box観戦記録

100%自分用のリストです

スティーブ・ヘレリウス対フィラット・アルスラン(2010/07/03)

2010-07-25 18:05:53 | ボクシング
WBA暫定クルーザー級王座決定戦

ちと前の試合ですが、ドイツで行われた空位の暫定王座決定戦は約2年ぶりにリングに戻ってきた元王者のフィラット・アルスラン選手(Firat Arslan)とフランスからのスティーブ・ヘレリウス選手(Steve Herelius)との間で争われ、ヘレリウス選手が11回終了TKOで勝利して王座に就いた一戦でした。

サウスポー同士の試合スタートをリードしたのはヘレリウス選手でした。
左右にステップを踏みながら間断なく繰り出し続ける左右でアルスラン選手ががっちりと固めるブロックの上を叩き続けて序盤戦のペースを奪います。
非常にリラックスした動きから力まず軽く伸ばす左右ではあるものの、柔軟な身体のバネを生かしかつナチュラルにウェイトを乗せているヘレリウス選手の攻撃は非常にシャープで重いものでした。

しかしアルスラン選手もガードを固めながら前に出て右のジャブ、左フックでのプレスを強めて徐々にペースを奪回。フランス人の重い攻撃をブロックの上から浴び続けながらも、それを耐えてのプレスと強いヒットで中盤以降のラウンドをほぼ抑え続けてポイント上での優位を築いていきました。
ただブロックの上や、脇、合間を破るヘレリウス選手の強い攻撃が度々アルスラン選手をキャッチする場面は依然続いていて、パンチを食った際のリアクションに徐々にダメージが感じられるようにもなっていたアルスラン選手。
一方のヘレリウス選手の方はというと、柔らかな身体で相手の攻撃の威力を吸収する感じで、度々強烈なショットを浴びせられていたものの蓄積したダメージは皆無に見えます。
そして迎えた11回、前のラウンド途中から手数が出なくなり始めていたアルスラン選手に対しヘレリウス選手が右アッパーや左右フックのボディブローなどのハードなショットを次々に浴びせてアルスラン選手をグロッキーに陥れ、このラウンド終了時のギブアップを呼び込んだ逆転勝利でした。
試合終了時までの公式のスコアがわからないんですが、シロート採点では104-103アルスランと見ていました。(10回にヘレリウス選手に減点1、11回はヘレリウス10-8)

バネを感じる柔らかな肉体。その肉体を最大限に生かした重い攻撃と相手の攻撃を吸収するようなディフェンス。オラ・アフォラビ選手やギジェルモ・ジョーンズ選手を思い出させるヘレリウス選手のボクシングでした。

ヘレリウス選手は20勝(12KO)1敗1分。アルスラン選手は29勝(18KO)5敗1分。

Steven Herelius Clobbers Arslan, Garside Upsets Menzer(Alexey Sukachev/BoxingScene)
Q&A: Firat Arslan(Fightnews)
写真
Herelius TKOs Arslan(Karl Freitag,Photos by Eroll Popova/Fightnews)


フィラット・アルスラン対ギレルモ・ジョーンズ(2008/09/27)
フィラット・アルスラン対ダーネル・ウィルソン(2008/05/03)
バージル・ヒル対フィラット・アルスラン(2007/11/24)
グリゴリー・ドルスト対フィラット・アルスラン(2006/10/28)


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2010-07-25 19:30:11
ヘレリウスは面白い選手ですねw
パンチをもらっておどけて見せたり、ふてぶてしいと言うかなんと言うか。
筋骨隆々な体つきなのでモルメックのようなファイターを想像しましたが、なかなか巧いボクシングをしますね。
ただ、常にガードが下がっているためアルスランの軽いパンチを時折もらっているのが目につきました。
芯に当たっていないとはいえ冷や冷やするスタイルではありますね。

あと、アルスランは変なパンチの打ち方をしますね。
フックがラリアットのようで、親指の横が相手のこめかみに当たるような打ち方をしていたのが目につきました。
全く拳を返さないで打つのですがあれは反則にはならないのでしょうか。
Unknown (管理人)
2010-07-31 20:36:42
>Unknownさん
この人は私的に掘り出し物でした。
柔らかく弾むような肉体を生かした攻防、記事にも書いたとおりクルーザー級の選手に多い気がするのは何か理由があるんでしょうかね?

コメントを投稿