マシュー・ハットン対ユーリ・ヌズネンコ(2010/07/16)

欧州ウェルター級タイトルマッチ

欧州王者のマシュー・ハットン選手(Matthew Hatton)が元世界王者のウクライナ人ユーリ・ヌズネンコ選手(Yuriy Nuzhnenko)の挑戦を受けた一戦は王者の地元英国で行われ、ハットン選手が初回喫したノックダウンを挽回する12回3-0の判定で勝利して3月に獲得した王座の初防衛に成功した一戦でした。(体格比較)

試合開始と共に前進し仕掛けていったのは挑戦者のヌズネンコ選手。どんどん前に出ながらリードの左フックを上下に散らすプレスでペースを握り、この左フックで初回からノックダウンを奪った挑戦者の立ち上がりは上々のものに見えました。
しかし結構ダメージのあるダウンに見えた王者だったものの、なんとか踏みとどまって出てくるヌズネンコ選手に対抗。プレスに圧されているのは明白ですが、単調なプレスに終始するヌズネンコ選手の入りに合わせる右ストレートを当ててじわじわとペースをたぐり寄せていきました。
中盤以降はペースを握ったハットン選手が序盤とは違う力のこもった右ストレートや左フックを再三クリーンヒットさせてヌズネンコ選手のプレスを抑え続けるラウンドが続き、ユナニマスの判定を得る勝利での王座防衛でした。

公式のスコアは117-110が1人、116-111が2人の3-0。シロート採点は115-112ハットン。
非常に単調に見えた挑戦者の姿勢は、チャンスで出たものの有効なヒットを奪えず、さらに相手の挽回を許すという流れも影響していたのかもしれません。試合最終盤までプレスを敢行し続けたフィジカルの強さは見事でしたが。

ハットン選手は40勝(15KO)4敗2分。ヌズネンコ選手は30勝(14KO)2敗1分。

M Hatton defeats Nuzhnenko(Karl Freitag/Fight News)
Matthew Hatton Survives, Decisions Yuriy Nuzhnenko(Alexey Sukachev/BoxingScene)
HATTON WINS DESPITE SLOW START(Phil Medlicott/sportinglife)

ユーリ・ヌズネンコ対ビチェスラフ・センチェンコ(2009/04/10)