本日の「電源入りました。」

 ジャンクオーディオを修理しては放置するという非生産的なことをやってます。最近飽きてきた・・・

Abdullah Ibrahim Trio @ BLUE NOTE TOKYO

2011年08月08日 23時57分52秒 | ライブレビュー

 本日はブルーノートにアブドゥーラ・イブラヒムを聴きにいきました。アブドゥーラ・イブラヒムといってもピンとこない方もいるかもしれません。このイスラム名を名乗る前はDollar Brandって名乗ってました(本名ではない)。そう、あの名盤「African Piano」のダラー・ブランドです。

 イブラヒムというかブランドのレコードは実のところ、「African Piano」と「Cape Town Fringe」しか持っておりません。しかも、Cape Town Fringeは自分の所蔵LPリストに載ってはいるものの、どんな内容だったか全く記憶にありません。よって、自分の中ではブランドはAfricon Pianoのあの独特なうねりの強烈ソロピアノのイメージ、ということになります。これがトリオというフォーマットではどうなるのか興味津々でした。最近のブランドって知らんし。

 メンバーは以下の3人。
 Abdullah Ibrahim(pf)
 Belden Bullock(b)
 George Gray(ds)

 一曲目はソロピアノ。否が応にも「African Piano」のような世界を期待してしまいますが、ひたすら内省的、思索的。一つ一つ音を確かめながら弾いているという感じ。「African Piano」のようなアーシーさは薄く、ちょっと拍子抜け。でも美しい。

 二曲目からトリオ演奏になりましたが、これが超難解。ハードバップのようなテーマ~アドリブ~テーマ~四小節交換みたいな展開はありません。というか小節自体がわからんし。ブランド(イブラヒムって書くのメンドい)の内側から湧き出る音を、サスティンの効いたベースがバックアップし、その上にドラムが色とりどりの音を乗っけてくって感じ。途中を漫然と聴き流してしまうと訳がわかんなくなってしまうような、聴き手に神経集中を強いる音楽です。しかし、それは決して疲れるものではなく、むしろカタルシスをもたらせてくれる良質な音楽、って言えるでしょう(寝てる人もいましたが)。メロディーなんかも、「次はこういくんじゃないか?」という予想を軽く裏切ります。まさにワン&オンリー。

 全体的に内省的、思索的な演奏でしたが、時折激しくブロックコードをバラランバラランっと弾くところなんかは、デューク・エリントンの影響が垣間見えます。また、たまにモンクっぽく右手でパーカッシブな不協和音を繰り出しますが(タイム感は違います)、ここらへんがルーツなのでしょうか?

 3曲目がひたすら長く(メドレーなのか?)、アンコール入れて全部で4曲。しかも、最後までMCなし。メンバー紹介もなし(愛想が悪いわけではありません。お茶目な面も見せてくれましたよ)。ブランドの哲学者または宗教家といった風情と、そのひたすら美しい演奏は、予想以上に強烈な印象を残してくれました。

 明日はコットンクラブに出演です。日本で生演奏が聴けるのはこれで最後かも。聴いて損はないと思いますが、どうでしょう?


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