

不眠症のご相談が多くございます。
最近は 続いてくる台風の影響でか、長い間 曇り 雨、そして時に風というように天候が乱れています。体が重い怠い、やたらと眠くて、眠っても疲れがとれない、めまいや頭痛もあるなど体調不良を訴えている方も多くいらっしゃいますが、そんな中で、不眠症にこまっているという方もいらっしゃいます。人の体質、体調は様々なようですが、そこで今回は相談が多い不眠症についてお伝えいたします。
症状には 寝付きが悪い、眠りが浅い、あれこれ考えて眠れない、夢見が多い、怖い夢をみる、いらいらしやすい、普段からストレスを感じている、冷える、のぼせる、冷えとのぼせ両方あるなど、さらにと・・・・。
不眠の傾向があるにしてもこれらの一つの特徴が強い人もいれば、これらを全て持っている方もいらっしゃいます。
この悩みを取り除くことができればどんなにかスッキリすることでしょう。私達は統合医療の薬局としてその悩みの解消に少しでも役立てるよう日々努力しているところです。
東洋医学・漢方医学的にそれらのことを治療する場合はこれらの症状を総合的にチェックして「証」・体質・タイプなどを判断しそれに合う漢方薬をえらんでいくことになります。しかし、その上で大切なことがその人を包み込んでいる生活環境についての関わりを深く洞察する必要があります。その時にカウンセリングは欠かせないものだと感じております。食事、運動、仕事、人間関係、家族関係、家庭などでの生活の習慣を分析して心への影響、そして体への影響の関係をとらえます。その上で合う心身にアプローチする漢方薬を選んでいくことが大切です。
現代医療・西洋医学では即効性を求めますので、確実に睡眠作用を得られる薬が用いられます。症状により安定剤から服用する方もいます。
参考までに
西洋薬の分類として

西洋医学の科学的に分類されたものには図のように作用時間(血中濃度の半減期と最高血中濃度に至る時間)持続時間により分類されており、入眠障害、一過性不眠、中途覚醒、早期覚醒、日中不安がある場合、睡眠障害など症状により使い分けられています。効き目も確実でハッキリとあらわれますので、副作用などについても医師にしっかりと説明していただき処方していただくことが大切です。
薬局でもしっかりと説明してくれますので、細かいと思うことでも、薬にたいする不安を減らす意味でもご質問することや服用後の情況などを遠慮なく伝えることが大切かと思います。
即効性、確実性、副作用の明確性など、西洋薬にはそれ相応の素晴らしい効き目があります。物は使い方が大切といいますように、いかに上手に使うかが肝腎なところです。
しかし、西洋薬をすでに服用している方ですが、やはり、副作用が心配であったり、長い間服用し続けて、飲まないではいられない状態が怖い、脳への影響が心配など・・・、最近は情報がインターネットですぐに手に入るせいかご心配して相談にくる方もいらっしゃいます。
※それでは、漢方薬にはどんなものがあるのでしょうか?


漢方医学では 、人体を構成する五臓六腑、経絡、気、血、津液などのバランス不調から起こるものと考えており体を全体的にとらえ治療していくのが特徴です。焦躁感、抑鬱感、不安感、イライラ感などの睡眠を妨げている要因を除去して五臓六腑、経絡、気、血、津液などのバランスを整えることによって不眠を改善していきます。
ここで、心の状態、思考の状態で不眠におちいっている方で軽い場合などはカウンセリングを含むことで改善がさらに早まります。重い場合はじっくりとした気構えで漢方薬の利点を良く理解していただきカウンセリングを繰り返し整えていくことが大切かと思います。「証」に合う場合は驚くほど効果があがることを感じています。
エキス顆粒が良い場合だったり、煎じ薬でないと効き目の望めない場合もあったりしますので、そこは専門家にご相談して下さい。
※入眠障害などには
「酸棗仁湯」、「抑肝散」、「抑肝散加陳皮半夏」「女神散」、「黄連解毒湯」、「三黄瀉心湯」、などが 証に合わせて用いられます。
酸棗仁湯は 酸棗仁という甘くて美味しい「ナツメ・大棗」という生薬の種を使います。
※日中の不安などのある不眠などには
「桂枝加竜骨牡蛎湯」、「柴胡桂枝乾姜湯」、「帰牌湯」、 「柴胡加竜骨牡蛎湯」、「大柴胡湯」、「四逆散」、などを証によって使います。
※中途覚醒や早朝覚醒などには
「加味逍遙散」など また、証により他の漢方処方との合方なども用いられます。
※気鬱がある睡眠障害などには
肝鬱に働く「香蘇散」、肺と脾胃に働く「半夏厚朴湯」など 、
※精神の不安神経症、貧血、食欲不振、夢見が多いなどの症状を含む不眠へは
心と脾を補う「加味帰脾湯」などが用いられます。
その他にも証による合法や加減が用いられます。
※経絡のツボ療法では、首の「安眠穴」 足裏の踵にある「失眠穴」 「内関」 「神門」 頭の「百会」「神庭」背中の「心兪」など 多くのツボがあり、冷える場合はお灸をしたり、マッサージにより気血の巡りを良くするだけでスッキリと眠れる場合があります。
※ラベンダーエッセンシャルオイルをタオルやハンカチに数滴滴下して年枕元に置いたり、スッキリさせるアロマオイルをスプレーキットでシュット一拭きしてお休みするなど、「アロマテラピー」の方法をいろいろとためしてみるのもよいでしょう。ポイントは好みの香りのオイルを利用することでしょうか?
※ 漢方薬に限らず、東洋医学を全体でみると、「針灸治療」、「経絡のツボやマッサージ」、「気功(動功・靜功)」などでも利用することで薬を使わずに効果があがることがあります。又、併用することで良くなる場合もあります。
※本人の意識・思考の心のブロックからくる不眠には「カウンセリング」が効果を発揮する時があります。

当薬局はそのような情報をご用意して、健康情報拠点としての役割を担い「未病」への対策も含み総合的にケアをすることを心がけております。

