ジェームス・デゲール対ジョージ・グローブス(2011/05/21)

英連邦・英国スーパーミドル級タイトルマッチ

2008年北京五輪金メダリストで英国王者のジェームス・デゲール選手(James DeGale)と英連邦王者のジョージ・グローブス選手(George Groves)が激突した英国注目の一戦は、グローブス選手が12回2-0判定で勝利して王座統一を果たした一戦でした。(体格比較)

アマ時代は同じクラブに所属してたこともある両者。5年前にアマチュアで両者が対戦したときにはグローブス選手が勝利していたということで、アマ時代からのライバル同士の再戦として英国では試合前からかなりの盛り上がりを見せていた試合でした。

右ジャブ、左ストレートの長いパンチを武器にプレッシャーを掛けていくデゲール選手に対し、動きながらの右ストレートリードや左ジャブ、飛び込みざまの左右フックで対抗していくグローブス選手との間でのペース争いでスタートした試合でしたが、徐々にデゲール選手のパワフルな攻撃がペースを支配していったように見えた試合。
しきりにスイッチを繰り返していたデゲール選手でしたが、有効だったのはほとんどサウスポースタイルからの攻め。遠距離からいきなりリードで出す左ストレートや距離を詰めた場面でのショートの左ストレートやフック・アッパー、左のパンチの返しで放つ右フックがグローブス選手をキャッチする場面が増えた試合後半戦。
6回に右構えからのワンツー左フックでグローブス選手を後退させ、その後に強い左ストレートリードを当てたあたりからデゲール選手の流れが明白になり、7回には左のパンチから返した右フックでグローブス選手をちょっと効かせる場面も見せます。
9回にも左アッパー・フックのボディや顔面への左フック・左ストレートなどの威力を感じさせる攻めでペースを掌握し続けます。
10回はグローブス選手が盛り返しますが、11回12回はスタミナも落ちてしまったグローブス選手にとっては苦しい流れで、元金メダリストが力強いフィニッシュを見せた最後で、デゲール選手の明白な勝利と私には映った試合でした。

しかし公式のスコアは115-114グローブスが2人、1人が115-115ドローの2-0グローブスという意外なものでした。シロート採点117-111デゲール。

試合結果を知った上で見た感想としては、デゲール選手はちと攻防両面で惜しい、あともう一押しあれば、あるいはこのパンチを食わなければ、という場面が多かった試合に感じました。ただそれでもこの判定結果はデゲール選手にとっては気の毒なものに私には感じられた試合でした。


グローブス選手は13勝(10KO)。デゲール選手は10勝(8KO)。

George Groves Shocks James DeGale, Wins Close Nod(Alexey Sukachev/BoxingScene)
George Groves stuns James DeGale to win British title(Nabil Hassan/BBC News)
DeGale should have won(Scott Gilfoid/BoxingNews24)
DeGale And Warren Cry Robbery; Demand Instant Rematch With Groves(James Slater/EastsideBoxing)

George Groves Wins Razor-Thin Decision Over James DeGale(Scott Christ/Bad Left Hook)～115-113デゲール

写真
Photos: Groves-DeGale, Cleverly-Kuziemski Mega Gallery(BoxingScene)

ジェームス・デゲール対サム・ホートン(2010/05/15)
ジェームス・デゲール対アリー・モリソン(2009/10/30)