稿出したお仕事で、
女子文化としてジャニーズの項を入れられたらいいのにと思ったのに、
「じゃあ書いて」と言われても「無理」としか言えなかったので、
気になっていたというのと。


あけましておめでとうございます。

2010-01-03 17:44:18 | 近況とか。
今年もどうぞよろしくお願いいたします
講義に仕事に研究に励んでいく所存ですので
皆様どうぞよろしくお願いいたします



お正月は…車に乗ってみてました

学生時代にとったほうがいいという理由だけで免許を取得したものの、
どうしても性に合わなくて、ほとんど運転のできぬまま
ペーパードライバーになって早12年

お正月の車通りの少ない道だから許される
よたよた運転の車が1台
(運転者はゴールド免許(2枚目)w)

2009年は、調査地でも運転は先輩におまかせで、
合宿も学生某氏の車で駅まで送ってもらったり…。
うーん、やっぱそろそろ少しでも乗れると楽かなというか、
そろそろ乗らないともう脳が受け付けなくなるような気がしたというか。

調査や資料収集など、旅行先で乗れると楽なんですけど。
長足の進歩を見せたものの、やっぱり向いていないと思うので、
せめて近所だけでも…でも、道のりは長いです。
(今度は投げ出さないようにしたいですけど…

今日からじわじわ、明日から本格的に平常モードです。