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黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

大帝国の礎

2007-09-08 09:53:27 | 旅行記
この日はまず、前の日に行きそびれた
世界遺産のヴェルギナ遺跡(フリッポス二世の墓)に行き、
そしてエデッサへと北上して宿に行き、その街から近い
waterfallsに行った。(地図参照)



アレクサンドロス大王の父フリッポス二世の墓は、
一部が博物館と合体している。
博物館のなかには、「立ち入り禁止」の部分が
何箇所かあり、その先は本当の遺跡であるようだ。

私は歴史的なことはよく分からないが、
墓から出土した宝飾や武具の豪華さや緻密さに驚かされた。
例えば、特に椅子の装飾部分は
あの地域にはとても貴重だったように思える象牙まで
よく使われていたり、人間を描いた小さなレリーフも
ピンセット類でも使わなければとても仕上げられない感じの
細かさであった。
(ドライに考えれば)物を埋葬するという
富や労力の賜物の惜しげもない無駄遣い行為をするくらいだから、
アレクサンドロスが大帝国を持つためのパスポートになる下地が
(例えば、財力とか組織力とかの下地が)
父親の代で既にある程度出来上がっていたのかもしれない。

また、ギリシャ神話フリークにとって印象的だったのが、
博物館の奥に大きく展示されていた、
ハデスの誘拐をテーマにした壁画。
ハデスが車に乗ってまさにペルセポネを誘拐する場面と
ペルセポネ誘拐を嘆き悲しむ母デメテルの姿が描かれている。
ハデスはもちろん死の世界の神であるが、
ペルセポネのほうはおそらくあそこに葬られた人々の象徴であり、
そしてデメテルは彼らの死を嘆き悲しむ人々の象徴であろう。
たしか古代ギリシャにはデメテルの代わりをやる
泣き女という職業もあったと思うが・・・
泣き女より、このデメテルの姿のほうが
個人的には心打たれる気がするのである。

このあと私は、エデサにある「Varosi」という
インテリアも周りの景色もとてもロマンチックなホテルに泊まった。



「ロミオとジュリエット」の世界のようだった
(もっとも、その話の舞台はイタリアだが)。
ここでお篭りして創作活動に打ち込んだら、
なんだか良いものが書けそうな気さえしてくる。

そのあとは、ホテルの近くにある滝を見に行った。
この、ホテルから滝までの石畳も、すごく風情があった・・・!


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