ライトヘビー級12回戦
新旧ミドル級の統一王者同士がライトヘビー級で激突する注目の12回戦。現ミドル級王者のケリー・パブリク選手(Kelly Pavlik)対元4団体統一王者バナード・ホプキンス選手(Bernard Hopkins)の一戦は米アトランティックシティで行われ、ホプキンス選手が大差の12回判定で勝利する番狂わせとなっています。(体格比較)
1995年にIBFミドル級王座を獲得して以降10年の間に19度の防衛を重ねながらWBC,WBA,WBOの王座を吸収していったミドル級の帝王ホプキンス選手。(世界戦25戦20勝(13KO)3敗1分1NC)
統一ミドル級王座を手放した後も当時ライトヘビー級のトップに君臨していたアントニオ・ターバー選手に完勝してみせるなど、40歳を越えてなおその計り知れぬ底力を見せ続けていたホプキンス選手ではありましたが、この日の素晴らしいパフォーマンスにまたしても驚愕させられました。
両者のスピード差が目立った試合。初回から距離を保ちながらホプキンス選手が放つ鋭く速い攻撃がペースを掌握。
2回には左アッパーでパブリク選手の膝を揺らすなど完全にペースを掴んだホプキンス選手が以降も度々クリーンなショットを決め続け、17歳年下のパブリク選手に何もさせないワンマンショーでした。
ホプキンス選手のシャープな左フック、右ストレートのリードブロー、パブリク選手の入りに合わせるカウンターの右、これらの攻撃に為す術の無いパブリク選手。
今まではいいパンチを食うとより闘志を漲らせて反撃に転じていたパブリク選手でしたが、この日はホプキンス選手のパンチで動きが止まる場面が再三あって「下手すると倒されちゃうぞ」と何度も思いました。
またこれまでの試合で対戦相手を圧倒していたパブリク選手のプレスがこの日は全く効かせられず、これらの点は契約ウェイトの170ポンドという面が影響していたのかもしれません。
体格的なアドバンテージを生かせないこと以上に、ジャブがほとんど機能していなかった事もプレスが効かせられなかった理由でしょう。
ホプキンス選手の巧みなディフェンスに外され殺され続けたパブリク選手のジャブ。強引に出ようとすればカウンターで迎え撃たれる。
袋小路に追い詰められたパブリク選手の手が出なくなっていく様は、魔人ホプキンス選手の呪術に魅入られてしまい何も出来ずに散ったアントニオ・ターバー選手の姿も重なりました。(2006年6月)
公式の採点結果は119-106,118-108,117-109
9回にホプ選手に減点があってのこの点差ですからほぼ完封。私のシロート採点は119-108ホプでした。
この日の17歳差を跳ね返してのホプキンス選手の勝利は、ジョージ・フォアマン選手がマイケル・モーラー選手をノックアウトした試合での19歳差に次ぐ年長者が勝利を収めたケースのようです。(過去の年齢差対決)
その偉大すぎるキャリアにまた新しい伝説を書き加えた帝王ホプキンス選手。
戦前不利を予想していたリングサイドのプレス席の面々に対し仁王立ちして睨みつけていた姿はカッコ良すぎでした。
私もホプキンス選手の敗戦を予想していました。ごめんなさい。
とんでもないおじさんです。凄すぎる。
Compubox Punch Stats: Hopkins Dominates Pavlik Over 12
試合動画(dailymotion)
ボクシング バーナード・ホプキンス vs ケリー・パブリック 1/3
ボクシング バーナード・ホプキンス vs ケリー・パブリック 2/3
ボクシング バーナード・ホプキンス vs ケリー・パブリック 3/3
More on Hopkins-Pavlik!(ホプキンス「私のキャリアにおけるベストファイトだ。ターバー戦、ティト戦、デラ戦、21度の防衛戦どれよりも良かった。」。パブリク選手は会見を欠席。
プロモーターのボブ・アラム「この試合でパブリクはミドル級で戦うべきだということを学んだ。彼はこの体重ではパンチが無い。ホプキンスは素晴らしいパフォーマンスを見せた。」
さらにアラムはこの日のアンダーカードで指名挑戦権を得たルビオとパブリクが戦う義務があることを認め、またパブリクの次の試合は160lbs(ミドル級)でのものだと述べた。
パブリクのトレーナー、ジャック・ロウ「我々の夜では無かったという事だけだ。170ポンドは我々のクラスでは無いが、言い訳はしない。」
Bernard Hopkins: "I Want Roy Jones or Joe Calzaghe"
ホプキンス「高齢ゆえに安全策を取ると戦前酷評されていたので、ストップしたかった。KOを狙いそのための戦いをやったが、パブリクはタフだった。彼は偉大なチャンピオンだ。私はロイと戦いたい、だが同時にカルザギと戦うために英国に行きたいとも思う。ロイとの戦いはデカい試合になるし、人々が望んでいるのはロイ戦だろう。
パブリク「戦いをスタートできなかった、何故かはわからないがホプキンスのうまさゆえではない。今日は私自身がどこかおかしかった。ダブルのジャブを打つことが出来なかったし、普段リングで出来ることが今日は出来なかった。160lbsに戻るよ」
ホプキンス選手は49勝(32KO)5敗1分。パブリク選手は34勝(30KO)1敗。
Hopkins schools Pavlik!
Ageless Hopkins teaches Pavlik a lesson
BRILLIANT HOPKINS OUTCLASSES PAVLIK
Active Hopkins dominates champion Pavlik to win non-title fight
Pavlik-Hopkins round-by-round blog
ROUND BY ROUND: PAVLIK VS. HOPKINS
Bernard Hopkins Turns Back The Clock - Again
Ageless Hopkins puts on masterful performance against Pavlik
The Legend Grows: Ringside Post-Fight Report Card
ONE FOR THE AGES: Bernard Hopkins W12 Kelly Pavlik
BHOP'S UNBELIEVEABLE VICTORY
CompuBox Post-Review: Hopkins' Output Defies Odds
写真
ホプキンス パブリークを判定で下す
Photos: Kelly Pavlik vs. Bernard Hopkins Event Gallery
October 18, 2008: Bernard Hopkins vs Kelly Pavlik - Atlantic City, NJ / Ed Mulholland
Hopkins Turns Back Time!
パブリク対ホプキンス直前情報
ケリー・パブリク対ゲーリー・ロケット(2008/06/07)
ケリー・パブリク対ジャーメイン・テイラー(2008/02/16)
ジャーメイン・テイラー対ケリー・パブリク(2007/09/29)
ケリー・パブリク対エディソン・ミランダ(2007/05/19)
ケリー・パブリク対ホセ・ルイス・セルトゥチェ(2007/01/27)
バナード・ホプキンス対ジョー・カルザギ(2008/04/19)
バナード・ホプキンス対ロナルド・ライト(2007/07/21)
新旧ミドル級の統一王者同士がライトヘビー級で激突する注目の12回戦。現ミドル級王者のケリー・パブリク選手(Kelly Pavlik)対元4団体統一王者バナード・ホプキンス選手(Bernard Hopkins)の一戦は米アトランティックシティで行われ、ホプキンス選手が大差の12回判定で勝利する番狂わせとなっています。(体格比較)
1995年にIBFミドル級王座を獲得して以降10年の間に19度の防衛を重ねながらWBC,WBA,WBOの王座を吸収していったミドル級の帝王ホプキンス選手。(世界戦25戦20勝(13KO)3敗1分1NC)
統一ミドル級王座を手放した後も当時ライトヘビー級のトップに君臨していたアントニオ・ターバー選手に完勝してみせるなど、40歳を越えてなおその計り知れぬ底力を見せ続けていたホプキンス選手ではありましたが、この日の素晴らしいパフォーマンスにまたしても驚愕させられました。
両者のスピード差が目立った試合。初回から距離を保ちながらホプキンス選手が放つ鋭く速い攻撃がペースを掌握。
2回には左アッパーでパブリク選手の膝を揺らすなど完全にペースを掴んだホプキンス選手が以降も度々クリーンなショットを決め続け、17歳年下のパブリク選手に何もさせないワンマンショーでした。
ホプキンス選手のシャープな左フック、右ストレートのリードブロー、パブリク選手の入りに合わせるカウンターの右、これらの攻撃に為す術の無いパブリク選手。
今まではいいパンチを食うとより闘志を漲らせて反撃に転じていたパブリク選手でしたが、この日はホプキンス選手のパンチで動きが止まる場面が再三あって「下手すると倒されちゃうぞ」と何度も思いました。
またこれまでの試合で対戦相手を圧倒していたパブリク選手のプレスがこの日は全く効かせられず、これらの点は契約ウェイトの170ポンドという面が影響していたのかもしれません。
体格的なアドバンテージを生かせないこと以上に、ジャブがほとんど機能していなかった事もプレスが効かせられなかった理由でしょう。
ホプキンス選手の巧みなディフェンスに外され殺され続けたパブリク選手のジャブ。強引に出ようとすればカウンターで迎え撃たれる。
袋小路に追い詰められたパブリク選手の手が出なくなっていく様は、魔人ホプキンス選手の呪術に魅入られてしまい何も出来ずに散ったアントニオ・ターバー選手の姿も重なりました。(2006年6月)
公式の採点結果は119-106,118-108,117-109
9回にホプ選手に減点があってのこの点差ですからほぼ完封。私のシロート採点は119-108ホプでした。
この日の17歳差を跳ね返してのホプキンス選手の勝利は、ジョージ・フォアマン選手がマイケル・モーラー選手をノックアウトした試合での19歳差に次ぐ年長者が勝利を収めたケースのようです。(過去の年齢差対決)
その偉大すぎるキャリアにまた新しい伝説を書き加えた帝王ホプキンス選手。
戦前不利を予想していたリングサイドのプレス席の面々に対し仁王立ちして睨みつけていた姿はカッコ良すぎでした。
私もホプキンス選手の敗戦を予想していました。ごめんなさい。
とんでもないおじさんです。凄すぎる。
Compubox Punch Stats: Hopkins Dominates Pavlik Over 12
試合動画(dailymotion)
ボクシング バーナード・ホプキンス vs ケリー・パブリック 1/3
ボクシング バーナード・ホプキンス vs ケリー・パブリック 2/3
ボクシング バーナード・ホプキンス vs ケリー・パブリック 3/3
More on Hopkins-Pavlik!(ホプキンス「私のキャリアにおけるベストファイトだ。ターバー戦、ティト戦、デラ戦、21度の防衛戦どれよりも良かった。」。パブリク選手は会見を欠席。
プロモーターのボブ・アラム「この試合でパブリクはミドル級で戦うべきだということを学んだ。彼はこの体重ではパンチが無い。ホプキンスは素晴らしいパフォーマンスを見せた。」
さらにアラムはこの日のアンダーカードで指名挑戦権を得たルビオとパブリクが戦う義務があることを認め、またパブリクの次の試合は160lbs(ミドル級)でのものだと述べた。
パブリクのトレーナー、ジャック・ロウ「我々の夜では無かったという事だけだ。170ポンドは我々のクラスでは無いが、言い訳はしない。」
Bernard Hopkins: "I Want Roy Jones or Joe Calzaghe"
ホプキンス「高齢ゆえに安全策を取ると戦前酷評されていたので、ストップしたかった。KOを狙いそのための戦いをやったが、パブリクはタフだった。彼は偉大なチャンピオンだ。私はロイと戦いたい、だが同時にカルザギと戦うために英国に行きたいとも思う。ロイとの戦いはデカい試合になるし、人々が望んでいるのはロイ戦だろう。
パブリク「戦いをスタートできなかった、何故かはわからないがホプキンスのうまさゆえではない。今日は私自身がどこかおかしかった。ダブルのジャブを打つことが出来なかったし、普段リングで出来ることが今日は出来なかった。160lbsに戻るよ」
ホプキンス選手は49勝(32KO)5敗1分。パブリク選手は34勝(30KO)1敗。
Hopkins schools Pavlik!
Ageless Hopkins teaches Pavlik a lesson
BRILLIANT HOPKINS OUTCLASSES PAVLIK
Active Hopkins dominates champion Pavlik to win non-title fight
Pavlik-Hopkins round-by-round blog
ROUND BY ROUND: PAVLIK VS. HOPKINS
Bernard Hopkins Turns Back The Clock - Again
Ageless Hopkins puts on masterful performance against Pavlik
The Legend Grows: Ringside Post-Fight Report Card
ONE FOR THE AGES: Bernard Hopkins W12 Kelly Pavlik
BHOP'S UNBELIEVEABLE VICTORY
CompuBox Post-Review: Hopkins' Output Defies Odds
写真
ホプキンス パブリークを判定で下す
Photos: Kelly Pavlik vs. Bernard Hopkins Event Gallery
October 18, 2008: Bernard Hopkins vs Kelly Pavlik - Atlantic City, NJ / Ed Mulholland
Hopkins Turns Back Time!
パブリク対ホプキンス直前情報
ケリー・パブリク対ゲーリー・ロケット(2008/06/07)
ケリー・パブリク対ジャーメイン・テイラー(2008/02/16)
ジャーメイン・テイラー対ケリー・パブリク(2007/09/29)
ケリー・パブリク対エディソン・ミランダ(2007/05/19)
ケリー・パブリク対ホセ・ルイス・セルトゥチェ(2007/01/27)
バナード・ホプキンス対ジョー・カルザギ(2008/04/19)
バナード・ホプキンス対ロナルド・ライト(2007/07/21)
性格は最悪らしいですがボクシングに対する姿勢、節制は尊敬します。本人が希望しているロイとの再戦も実現するかもしれません。誰かホプキンスのボクシングを徹底研究して真似するような選手が出てこないですかね。華はない感じですが本当に強いです。人気はともかくミドル級歴代再高峰といってもいいとおもいます。年齢からして信じられません。
ミドル陥落後も強かったのですが、ここまで覇気のあるホプは久しぶりに見ました。
本当に化け物ですね。最高峰のディフェンス、Lヘビーでもハードパンチャー、戦略・テクニックも最高でした。スタミナだけはこれからも落ちる一方ですが、まだまだ超一流ですね。本当にすごい!、これからも応援します。
世代交代して欲しいという思いがありましたので・・・
しかしホプキンスは強いですね。既に達人の域に入ってると思いますw
ここまで幅の広い名選手になるとは思いませんでした。
ホプおじさんにこんなに手数が出るとは・・・
自分は当てて相手には当てさせない何かもう別競技の体捌きのようです。
ミドル級での文句無しの実績に加えて、体重を上げて以降のキャリアが凄すぎますよね。
スタイルを微妙に変えながらキャリアの晩年になって新たなピークを迎えているようにも見えるホプ選手のような存在は過去に無いのではないでしょうか。
まさに生きる伝説だと思います。
>まっからむさん
この日のホプ選手の充実ぶりは本当に素晴らしかったですね。
勢いのあるパブリク選手を子供扱いで、まさに格の違いを見せ付ける勝利にただただ感服です。
>アキレス腱さん
パブリク選手の元気の無さは確かに気になりました。
ただ、相手が魔人ホプキンス選手だけに、ホプ選手のボクシング術に囚われて力を出せなかったからのか、パブリク選手のコンディションが悪かったからなのかは測りかねますね。
私自身にとってこの日の結果は、無敗の若者パブ選手がつまづいてしまった残念さよりも、長老ホプ選手の素晴らしい戦いぶりから受けた感銘の方が遥かに優りました。
>サモアンさん
初回から思った以上に手を出していたホプ選手を見て、「途中で手が出なくなるんだろう」と思いながら見ていたのですが、最後までスタミナは残していましたよね。(終盤ごまかす場面が多くはなっていましたが)
これを見て、前戦の対カルザギ戦でのガス欠はカルザギ選手の手数によるプレッシャーゆえだったのか、と感じました。
当たらなくてもいいからとにかく手数を集める事が重要なんだとの、対ホプ攻略の一つの答えをカルザギ選手は示したのかもしれませんね。
管理人様、鮮明な動画の追加ありがとうございます。
鮮明な画像で試合を堪能しましたが、ホプ滅茶苦茶速いですね!現役Lヘビーでも最速だと思います。
スタミナも十分で、ここの所の超省エネ戦法は何だっただろうと思います。カルザゲ戦でもこれだけのスタミナがあれば楽勝だったのに 。。。
あと、印象的だったのは、強いけどいつもヒールだったホプに対して、序盤からB-HOPの歓声が絶えなかったことです。遂に実力にふさわしい尊敬が得られた感じです。
ホプにも十分勝てると確信した。
私は見つけた動画をただ貼っただけですので、礼には及びません。うp主さまに感謝感謝です。
試合前はブーイングも少々聞かれていたんですけど、アメリカのファンは良い試合を見せてくれる選手に賞賛を惜しみませんからね。
芸術作品を見るかのような気にもさせた素晴らしいホプ選手のパフォーマンスでした。
>パブリックはKKKさん
つ、釣られませんよぉ・・w