今日報道された福島第一原発の写真を見て絶句した。満身創痍である。3号機と4号機の写真を見ると、3号機の建屋は水素爆発によってめちゃくちゃに壊れている。この下にある格納容器は本当に無事なのだろうか。このがれきの下に使用済み燃料プールもあり、それはむき出しなのである。白煙が上がっている。プールの水が蒸発しているとのことで、使用済の燃料棒が高温になって損傷しているとすれば、この白煙には放射性物質が含まれている可能性が高い。
4号機の建屋もめちゃくちゃである。私は昨日4号機で火災と聞いて耳を疑った。4号機は地震発生当時、定期点検で停止していたので、何の問題もないと思っていたのだ。ところが、使用済み燃料プールの冷却機能が失われ、プールの水温が上がり水が蒸発、燃料棒が空気中にむき出しとなり、高温になって火災が発生したという。これまでは圧力容器の中で燃料棒が溶融しているという話だったのに、プールは格納容器の外で、4号機では今や外気に直接触れているのである。この写真を見ると4号機から煙が出ているように見える。火災が続いているのではないだろうか。この煙もたいへん危険なものと思う。
福島第一全体の写真を見ると、唯一残っている2号機の建屋にも穴があいており、そこから白煙が立ち上っているように見える。2号機は格納容器が損傷しており、建屋内には放射性物質が充満していると思われる。この白煙もたいへん危険な煙だと思われる。
今日の報道では、3,4号機のプールにヘリコプターで冷却水を投入しようとしても放射線量が高くて近づけないという。手がつけられない状況である。東電の会見では、測定器がちゃんと働いているかどうかわからず、何が起こっているのか十分には把握できていないようである。
20年も前に1979年に発生したスリーマイル島原発事故の報告書を読んだのを思い出した。スリーマイルでも、事態が進行しているときに、コントロール室は原子炉内部で何が起こっているかよくわかっていなかった。終息後の事故調査の際に内部を観察して明らかになった事態は、コントロール室の理解とは違っていた。こうも分からないものなのかとびっくりした覚えがある。原子炉のような危険な機械の内部で何が起きているか把握できないというのは、いったいどういうことなのだろうか。私はその時、少なくとも原子力発電は未熟な技術だと思った。
スリーマイルの事故から32年、同じ状況が目の前で展開されている。スリーマイル島原発では、最終的に燃料棒が溶融し、圧力容器の中に堆積していた。ウラン燃料が再び集中し、核分裂連鎖反応がはじまる再臨界が起こる心配があった。運転担当者は内部のようすがちゃんとわかって、再臨界の危険があることがわかっていれば、すぐにでも避難していただろうと後に語ったと伝えられる。そして今、同じように圧力容器の中がどうなっているか把握できない1,2,3号機でも同じことが起きているかもしれないのである。外気にむき出しの3,4号機の燃料棒プールでも同じことが起きているかもしれないのだ。
スリーマイル島では、幸運にも、再臨界が起こるまえに圧力容器内の温度が下がり、事態は終息に向かった。福島第一1,2,3,4号機でも同じ幸運がありますように。皆で愛を送ろう。
知識が全く無いのでわからないのですが、これはどういった影響が考えられるのでしょうか?
また、大切な人の両親が屋内退避圏内で、物資が届かず食料が不足していて困っています。
この三連休で届けに行こうかと考えているのですが、2~3日なら、健康被害は深刻では無いですよね・・・?
こちらは30代男女です。
ご意見お聞かせいただけないでしょうか(><)
心配ない旨、記載あり。
単なる記録上のエラーとのこと。
ありがとうございました。
もちさま>このタイミングで誤報しないでほしいですよね・・・福島に行かれる場合は、パートナーさんが妊娠の可能性がないことをことを確認してください。車から外に出るときはインフルエンザ防止や花粉防止と同じようなマスク+ぬらしたガーゼでお願いします。帰ってきたら、すぐにシャワーと服の洗濯をお願いします。
パートナーがどうしても外せない仕事が中日に入ってしまい、
福島に行く可能性が低くなってしまいましたが、
これも神の思し召しかもと受け止めています。
大切な人に何も出来ず歯がゆいばかりですが、
先生のブログ、励みになります。