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カール・フローチ対アンドレ・ディレル(2009/10/17)

2009-10-18 23:06:34 | ボクシング

WBCスーパーミドル級タイトルマッチ

スーパー6の2試合目として英国で行われた一戦。地元のWBC王者カール・フローチ選手(Carl Froch)に五輪銅メダリストの米国人アンドレ・ディレル選手(Andre Dirrell)が挑んだ一戦は、ディレル選手のスピードとフローチ選手のパワーがぶつかり合う接戦の末にフローチ選手が際どいスプリットの判定を制した一戦でした。(体格比較)

盛んに構えを左右に変えてハンドスピード抜群の左右を繰り出す米国人。動き回るステップワークは使わずに、スタンスを広く構えてフローチ選手の動きを見てからの反応、ハンドスピードで距離とペースを支配していきます。
サウスポー構えから思い切って振りぬく左ストレート、オーソドックス構えからの左フックや右ストレートなどのディレル選手の切れまくる攻撃をカウンターであわせられるフローチ選手がなかなか手を出していけなくなっていた試合前半戦。

自慢の強打を空転させられ続ける展開にフラストレーションを募らせた王者は、5回に左からのすくい投げやブレイク後の加撃などのラフな攻撃に出て、徐々に乱戦に巻き込んでペースを奪いかけます。
相変わらずディレル選手の鋭い攻撃を食う場面は続いていたものの、クリンチ際でのフック攻撃や相打ち上等で狙う強い攻撃でディレル選手のスピード抜群の攻撃に対抗。
シャープで切れるブローが相変わらず決まるディレル選手なのですが、フローチ選手のごついアタックに押されっぱなし、、
これは見方によってはフローチのラフなアタックに晒されながらもシャープなブローでのヒットを決め続けていたディレル、とも取れる終盤戦で優劣の判断に迷う試合展開だったのかもしれません。

公式のスコアは115-112フローチとスコアしたジャッジが2人、114-113ディレルと見たジャッジが1人の2-1。シロート採点は116-111ディレル。(公式スコア内訳)
10回にディレル選手の左フック→左ストレートでフローチ選手の足元が揺れる場面があったものの、直後に逆襲を仕掛けたフローチ選手に対してディレル選手がホールディングに逃れた場面や、クリンチ間際でのフローチ選手の攻撃に対ししきりにレフェリーにアピールしていたディレル選手&かまわず攻め続けていたフローチ選手
これらの場面で見えたファイティングスピリッツ・闘志がジャッジに影響したのかもしれませんが、フローチ選手にとっては幸運な採点だったように私は感じました。

フローチ選手は26勝(20KO)。ディレル選手は18勝(13KO)1敗。

2009-10-17 Carl Froch vs. Andre Dirrell.avi

Froch edges Dirrell(Fightnews)
Carl Froch Edges Andre Dirrell With Split Call Verdict(Mark Vester/Boxing Scene)
Carl Froch: "I Definitely Beat Andre Dirrell"(Mark Vester/Boxing Scene)
Kessler vs Froch: Carl Expects a Real War in 2010(Boxing Scene)
Super Six World Boxing Classic: Froch and Dirrell - Post Fight Quotes(East Side Boxing)
Sharkie's Machine: Froch Beats Dirrell by Split Decision on First Night of Super Six Tournament(Frank Gonzalez Jr./East Side Boxing)
Will over skill: Froch edges Dirrell by split decision(Doug Fischer/The Ring)
ROUND-BY-ROUND: Froch vs. Dirrell(J. Michael Falgoust/USA TODAY)
The Super Six Begins: Post-Fight Report Cards(Cliff Rold/boxingscene)
FROCH v DIRRELL ROUND-BY-ROUND(Sportinglife)


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (パンチ)
2009-10-19 00:02:44
管理人さん、いつもお疲れ様です。
ディレルは惜しかったですね。自分はディレルのセンスはこの階級でもトップクラスと思ってたのでこの試合でも、そのボクシングセンスが出せたと思ったのですが……。惜しい試合を落としましたね。
逆にフローチは激戦請負人というか、最近の試合は際どい試合が多いですね。それでも勝ち抜いているのが凄いですけど。

テイラー、ディレルが負けて、後はウォードですが、ケスラー相手では、厳しい試合の予感がしますし、アメリカ勢が初戦は全敗するかもですね。
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Unknown (Ike Quarty)
2009-10-19 08:44:32
試合は見ていませんので推測ベースですが、予想通り
ディレルのアウトボックスに始まり、フロッチが乱戦に持ち込んだという感じですかね。
結果論的には見栄え、敵地での戦い方を含めたディレルの経験の浅さが出たみたいですね(ある程度予想の範囲内でしたが)。

長身でバネがあり、スイッチも可能なファイトスタイルは今後強くなる可能性を大いに秘めていると思うので、
この経験をバネに次の試合も頑張ってほしいですね。

フロッチは”The Cobra”のニックネーム通りの戦い方という感じですかね。
昔でいう崔龍洙的な戦い方でしょうか。個人の趣向で恐縮ですが、この戦い方は好みなので、今後も頑張ってほしいです。
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Unknown (プクー)
2009-10-19 14:40:23
ディレルの過去の観戦記や映像を見てこういう結果になりそうな予想をしていました。採点が逆でもいいような内容みたいですが・・・
ホプキンスに黒星つけてやっと時代が変わるかとおもえたテイラーも激闘の末敗れる試合が続いていますがあと少し、メンタル的なものも含めてたくましくなれば米国勢は決して不利ではないとおもうのですが・・・
賭けがあるとすれば欧州勢にオッズは傾いているでしょうし今のところそのような結果となってますが自分が賭けるなら米国勢です。
ケスラー有利な下馬評をくつがえすイベントになることを期待します。
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Unknown (管理人)
2009-10-19 19:41:23
>パンチさん
ディレルはよくやっていたと思います。
採点について私はとやかく言うつもりはないのですが、フローチが亀田選手だったら八百長だ地元判定だと大騒ぎになっていた採点だと思います。
ディレルはツイてなかったです。

>Ike Quartyさん
乱戦、ラフファイトに巻き込んだフローチだったのですが、ディレルのホールディングや速い動きを前に強い攻撃をなかなか当てることができず、逆にディレルのクリーンで痛烈なショットを単発で浴びる、という流れと見ていたので採点結果は意外でした。
ディレルのホールディングをはじめとする終盤のダレた戦いがジャッジの支持を得にくくした面もあるのかもしれませんが、私はディレルの酷い戦いっぷりを以前から何度か目にしていたので今回程度では全く気になりませんでした。
負けはしましたが、評価を落とすような内容ではないと私は見ました。むしろ評価アップかも。

>プクーさん
私は完全にディレルの勝ちだと見た内容でした。

アブラハムの今回の試合を見て、私はアブラハム対ケスラーが凄く楽しみになりました。ケスラーはそんなに打たれ強いとは思わないのでアッと驚く結末があるかも・・・?
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Unknown (yoshi)
2009-10-20 22:38:54
個人採点では111-117でディレル。クリーンヒットがないフロッチにどう見ても採点は振り分けられんですよ。マニアック的に例えればホセルイスラミレス対ウィテカー第一戦並みに酷い採点だったと。。後この試合実況見る限りWBCなのにオープンスコアシステムを採用してないような…していたらディレルの戦い方も変わっていたのではと思いました。
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Unknown (管理人)
2009-10-21 18:31:50
>yoshiさん
公式のジャッジ3名のラウンド毎のスコアを見つけたので記事に貼っておきました。
115-113ディレルのジャッジが2名いましたが、その内訳をみると全然違ってたりしてます。スコアが一致していたラウンド4、逆が8。
ディレルにとっては不運、フローチにとっては幸運だったという事なのかと。
運不運で片付けて良いのか、とも言われそうですが、ボクシングの採点なんてものは所詮そんな程度のものだと思ってます。
WBCのオープンスコアリングに関しては、試合を行う国毎(?)によって採用するかどうかの最終的な判断が委ねられてる感じで、日本やメキシコでは律儀に採用されていますが、米国での試合とかでは無視されてるのが現状ですね。
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Unknown (管理人)
2009-10-21 19:24:11
115-113フローチが2名 の間違いでした
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Unknown (サモアン)
2009-10-21 19:52:21
自分も管理人さんと同じような採点でディレル勝利だと思ってました。

ディレルはハンドスピード、ディフェンスと申し分ない選手だと思うんですが、ちょっとジャッジウケの良くない戦い方ではありますね。

初の敗戦を糧にもっと強くなってほしいものです。

対するフローチはパンチが当たらないと見るや、投げ有りラビットパンチ有りとエゲツない選手ですね。

スーパー6 ますます面白くなりそうです。
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Unknown (管理人)
2009-10-22 19:21:19
>サモアンさん
上にも書きましたが、過去のディレルを知る身にとっては今回程度の消極的戦いっぷりでは全然消極的に映りませんでした。
ディレルにとっては評価を上げた試合だったかも、とこれも上に書いた事ですが、フローチにとっては評価を下げた内容だったように思います。
ディレルは次アブラハムが相手ですので、非常に楽しみです。(フローチはケスラー)
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