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ジョーン・パスカル対バナード・ホプキンス(2010/12/18)

2010-12-19 14:17:23 | ボクシング
WBCライトヘビー級タイトルマッチ

ハイチ生まれのカナダ人王者28歳のジョーン・パスカル選手(Jean Pascal)にボクシング界の生きる伝説、45歳のバナード・ホプキンス選手(Bernard Hopkins)が挑む注目の一戦は王者の地元カナダで行われ、熱戦の末に12回マジョリティドローでパスカル選手が王座防衛に成功した一戦でした。(体格比較)

初回に右で、3回は左フックでノックダウンを喫した魔人ホプキンス選手。
ホプキンス選手が右ストレートで踏み込んで体を寄せていこうと先に仕掛けるのですが、ホプキンス選手の攻撃を受け止めてから瞬時に返すパスカル選手の攻撃が非常にシャープで力強く、2度のノックダウンはいずれもフラッシュ気味のものではあったものの、ホプキンス選手の攻撃がほとんど効果を与えることができず、また逆にパスカル選手のシャープな攻撃の威力が予想以上に見えた序盤戦はホプキンス選手にとっては非常に苦しいものに見えました。
しかし4回からは上下への左フックをリードにプレスを強めてペースを引き寄せていきます。7回には強烈な左フックのボディショットを連続で決めてパスカル選手の失速を呼んだホプ選手。さすがにこのままではヤバイと思ったのか8回には手数を増やしたパスカル選手が抑えたラウンドに見えましたが、以降効果的に見舞う右ストレートリードと上下への左フックでホプキンス選手がペースを掌握したままラウンドを重ねていきます。

最終回は疲労がかなりきつくなり、さらに劣勢を自覚したパスカル選手の決死の攻撃を再三カウンターで浴びせられていて非常に苦しかったホプ選手でしたが、上手くごまかし、休みながら最後まで右ストレートと左フックを武器に力強く応戦し、試合終了のゴングを聞いた熱戦でした。

公式のスコアは1人が114-112ホプ、残る2人が113-113,114-114のドローでマジョリティドローというものでした。シロート採点は114-112ホプ。
スコア的に接戦だったのは疑いようのない事実で、この採点結果は非常にフェアなものでした。ただ序盤での大きなビハインドを跳ね返したホプキンス選手の素晴らしい戦いぶり、4回以降のdominationを見るとホプ選手に勝たせてあげたかった試合でした。
実力は大いに示したし次頑張ればいいじゃん、との慰めはまもなく46歳になるおじさんには全く通用するもんじゃないですし。
でもまあこういう報われないところもホプさんらしくて似合ってる気もします。(無責任な言い分ですいませんが)
ともあれ、ホプさんはやはりまだまだ魔人でした。いつになったら隠居できるのか、全く想像できません。

CompuBox Punch Stats: Jean Pascal vs Bernard Hopkins


パスカル選手は26勝(16KO)1敗1分。ホプキンス選手は51勝(32KO)5敗2分。


Pascal, Hopkins draw(Dave Spencer/Fightnews)
Jean Pascal, Bernard Hopkins Fight To a Majority Draw(Mark Vester/Boxing Scene)
Pascal Barely Keeps His Title; Fights Hopkins To A Draw(Ben Thompson/FIGHTHYPE)
Jean Pascal Retains Crown With Majority Draw Against Bernard Hopkins(Lem Satterfield/FanHouse)
Bernard Hopkins: I Beat Pascal Up, It Was a Robbery!(Chris LaBate/Boxing Scene)
Ageless Wonder Bernard Hopkins Overcame Adversity but Forced to Settle for Controversial Draw(Geoffrey Ciani/East Side Boxing)
Old school prevails in Hopkins-Pascal despite judges' findings(Bryan Armen Graham/sportsillustrated)



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (TITO)
2010-12-19 19:51:26
年齢を考えると、ホプのパフォーマンスは確かに驚異的でした。
ただ、勝ちを主張できるほどに明白な差をつけた内容ではなかった、と思います。
なので、私もドローという結果は、非常に妥当なものだと感じました。

まあ、ホプはそれでも色々主張するんでしょうね笑。

只、個人的にはそろそろ引退して欲しいです。その「負けない能力」によって、なかなかスッキリと引導を渡せてもらえないでしょうが、年を重ねる中で、今後も肉体的ダメージの危険性はあるでしょうし。。今日もパンチへの反応はかなり衰えてきたように思えました。難しいところですが。

あと、R.ジョーンズとミハエルゾウスキーの時代が長すぎて、その後のL.ヘビーの世代交代が中々進まなかったのでは、と今日の試合でふと思いました。
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Unknown (通りすがり)
2010-12-19 19:55:07
ホプキンス惜しかったですね。
相手があのドーソンを破ったパスカルなので、楽な試合にはならないとは思っていましたが。
ホプキンスにも衰えが忍び寄ってきているのは否めませんが、この年齢で世界王者と互角に渡り合うだけでも驚きです。
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Unknown (Unknown)
2010-12-19 20:04:20
ダラダラと現役を続けて晩節を汚す名ボクサーはたくさんいましたが、それにしてもホプキンスのしぶとさには脱帽ものですねw
ボクシングスタイルや普段の振る舞いからもうかがえる狡猾さを最大限に生かし、相手の長所を消してじわじわと嬲る。
管理人さんがおっしゃる通り、ホプキンスは魔人ですわw
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Unknown (Ike Quarty)
2010-12-20 00:19:16
内容は見ていませんが、ホプキンスのダウンというのは今まで記憶がありませんね。
ぜひWOWOWで放送してほしいです。

個人的にはフォアマンの最年長戴冠記録(これってヘビー級だけでしたっけ?)を抜いてほしいですね。
本当にこの人のモチベーションの源泉とキャリアを続けられるメカニズムは謎です。
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Unknown (管理人)
2010-12-20 22:12:47
>TITOさん
2度のダウンに加えて4回にも倒されてましたからね。
あっけ無く倒れてしまう姿も意外でしたが、それ以上にパスカルのパンチが入るのが驚きでした。
パンチを殺したり外す技術は天下一品だと思っていたので。
反応が落ちてきているということなんでしょうかね?
あと驚いたのが4回からペースアップしてその後最後まで持ったスタミナでした。最終回はさすがにバテてましたが、カルザギ戦なんかを思うと大したもんだったと感じました。

>通りすがりさん
私は極端にホプの力が落ちていない限り、ホプが楽勝しちゃうんじゃないだろうか
との予想でした。
序盤での大きすぎるビハインドと打つ手がないさまを見てもう完全にだめだな、とか思ったのですが、それだけにあそこから巻き返してみせたのは見事でしたし大いに感銘を受けました。

>Unknownさん
パブリクはホプ戦での挫折から立ち直れずにいますし、パスカルもホプおじさんの魔術に魅入られてしまって今後のキャリアが狂わされる・・なんてこともあるかもしれません。

>Ike Quartyさん
この試合はフォアマンの最年長獲得記録更新もかかっていた試合でした。勝っていればフォアマンよりも38日年長のホプが新記録となっていました。
ホプキンスは94年12月にエクアドルで行われたセグンド・メルカド戦で2回ダウン食ってます。それ以来のノックダウンなので実に16年ぶりになりますね。
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早く見たいです (まっからむ)
2010-12-21 21:50:51
軽いとは言え、ダウン2回は驚きですが、その後の盛り返しがすごいですね。
カルザギ戦あたりまでの超省エネボクシングは何だったのでしょうか。
反応速度は落ちているのかも知れませんが、未だに一発があり、相手の嫌がることを見つける嗅覚が優れるホプキンスさんは、まだまだ若手を苦しめそうですね。
世界最年長タイトル奪取も十分期待できますね。再戦を見たいですが、パスカルが嫌がる気がします。
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Unknown (管理人)
2010-12-22 21:02:06
>まっからむさん
初回のラビット気味のパンチでのダウン、
3回の左フック、4回の明白なラビットパンチで倒された場面(ノックダウンではない)
反則打かどうかは別にして、いずれの場面でもパンチを食って一瞬効いて倒れてたのは確かでした。
自分でも意外だったんじゃないでしょうかね。

再戦をパスカルが嫌がる、ってのは私もそう思います。
試合直後のインタビューでは、勝ったともちろん信じてた、とか言ってましたけれど、安堵の様子が窺えてラッキーだったってのが本心なんじゃないでしょうかね。わかりませんが
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Unknown (カチディスの勝ちです)
2011-02-14 22:02:14
試合見ましたけど、やっぱり衰えは隠せないですね。

まあ、衰えたいまでもトップと5分以上に渡り合えるんだから絶頂時に10年間も王様のイスに座り続けてたのも納得ですね。
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