




「いつも疲労感があり、もう長い期間、倦怠感が取れないので心配です。とても辛いのですが何か良い薬がありますか?」という問い合わせがあります。
疲れが取れないと思い栄養ドリンクを飲む習慣になっている人がいますが、栄養剤が良いと思い「ドリンク剤」を服用している人は気を付けて下さいね。アミノ酸やビタミン剤が多種類入っているので体に良く効いていると思いがちですが、アルコールやカフェインも入っていて神経を興奮させる働きがあり、一時的に神経が興奮するので効いている気がします。しかし、カフェインも多く取ると後で倦怠脱力感を訴える人もいます。ドリンク剤にたよるよりは安全で良く効いてくれるものが漢方薬にあります。必要以上興奮させることはなく、滋養してくれます。体の証にあいますと、総合的に作用して元気が湧いてきて体調が整うといった感じがします。
ご利用してみてはいかがでしょう。
参考までにお伝えします。
●倦怠感によく使われる漢方薬
※ 胃腸が弱く食欲がなく元気がでない 「六君子湯 りつくんしとう」、など
※ 全身ぐったりして元気がない 人には 「十全大補湯じゅうぜんたいほとう」「人参栄養湯にんじんえいようとう」、など
※ 冷えを伴う全身倦怠感 「真武湯しんぶとう」 冷えがさらに強い場合は「加工ブシ末」を加え調整します。
生薬の「人参」は胃腸も弱っていて貧血傾向があり低血圧症のような「虚証」タイプの方の気を強く補い元気になる実感を得やすい生薬です。薬膳で利用したり紹介した「六君子湯」、「十全大補湯」、「人参養栄湯」、など多くの処方に使われます。
逆に血圧の高い人は「党参」や「西洋人参」を用いると良いでしょう。
体の冷えに対しては 「生姜(しょうが)」やショウガを蒸した「乾姜(かんきよう)」や「シナモン・桂皮(けいひ)・肉桂(にくけい)」などが良く使われますが、体の内部からポカポカしてくる感じがします。さらに冷えが強く感じる方には「加工したブシ」が用いられますが、さじ加減が大切なので医師や薬剤師など専門家に相談して使われるものになっています。
※忙しい人には飲みやすいエキス顆粒や錠剤などがあります。証にあえばエキス顆粒や錠剤でも効いてるという実感がえられます。そのエキス顆粒や錠剤は飲みやすく便利ですが、原末の混合散剤や丸剤以外、「 ~ 湯エキス顆粒」などは元は煎じ薬液のエキスから作りますから、味にこだわらず煎じる時間がある人は天然の生薬の煎じ液を服用してみると効き目の違いを感じます。煎じ薬を服用したことがある方は解ると思いますが、エキス顆粒などと比べ天然の生薬の明らかにパワーの違いを感じるものです。
その他 にも 食欲不振、 内臓下垂(胃下垂・脱肛・子宮脱) の傾向のある方には「 補中益気湯ほちゅうえっきとう」、などがあります。
自分の証にあった漢方薬は慢性的な疲労感・倦怠感には良く効くという実感があります。今の季節、精神的なものも含め何かと疲労倦怠を感じている方も多くおられます。安心な漢方薬や薬膳など利用して元気になっていただければ幸いです。