先日、神代植物公園の中で 天然の「靈芝・れいし」の芽を発見 いろいろな薬用植物も自生させている公園でもありますが、漢方薬を扱っている者として珍しい薬用植物を発見すると嬉しくなります。今回は偶然に珍しい霊芝の芽を発見して何倍も嬉しく感じました。
漢方薬の最古の薬物書である「神農本草経」に上品として記述があります。霊芝について簡単にご紹介します。
[基原]サルノコシカケ科マンネンタケGanoderma lucidum (Leyss. ex Fr.) Karst. (Polyporaceae)および近縁種の子実体を乾燥したもの。
[出典]神農本草経上品
[別名]赤芝(丹芝)、黒芝(玄芝)、青芝(龍芝)、白芝(玉芝)、黄芝(金芝)、紫芝(木芝)《神農本草経》、霊芝《霊苑方》、幸草(さきくさ)、福草(ふくそう)
[成分]トリテルペン(ganoderic acid A, B, C, etc, lucidenic acid A, B, C, etc)、多糖類・βグルカン、有機ゲルマニウム
[効能]虚労、咳嗽、失眠
[用法]強壮、鎮静
[性味]甘、平
[処方]紫芝丸《聖済総録》
[産地]中国、日本
[補]神農本草経に「久食輕身不老延年神仙(長く食すと神仙のように身も軽く寿命が延びる)」とあり、病気の治療というより神仙の霊薬とされたもの。
有効成分は
β-D-グルカン: 免疫機能を高め、ガンの予防やガン細胞の増殖を抑える効果が期待できると言われています。
トリテルペン: ガノデリックアシドと呼ばれることもあり、IgE抗体の過剰な放出を抑制する働きがあり、血流を良くして血圧を安定させる働きを持っています。
有機ゲルマニウム: 抗酸化作用により、様々な生活習慣病の予防と、改善に有効とされています。
トリテルペンという成分で、IgE抗体の過剰な放出を抑えることでヒスタミンの過剰放出されることを抑えることになり、抗アレルギー効果を発揮するとも言われています。
霊芝は成長するとこうなります。
その他にも薬用植物をいろいろ見つけました。
ナツメの実
まだ緑色の可愛らしい実をつけたナツメの木を見つけました。
大棗(たいそう)として漢方薬によく利用されます。実が熟すと赤くなります。楽しみです。自然の生命活動を感じてとても楽しいです。
漢方薬でつかうナツメの実 甘くて美味しいです。良く薬膳に利用されます。
脾胃の気を補い強壮に働き元気がでます。営気と血を補います。鎮静安心作用があります。他の生薬の薬理作用を緩和します。
私はこの実を2個食べると、明らかに体の気が補われて元気が出る実感をしています。
散歩して癒される空間です。自然の木・気にあふれた清いエネルギーで満ちているお気に入りの自然公園の一つです。