どんがばちょ

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表ソフト前陣速攻は絶滅危惧種か?

2009年11月17日 | 卓球
ペンホルダーラケットに表ソフトラバーを貼り、後ろに下がらずに早い打点でパコパコ先手を取って点を取るスタイル。

昔日本が卓球王国だったころ、中国が「打倒日本」の策略として考え出したといわれる戦型。

「右打ち左押し」と言われ、早い打点でスピードのある球を返す。

これにより中陣でドライブをのんびりと放っていた日本人を圧倒することができた。

中国の代名詞になっていたこの表ソフト前陣速攻で最後の隆盛を極めたのが、劉国梁だろう。

世界選手権、オリンピック共に頂点を極めた彼のスタイルは完成された最後の前陣速攻選手と言えよう。

その昔日本にもこのスタイルの選手は多くいたし、中学時代の私も先生に勧められるままにそうだった。

日本にも河野満、時代は変わって田崎俊雄などの名選手がいた。

さて、ITTFのルールが変更になってから事情が変わってきた。

38mmボールから40mmへ。

これにより回転数が減り空気抵抗が増えて一発で仕留める確率が減り、ラリーが続くようになった。

スピンピップスが禁止された。

ハンドハイドサービスが禁止された。

もちろん劉国梁一人を潰すためではないだろうが、巷ではそういわれた。

関係してかどうか、彼はその後戦績を落として引退した。


中国はもとより、日本でも田崎選手、渡辺選手の引退で、本当に表ソフトの実力者が少なくなった。

表ソフト前陣速攻は「絶滅危惧種」とまで言われている。

海外では何志文や王増偉などの中国帰化選手が世界ランク上位に何とか食いこんで粘っている。

しかし多くのトップ選手はオールラウンドタイプのドライブ主戦型だ。

弾けるようなスマッシュを最近では放映でも見ることも少ない。

確かにラリーが続くとTVでも見応えがあるし、卓球がより人気スポーツにはなっていくだろう。

しかし、表ソフトは今後も勝てないのか?

同じことはカット主戦型や異質反転型などの回転に頼っている戦型にも言える。



いつの時代も強い選手はいるし、異質の選手もいるものだ。

多数派が必ずしも強いわけではない。

今のようにシェイクのオールラウンド選手が増えれば、それ以外のタイプが希少になり、そうなればなるほど有利さも増す。

またペンホルダーの弱点と言われたバックハンドも「裏面打法」をとりいれて両ハンド攻撃が可能になった。

これらを組み合わせていけばまだまだ勝てる可能性はある。

世界のトップクラスの事情はまだ読めないが、巷のオープン戦では、老若男女色んな戦型の選手が入り混じっていて、各自の特色で勝っていける。

カットマンも勝てるだろう。

異質反転型も勝てるだろう。

もちろん表ソフト前陣速攻も勝てるだろう。

もちろん日本式ペンドラも勝てるだろう。

不利といわれる部分を補い、希少となった有利性を生かせればいけるだろう。

最近卓球場に練習に行っても、ジュニアたちは揃ってシェイクの裏裏ばかりだ。

指導がしやすいのもあるだろう。

早く上達するというのもあるだろう。

しかし、ペンで勝てるには練習量も必要だし、もっとジュニアへの指導に取り入れるべきだと思う。

そもそも指導者である年代の人にはペンホルダーでプレイしていた人が多いのではないか?

シェイクしか指導できない年代の人が指導者となる前に、ペンホルダーの若手をもっともっと育成して、卓球界を面白いものにしてもらいたいものです!(笑)