今日は2050年担い手塾に参加した。将来の持続可能な地域づくりのリーダーを育てるべく、意欲のある中学・高校生に、学校では学べない高度な内容を学んでもらう講座をやっている。今日のテーマは世界の格差についてである。
まず私が、ドネラ・メドウズの「村の現状報告」について英語の本文を翻訳しながら解説した。世界が1000人の村だったら、という想定で、さまざまな格差について統計データに基づいて簡潔に . . . 本文を読む
「曾つてわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐた
そこには芸術も宗教もあった
いまわれらにはただ労働が 生存があるばかりである
宗教は疲れて近代科学に置換され然も科学は冷く暗い」
宮澤賢治『農民芸術概論綱要』より
アル・ゴア氏の『不都合な真実』には「科学者はこう言っている」というフレーズがたくさんでてくる。もちろん、そのことによってこの政治的演説 . . . 本文を読む
ずいぶん前に、私の「知的生産の技術」としての発酵法という記事を書いた。私は学生時代とは変わって、今は実験ノート以外はほとんどメモやノートをとらない。読んだ本の内容や見聞したことは、心の中のメモにとる。そしてそのうち忘れる。ところがある時忽然と、アイデアや文章という形で心の中にもどってくる。忘れているうちに、心のどこかで発酵しているのだろう。そしてよい発酵が行われたならば、自然に戻ってくるようだ . . . 本文を読む
先日、やりきれないニュースに接した。私の住んでいる町のとなり町の公立病院で、抗がん剤治療を受けていたがん患者が投薬ミスで死亡したというニュースである。マニュアルでは4週間に1回の投与であるところを、3週間連続して投与されて副作用死したのである。白血球数が正常時の1/10であったという。免疫力が落ち、感染症にかかり敗血症となって死亡したのだろう。
投薬ミスは言語同断であるが、そもそも抗がん剤は . . . 本文を読む
奥野修司『満足死-寝たきりゼロの思想』講談社現代新書2007年は深く考えさせられる内容だった。著者はジャーナリストで、この本は高知県(旧)佐賀町の診療所で過疎地の地域医療に携わっていた疋田善平医師の実践と思想に取材した本である。疋田医師は高齢化率47%という受け持ち地区で、まさに地をはうような地域医療を実践し、寝たきり老人の数を激減させた。多くの老人を在宅で看取る実践の中で、満足死の思想は生ま . . . 本文を読む
「すると、もしあたしの心臓がいつか鼓動をとめてしまったら、どうなるの?」
「そのときは、おまえの時間もおしまいになる。あるいは、こういうふうにも言えるかもしれないね。おまえじしんは、おまえの生きた年月のすべての時間をさかのぼる存在になるのだ。人生を逆にもどって行って、ずっとまえにくぐった人生への銀の門にさいごにはたどりつく。そしてその門をこんどはまた出て行くのだ。」
「そのむこうはなんなの?」
. . . 本文を読む
12月20日に愛知県がんセンターで内視鏡の検査をし、28日にその結果を聞いた。幸いにしてがんの再発はみられなかった。一部胃壁に病変部があり生体検査を行ったが、炎症反応がみられたのみでがんではなかった。ただ、十二指腸と胃にひどい潰瘍があり、医師からはしっかり治すようにとくぎをさされた。今回はがん男くんとは再会ならず。またの機会となった。
2007年はがんとの出会いによって、戸惑いつつも、いろ . . . 本文を読む