世の中ではシェイクハンドが全盛を極めている。
もちろんペンホルダーのトップ選手もそれなりに沢山いるし、中国ではランキング上位に何人かが存在している。
しかし若手を見ると総じてペンの有力選手は少なく、今後もシェイク全盛の予感がする。
かつてアジア勢はペンホルダーばかりだった。
日本、韓国、中国、台湾・・・
それで世界の中でもシェイクを凌駕していたので、日本でもプレイする人は殆どペンホルダーだった。
ところが80年代後半にスゥエーデンが王国として君臨していた中国を破り、その頃から卓球を始めた人はシェイクを振るケースが多い。
ペンホルダーはシェイクに比べてバック技術が劣ると言われている。
バックは基本的にショートで凌ぐしかできないし、フォア面でのバックハンド強打も可能だが体の捻りが通常のフォアの捻りや、シェイクのバックとは逆であり、難しく成功率も低い。
また、連打となるとより難しくなってくる。
それを補うために中国で裏面打法が開発され、基本的にはシェイクのバックハンドと同様のスイングが可能になった。
劉国梁や馬琳が完成し、王皓などは全てのバック技術を裏面で行うまで進化させた。
これを使う選手は中国以外でも増えている.
しかし、わざわざペンで裏面打法を打つのならシェイクを選択したらいいではないかというのも道理である。
私も昔ペンホルダー全盛時代に少し卓球をやったが、それから何年もした今卓球を復活するに当たってシェイクに替えることも検討した。
年をとっていけばフットワークも弱くなるし、オールフォアで戦うのは限界があるからだ。
シェイクなら両面で攻撃できるので、ペンよりは早い対応が可能になる。
しかし、その時にある指導者から王皓のDVDを渡され、裏面打法に挑戦することにした。
日本式ペンを裏面の角度が出しやすい中国式に持ち替え、裏面にラバーを貼り、ドライブやスマッシュを打てるようにした。
周りに手本が少ない中、ネットの動画や試合の録画などでああだこうだと研究し、それなりに使えるようにはなっている。
そうして試合に出たりするのだが、ジュニアではペンの選手がいるにはいるがやはり少ない。
そこでどうすればペンが再び復権できる可能性があるのか、考えてみた。
★ペンホルダーの有利な点(裏面を使う場合を除く)
・手首が柔軟に動くため、台上処理や、左右の打ち分けが瞬時にできる
・ショートでのブロックは安定性があり、打ち分けにも威力がある
特に日本式の角ペンは重心が先端よりにあるのでより強い球が打てる。
・同様に角ペンならドライブの威力がシェイクよりも優れている。
・フォアとバックの切り替えがしやすい。
・サーブの種類も多彩に出せる可能性がある。
などである。
これに裏面打法を合わせれば、シェイクを凌ぐこともできるかもしれない。
しかし、裏面打法には落とし穴もある。
・角ペンでは裏面の角度が出にくいため、裏面打法には適していないので大概は中ペンが選択されるが、そうなると角ペンよりも劣ってしまうため先に書いたドライブやプッシュの威力という有利さが消えてしまう。
・フォアとショートの切り替えはしやすいが、裏面への切り替えという意味ではシェイクと同様、咄嗟の判断で迷った場合は対応が遅れてしまう。
・王皓のように全て裏面で対応する選手もいるが、基本的にはショートの良さも生かしながら、深い下回転のツッツキや、フォア強打につなげるためのつなぎとして生かす使い方に限定される。
・ラケットの総重量が重くなるので、ペンホルダーグリップでラバー両面貼りは万人に振りやすいとは言いがたい。
などである。
こうした部分からも言えば、ペンホルダー選択の余地は狭くなってくる。
しかし、皆が同じスタイルになってしまえば逆に少数派は有利になるという面もある。
いつの時代もカットマンで強い人はいるし、40mmボールになった今でもフォアが表ソフトの速攻選手で強い選手もいる。
少なければ選択する価値も逆に出てくる。
実際、シェイクのドライブ型ばかりがひとつのチームに固まってしまった場合、普段の練習では試合で色んなタイプの選手に対応することが難しくなってしまう。
というわけで、今の時代はペンの有利さに「希少性」というのを入れてもいいだろう。
ところで今、中国の若手で許シンというペンドラの選手が裏面を振ってメキメキ実力を上げている。
またトップに君臨する王皓の影響等で今中国の子供たちにもペンを握る選手は増えているという。
今後もペンホルダーの選手は少数派ながら登場してくるだろう。
そしてトップに君臨できる選手もたまにはいたりして、生き残っていくだろう。
シェイクを凌ぐには有利性が低いというのが現代の卓球の今のところの結論ではあるが、それでもペンを持つ選手はある数は出てくるだろう。
あとはジュニア指導者の問題だ。
今シェイクを振っている若い人たちの指導者は、自分が始めたころはペンを持っていたはずだ。
しかし、ジュニアへの指導はシェイクの方がしやすいということもあり、シェイクの選手を主に育てている。
さてシェイクしか使えない人が今後指導者の立場になっていく・・・・
彼らはジュニアにペンを推奨するだろうか?
ペンを持ちたいというジュニアが出るほどペンのトップ選手がかっこよく活躍するだろうか?
このあたりは指導者にも訴えかけたい。
誰でもがすぐに握れるシェイクではなく、ペンの選手も同時に育てていってほしい。
ペンホルダーの選手は育成に時間がかかるからだ。
さて、あと問題となるのは「日本式ペン」と呼ばれる角型のラケットを使う選手の今後だ。
今日本ではこのラケットを使って上位にいる選手はほとんどいない。
もはやこのラケットは今や韓国式あるいは台湾式といっても過言ではない。
しかし当の韓国や台湾でも今のトップクラスの選手のあとは・・・
残念ながら同タイプの若手は出てきていないようである。
今日本の中高年の間では圧倒的に多数派だが、これらの人たちがこの世を去った後は・・・どうなるのだろうか?
メーカーも売れなくなれば作るのをやめるだろう。
「日本式ペン」は、そのうち時代遅れの伝説のラケットになってしまうのだろうか・・?
スポーツは卓球に限らず、常に進化し、ルール変更が加えられていくものである。
いずれ使われなくなる用具が出てくるのは致し方ない。
しかし、同じスポーツの中でこれほどはっきりと「戦型」が異なるものが混在し、練習段階から使う用具の選択を迫られる性格のスポーツは珍しいのではないか?
哀愁の気持ちもあるが、それ以上に「日本式」という名前で呼ばれているだけに、日本人としては複雑な気持ちである。
あなたはどう思うだろうか?
もちろんペンホルダーのトップ選手もそれなりに沢山いるし、中国ではランキング上位に何人かが存在している。
しかし若手を見ると総じてペンの有力選手は少なく、今後もシェイク全盛の予感がする。
かつてアジア勢はペンホルダーばかりだった。
日本、韓国、中国、台湾・・・
それで世界の中でもシェイクを凌駕していたので、日本でもプレイする人は殆どペンホルダーだった。
ところが80年代後半にスゥエーデンが王国として君臨していた中国を破り、その頃から卓球を始めた人はシェイクを振るケースが多い。
ペンホルダーはシェイクに比べてバック技術が劣ると言われている。
バックは基本的にショートで凌ぐしかできないし、フォア面でのバックハンド強打も可能だが体の捻りが通常のフォアの捻りや、シェイクのバックとは逆であり、難しく成功率も低い。
また、連打となるとより難しくなってくる。
それを補うために中国で裏面打法が開発され、基本的にはシェイクのバックハンドと同様のスイングが可能になった。
劉国梁や馬琳が完成し、王皓などは全てのバック技術を裏面で行うまで進化させた。
これを使う選手は中国以外でも増えている.
しかし、わざわざペンで裏面打法を打つのならシェイクを選択したらいいではないかというのも道理である。
私も昔ペンホルダー全盛時代に少し卓球をやったが、それから何年もした今卓球を復活するに当たってシェイクに替えることも検討した。
年をとっていけばフットワークも弱くなるし、オールフォアで戦うのは限界があるからだ。
シェイクなら両面で攻撃できるので、ペンよりは早い対応が可能になる。
しかし、その時にある指導者から王皓のDVDを渡され、裏面打法に挑戦することにした。
日本式ペンを裏面の角度が出しやすい中国式に持ち替え、裏面にラバーを貼り、ドライブやスマッシュを打てるようにした。
周りに手本が少ない中、ネットの動画や試合の録画などでああだこうだと研究し、それなりに使えるようにはなっている。
そうして試合に出たりするのだが、ジュニアではペンの選手がいるにはいるがやはり少ない。
そこでどうすればペンが再び復権できる可能性があるのか、考えてみた。
★ペンホルダーの有利な点(裏面を使う場合を除く)
・手首が柔軟に動くため、台上処理や、左右の打ち分けが瞬時にできる
・ショートでのブロックは安定性があり、打ち分けにも威力がある
特に日本式の角ペンは重心が先端よりにあるのでより強い球が打てる。
・同様に角ペンならドライブの威力がシェイクよりも優れている。
・フォアとバックの切り替えがしやすい。
・サーブの種類も多彩に出せる可能性がある。
などである。
これに裏面打法を合わせれば、シェイクを凌ぐこともできるかもしれない。
しかし、裏面打法には落とし穴もある。
・角ペンでは裏面の角度が出にくいため、裏面打法には適していないので大概は中ペンが選択されるが、そうなると角ペンよりも劣ってしまうため先に書いたドライブやプッシュの威力という有利さが消えてしまう。
・フォアとショートの切り替えはしやすいが、裏面への切り替えという意味ではシェイクと同様、咄嗟の判断で迷った場合は対応が遅れてしまう。
・王皓のように全て裏面で対応する選手もいるが、基本的にはショートの良さも生かしながら、深い下回転のツッツキや、フォア強打につなげるためのつなぎとして生かす使い方に限定される。
・ラケットの総重量が重くなるので、ペンホルダーグリップでラバー両面貼りは万人に振りやすいとは言いがたい。
などである。
こうした部分からも言えば、ペンホルダー選択の余地は狭くなってくる。
しかし、皆が同じスタイルになってしまえば逆に少数派は有利になるという面もある。
いつの時代もカットマンで強い人はいるし、40mmボールになった今でもフォアが表ソフトの速攻選手で強い選手もいる。
少なければ選択する価値も逆に出てくる。
実際、シェイクのドライブ型ばかりがひとつのチームに固まってしまった場合、普段の練習では試合で色んなタイプの選手に対応することが難しくなってしまう。
というわけで、今の時代はペンの有利さに「希少性」というのを入れてもいいだろう。
ところで今、中国の若手で許シンというペンドラの選手が裏面を振ってメキメキ実力を上げている。
またトップに君臨する王皓の影響等で今中国の子供たちにもペンを握る選手は増えているという。
今後もペンホルダーの選手は少数派ながら登場してくるだろう。
そしてトップに君臨できる選手もたまにはいたりして、生き残っていくだろう。
シェイクを凌ぐには有利性が低いというのが現代の卓球の今のところの結論ではあるが、それでもペンを持つ選手はある数は出てくるだろう。
あとはジュニア指導者の問題だ。
今シェイクを振っている若い人たちの指導者は、自分が始めたころはペンを持っていたはずだ。
しかし、ジュニアへの指導はシェイクの方がしやすいということもあり、シェイクの選手を主に育てている。
さてシェイクしか使えない人が今後指導者の立場になっていく・・・・
彼らはジュニアにペンを推奨するだろうか?
ペンを持ちたいというジュニアが出るほどペンのトップ選手がかっこよく活躍するだろうか?
このあたりは指導者にも訴えかけたい。
誰でもがすぐに握れるシェイクではなく、ペンの選手も同時に育てていってほしい。
ペンホルダーの選手は育成に時間がかかるからだ。
さて、あと問題となるのは「日本式ペン」と呼ばれる角型のラケットを使う選手の今後だ。
今日本ではこのラケットを使って上位にいる選手はほとんどいない。
もはやこのラケットは今や韓国式あるいは台湾式といっても過言ではない。
しかし当の韓国や台湾でも今のトップクラスの選手のあとは・・・
残念ながら同タイプの若手は出てきていないようである。
今日本の中高年の間では圧倒的に多数派だが、これらの人たちがこの世を去った後は・・・どうなるのだろうか?
メーカーも売れなくなれば作るのをやめるだろう。
「日本式ペン」は、そのうち時代遅れの伝説のラケットになってしまうのだろうか・・?
スポーツは卓球に限らず、常に進化し、ルール変更が加えられていくものである。
いずれ使われなくなる用具が出てくるのは致し方ない。
しかし、同じスポーツの中でこれほどはっきりと「戦型」が異なるものが混在し、練習段階から使う用具の選択を迫られる性格のスポーツは珍しいのではないか?
哀愁の気持ちもあるが、それ以上に「日本式」という名前で呼ばれているだけに、日本人としては複雑な気持ちである。
あなたはどう思うだろうか?