アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

新ブログに引越!My new blog http://gayjapaneseexpat.blogspot.com/

ゲイTV

2006-06-27 14:36:29 | 映画・TV・エンタメ
イェ~イ。お気に入りのテレビチャンネルBravo(全米4大テレビ局のNBC系列)が、ゲイ番組専用のウェッブサイトを立ち上げたのだ~。その名もOutZoneTV。下の写真はこのサイトから。




まだ立ち上がったばかり風でシンプルな作りだけど、今後がとっても期待できる。だってテレビチャネルだから、そりゃコンテンツ作りにかけてはプロ。しかも、ここ数年、ゲイ番組のヒットを連発してるからなおさら期待度は高まるっていうもの。

ゲイTVと言えば、有料のケーブル番組にLogo(CBS系列)っていうのがあるけど、僕はあまり見たことがない。だって有料なんだも~ん。それに24時間ゲイ番組ばっかりを放送しているらしいけど、昔のゲイ映画を何回も放送していたりして、お金払ってまで視聴する価値があるのか疑問・・・。

Bravoは、無料のケーブルチャネルっていうところがゲイじゃない人(リベラルな女性視聴者や隠れゲイなど)も楽しめるゲイ番組を放送してるっていうところがLogoなんかよりも一層意義深い。Logoも設立当初はゲイ専用のテレビ番組っていうので画期的だったけどね。ただ有料で視聴者がほぼ100%ゲイに限られているのであまり社会現象になるほどの人気番組が作られていないように思う。

有料ケーブルチャネルといえば、「Sex and the City」を放送していたHBOや、その系列局で「Queer as Folk」を放送しているShowTimeなんかのほうがよっぽど人気のあるゲイ番組を製作している。

Bravoでも5人のゲイを起用したメークオーバー番組Queer Eye for the Straight Guyは大ヒット。今晩、ちょうど新シーズンを放送していて、Jeff B.という1年前にカミングアウトしたばかりの25歳の青年弁護士を5人のゲイがメークオーバーしてました(このサイトでは間違えてJeff B.を「Married(既婚)」としている・・・)。このエピソードは、僕も見ていて勉強になることが多かった。例えば、道端で恋人を見つける方法!すれ違いざまに目線でチェックをして、すれ違って数歩歩いたところで振り返る。相手も振り返ったら、引き戻って自己紹介するというもの。勇気がいるけど、実はとっても身近な恋人を探す方法かも。

少し脱線しましたが・・・そう、Bravoはこの他にも数年前にはゲイのデート番組Boy Meets Boyなんかも放送されました。なつかしぃ・・・。毎週欠かさず見てたぁ。新シーズンはないのかと期待しているのに、今のところないみたい。

こうした前面にゲイを打ち出した番組だけじゃなくて、Project RunwayTop Chefみたいに、無名のファッションデザイナーやシェフを集めて競争させるっていうスタイルの番組にもゲイを選んでいたりと抜かりがない。例えば、Project Runwayの第2シーズンでファイナルまで勝ち進んだダニエルとか。トップシェフでも最後の3人の一人になったデーブとか。Project Runwayのプロデューサー、アンディーは、彼自身がゲイらしいというから、ああやっぱりという感じ。

OutZoneTVのサイトでは、ゲイ・ニュースやファッション情報、ブログなんかもあって、オンライン・ゲイ雑誌の様相を呈しつつある。それに過去のゲイ番組もいくつかクリップが見られる。こうした中でもお勧めは、水着ファッションの歴史をまとめた写真ギャラリー(もう僕のテーストだから許して!)。

とにかくこれからどんなゲイテーストたっぷりなコンテンツが投入されるか楽しみ~。

上昇志向

2006-06-25 15:12:38 | 友達・ソーシャルライフ
ワールドカップ、日本は負けちゃったね。やっぱり王者ブラジルは強し。でも今回、アメリカでも意外とワールドカップが話題になって、時代も変わったもんだと感慨深い。だってアメリカには、アメリカン・フットボール、野球、バスケットボール、ホッケー、テニス、ゴルフ、などなど、人気スポーツが山ほどあって、サッカーなんて影が薄い存在(だった)。しかも外国事情にはことさら疎いアメリカ国民。ワールドカップはオリンピックよりも世界中での視聴者数が多いのにアメリカじゃまったく逆。しかも、世界じゃ「フットボール/フスボール」なのに、アメリカでは「サッカー」だからね。呼び方まで独自路線。

ちなみに、改めて、何故アメリカでは「サッカー」と呼ぶようになったのか調べてみた。このサイトによると・・・

(引用)「フットボール」と呼ばれるスポーツはいくつかあって、ラグビー、アメリカン・フットボール、そしてアソシエーション・フットボールなどがある。アソシエーション・フットボールは、アメリカ人が「サッカー」と呼ぶスポーツで、よく「assoc.」と省略される。それが転じて「soc」というスラングが生まれ、「soccer(サッカー)」になった。

へぇ~×3くらい。知らなかった。サッカーが、アソシエーションを語源にしているとは。これまで「sUccer」なんてミス・スペルすることがあったけど、これでバッチリ覚えた。

アメリカでも若者、ちびっ子の間で人気がでつつあるサッカーだけど、ちょっといただけないのがあの微妙に長めの短パン。オーストラリアン・フットボールのように、もうちょっと短くしてシャツもピッタリめのにすれば、この国でもドッと人気が出ると思うのだけど・・・。

こんな具合に・・・





それに、サッカー選手はやけに長髪が多くて、特にスペイン、ポルトガルなどラテンの国々の選手に多く見受けられる。あれもどうにかならないものなんですかね。長髪が好みではない僕にとってあれもイタダケナイものの一つなんだけど。その点、アングロの国々はベッカムをはじめ、短めにカットして前髪を立ててる人が多くてイケテル。FIFAのサイトで写真を眺めていたときも、「おぉイケテルかも」と目が留まった選手はアメリカ・チームだった。

<3番がイイッ>


* * *

そんなイケソウでイケナイ選手たちをテレビで観戦しながら過ごした週末。ちょうどオランダ対ポルトガルの試合で、汗まみれになりながらスタジアムを駆け回る選手たちを見ていて「熱い~。夏だ~(ビールだ~)」って頭の芯がジンジンしてきた。

さらにここで「夏」の気分を盛り上げる写真を・・・

これはまだまだ序の口、


これでどうだー。熱い~


走りよって鷲掴みしたくならない?特に左!


海辺の砂になりたい・・・


この水着って前から見たらヤバイんじゃないっすか?!



だけど最近、アメリカ東海岸では雷雨が多発していて雷ゴロゴロ。今週末も熱気で蒸し暑い天気で、夜中には雷ドッカーンで寝付けないくらい。さらに一部地域では停電がしばらく続いたとか。さらに雷の引き起こす弊害が、プールで泳げないということ。水が電気を伝導するというので、雷雨になるとプールが閉鎖されてしまう。そのため、水球も雷雨になるとお休み。

ジミーとの関係が冷え込むのとあわせて、水球への情熱も冷え込んでしまってかれこれ3ヶ月。そんな僕には雷雨なんて関係ないって思うのだけど、最近また戻ってみようかなと思い始めた。あんなに極寒の中をプールに通い詰めていたのに、いざ夏になって足が遠のくなんて皮肉すぎる。最近、マイケルから、「また水球に戻っておいでよ」と励ましの言葉をかけられたということも僕の背中を後押したことの一つ。

水球メンバーにはバレバレだった僕とジミーの関係。だけど誰にも具体的な話はしていない。マイケルにも、僕がジミーと付き合ってるとかどういう関係になってるとか一切話はしていなかった。だけど数ヶ月間が空いたこともあって、僕から、

「実は僕とジミーは付き合ってたんだけど、別れたんだ」と告白した。

「うん、それはみんな知ってるよ」という肩透かしの返事。もっと驚いてくれるのかと思っていたのに。

「えぇ?なんで知ってるわけ?」

「別れたっていうのを聞いたから」

「誰から?」僕の声はちょっと大きくなってたかもしれない。僕とジミーの関係を詳しく知ってる人なんていないはずだし、マイケルに僕らの詳細な関係を話す人なんて思いつかない。

「ジミー本人からだよ。タイが練習に戻ってこないから、『なにかあったの?』ってジミーに聞いたんだ」とマイケル。

「なるほど・・・。ジミーから聞いたんだ・・・。ま、そういうわけで、僕も練習から足が遠のいてるんだ」と、僕らの情報が、意外な、だけど当然のところからリークされてたのを妙に納得しながら応える僕。

「ジミーと別れて、なんで水球の練習に来たくないわけ?ジミーに会いたくないから?」

さらに深い質問をしてくるマイケル。確かに、論理的にはジミーと水球はまったく別物なわけで、僕もジミーに誘われて水球に行ったわけじゃないから、ジミーと別れたからって遠慮する必要はない。だけど、やっぱり水球メンバーには僕らの関係がバレバレだったわけで、しかも別れたっていうのもバレバレなわけで・・・。水球の練習に参加し始めてすぐにジミーとそういう関係になったっていうのも後ろめたい理由の一つ。

そんな僕なりの理由をマイケルに説明しながらも、「また戻っておいで」と言ってくれたマイケルに感謝。今度は、男目当てじゃなくて友情目当てで水球練習を再スタートす・る・ぞ!それにジミーに出会ってもクールに振舞う心の準備もしとかないとね。それでもって、さらに鍛え上げた身体と新しく買った水着をジミーに見せ付けて「逃がした魚」がいかに大きかったか思い知らせてやるっっぅ。(こればっかりは成長しません・・・)

一方、僕のラブライフはというと、アンソンっていう人とオンラインで出会ってデートをしようかどうかというところ。アンソンは、ここ5ヶ月ほどつきあっている恋人がいるらしいのだけど、その彼はイスラム教徒で絶対にカミングアウトしない決心をしてしまっているとか。家族だけじゃなくて友達にも「アウト」しないらしく、アンソンはそんな彼の「ダーティー・シークレット」。そんな状態に嫌気がさして、新しい恋人を見つけることにしたらしい。今週末、僕が、「じゃ、コーヒーでも?」と誘ってみたのだけど、まだ恋人に別れ話を告げてないらしく、

「S(恋人のイニシャル)と別れるまでは、他の人とパブリックな場所では会えない。来週中に別れるつもりだから、それまで待ってて」と言われてしまった。

これって、複雑な関係になりそう?ま、期待せずに"let's see what will happen"。アンソンも写真でしか見てないから実際に会ってみないとどんな人か分からないしね。


来週と言えば、来週末はアメリカ独立記念日で4連休だよぉ~。まじで夏本番じゃん。7月4日には打ち上げ花火だしぃぃぃ。ロマンチックすぎるぅぅぅ。それに近場でいいから2泊3日くらいの小旅行にも行きたい季節。お金かかっちゃうけど、息抜き/気晴らしも必要。

ちょうど、年利4.25%のING銀行に貯めてたお金を、最近新たに年利4.75%のe-Savingsをはじめたシティー・バンクに移し替えてみた週末。(こういう小手先のエサにすぐ釣られちゃうタイプ・・・。)だけど最近の株価暴落ぶり&国債の下落で1,000ドル単位で投資額が目減りしていることを考えると、元金割れのない貯金に走ってみたくなるというもの。恋愛はいくらリスクがあっても大博打を打つタイプなんだけれどね。

だけど貯めるより使う方法も考えなくちゃと最近殊に思いますよ。貯まる喜びより楽しく使う喜びのほうが人生にとっては大切なんじゃないかと。シングルってデートしない分お金は貯まるけど、幸せを呼ぶお金の使い道が減るっていうのが悲しい。早くシングルを返上しなくっちゃ。

つながり

2006-06-18 15:12:37 | ゲイ事情
Nextを求めて、さまよってみた週末。夏本番って感じで気温は急上昇したのに、それとは反比例して僕の気持ちは落ち込み気味。

先週末、僕らとの夕食を断って一人帰って行ったジミーに対して募るイライラ。期待していないつもりなのにやっぱりどこか期待している証拠なんだと、認めざるをえない。気持ちを変えるには、行動を変えていくことというのをどこかで読んだ記憶から、今週末はジミーとの映画を(少なくとも僕からは)切り出さないことにしてみた。そうしたら案の定、ジミーからは音沙汰なし。またもや募るイライラ・・・。自分でまいた種、自業自得、因果応報?


だけど金曜夜は、頑張って一人ゲイ・バーに行ってきた。タバコ嫌いということやお酒をあまり飲まないこともあって、ゲイ・バーはあまり好きではない僕。それに20代前半にあまりに多くの週末と貴重な時間をゲイ・バーに浪費したせいで、ここしばらくは足が遠のきぎみ。(といいつつ、先週末は友達とゲイ・バーへ繰り出していましたが。)

この晩、自然と足が向かったのが、昔、ルークがバーテンダーをしていたお店。やっぱり気持ちがどこか後ろ向き。ジミーを忘れるために、過去の男の記憶にすがってる――


このお店のバーテンダーも様変わりした。今晩はじめて目にするスパイク・ヘアーのジョック系バーテンダーに、「ジンジャエールください」とお願いした。ノン・アルコールを注文するお客は少ないのか、それとも店内のノイズのせいか、一度では聞き取ってもらえない。

「え、何?」と聞き返すジョック・バーテンダー。

「ジンジャー、エール」と小分けにして差し出された彼の耳元で繰り返す。すると

「オーケー」

という返事で、ビール用の小ジョッキにたゆたゆとジンジャー・エールを注いでくれる。ジョッキの端にはライムを挟んでくれた。

カウンター越しにそのジョッキを僕に手渡しながら、スパイクヘアーのジョック・バーテンダーは、頭を左右に振りながら、「イッツ・オーケー」とのこと。ソフトドリンクなので2、3ドルの微々たる料金だけど、それでも無料にしてくれたことがほのかに嬉しい。とりあえずチップは1ドル手渡してサンキューのお礼を言った。

暑い中を歩いてきたせいでジョッキの半分をがぶ飲み。お腹がタポタポになりながら、ミュージック・ビデオのクリスティーナ・アギュレラを見て楽しむこと十数分。今晩は客の出足が遅い模様で2割くらいしか埋まっていない店内で、突然、僕に話しかけてくる人あり。それは20代の集いで見かけたことがあるコーリーとクリスだった。

先週末のプライド・デーの最中、マラソン・グループの勧誘をしていたコーリーにばったり出会って話込んだところだった。20代の集いのときには別々のグループでつるんでいたこともあって、一度も会話したことがなかったのに、話をしてみるととても良い人。この晩もコーリーとは話がはずんだ。

マラソン以外に、ゲイのコーラス・グループに参加しているとか、個人のボイス・トレーニングを8年間受けているとか。(そのコーラス・グループのドンが、なにを隠そう、ジミーの友達のジョン!意外なところでつながっていた僕たち。)

そして、ここ2ヶ月ほどご無沙汰していることを伏せながら、僕は水球チームに参加していることを言った。それに対してコーリーは興味津々の様子。僕と同じく、ゲイの水泳チームにコーリーも興味があるというし。コーリーとその友達のクリスも、20代の集いにはもう1年近く行ってないことも、僕らのあいだで親近感が沸いた一つの原因だった。


この後、場所を替えてラウンジ風バーへ。コーリーが知り合いというバーテンダーにドリンクを注文したら、3人全員に無料ドリンク券をくれた。しかもサービスがよすぎて、僕のジントニックはジン5割、トニック5割。コーリーとクリスのドリンクもアルコールが強すぎって感じだった。だけどカクテルのアルコールの強さは、バーテンダーさんの愛情の表れ。僕らはありがたく、チビチビと飲んだ。そしてもつれそうな足でダンス・フロアへ移動。ミラーボールのキラキラの下、僕らは酔った頭でリズムを必死に追いかけながら踊った。

そして深夜1時を回った頃、僕が「もう帰る時間だから」とコーリーの耳に伝えた。

「えーもう帰るの?まだ早い(アーリー)じゃない?」

「そうだよ。アーリー・モーニングじゃん」と言う僕。

「じゃ、また今度つるもうよ。電話番号は?」

僕らは大音響に揺れるダンス・フロアで電話番号を交換し、ハグして別れた。

コーリーはいい人。だけど、残念ながら僕のタイプではない。だけどコーリーも僕に対して友達として興味を持ってくれるんじゃないかなぁと、淡い期待を抱きながら家路へとついた。

* * *

翌土曜日は、これまたゲイ・パレードで半年ぶりに偶然再会したラトビア人のセルゲイとランチかコーヒーでもという話になっていた。そもそも、僕が水球を始めるきっかけになったのが、何を隠そうこのセルゲイ。去年のゲイ映画祭でばったり再会したセルゲイの紹介でマイケルに出会い、マイケルが僕を水球に誘ってくれた。

人間関係って不思議。どこでどうつながっているか分からないけど、確実にどこかでつながっている・・・。去年の10月の映画際でセルゲイと再会しなかったら、そしてマイケルに出会わなかったら、僕はジミーと出会うことはなかった。そして今の自分もいなかった。一期一会とはよく言ったもの。

だけどセルゲイは、僕との約束を忘れてしまっていた。メールのやり取りでは、「僕、今シングルだから」なんて調子のいいことを書いておいたくせに、約束自体を忘れてしまっているふとどきもの。土曜の夜、セルゲイから謝りの電話がかかってきたときはイライラを少しぶつけてしまった僕。

「アー・ユー・アップセット?」

ラトビア訛りのとぼけたセルゲイの声を聞いているとなんだか怒っている自分の方が悪い気がして「ううん、もういいよ」と許してあげた。

それにセルゲイは知らないけど、僕はセルゲイのおかげでジミーに知り合って貴重な体験をすることができたわけだし。人とのつながりって本当に大切にしないといけないなぁって思った。そのときは分からなくても、数ヵ月後、数年後に振り返ってみて、「あの人とのつながりがなかったら人生変わっていた」って思うことが、またきっとあるに違いない。


(これは最近ネット・サーフィンしていてみつけたイイ男。もろど真ん中のストライク!こんな人ともいつか出会えることを祈って・・・)

■ ■ ■
人とのつながりと言えば、最近、仕事場の上司から「いい人がいるんだけど」と声をかけられてしまった。もちろんその「いい人」というのは女性。やっぱりこういうところでゲイは損だなぁ~って身に染みて感じた。ゲイじゃなかったら、こういう仕事つながりで知り合うことがあるのに。両親や家族から紹介されるってこともあるだろうし。だからこそ、ゲイは色んな社交場に進出して友達や知り合いの輪を広げる必要があるんだよなぁ~。

Next!

2006-06-10 14:36:57 | 映画・TV・エンタメ
ずっと前、このブログで書いた僕の心の叫び「Next!」がテレビになった。

これまで、ブラインド・デートを重ねて、「今回はイケルかも?」なんて一人で思ってみても、相手がまじめな付き合いに乗り気じゃなかったり、浮気性だったり、性格に問題があったりして可能性がないことに直面したとき、救いを求めるかのように僕は心で「Next!(次!)」と叫んでいた。つい数週間前も、そんなデートを繰り返していたところ。それがテレビ番組になっていた。

平日の深夜1時を回っているというのに、部屋の電気を消してベッドに横になりながら、テレビを眺めていた僕。あまり見ないMTVのチャンネルに回したとき、デート番組が流れていた。

その時は、25歳のカッコいいジョック系の青年が、5人の女の子と一人づつデートをするというものだった。(なんで僕がこの番組に目が留まったのかバレバレ。)デート中、こいつとは気が合わない、とか、タイプじゃない、と思った時点で「Next!」と言うと、デートはそこで終了というルール。デートした時間に合わせて、相手には現金が渡される。例えば、50分デートしたら50ドルという具合に。そして、もし2回目のデートをしたいと思ったら、その時点で今回デートした時間分の現金を受け取るか、2回目のデートをするかの選択を相手に求めるというルール。一人の女の子が同じように5人の男性と一人づつデートをするパターンも放送されていた。

みんな18歳~25歳くらいまでで、女の子なんかはデートの相手を一目見た瞬間に容赦なく「Next!」なんて叫んでる人もいた。それを見ながら、やっぱりみんな同じことを考えてるんだぁ~と思う反面、「Next!」なんて簡単に相手を切り捨てるようなことをできるのも若いうちだけ、なんて思ったり。だって、とても素敵な男の子なのに、野球のファンじゃないっていうだけで「Next!」って叫んでいるブッシュ好きの女の子とかいたからね。そんな強気でいられるのも若さの証拠。

知らないっていうことは恐ろしいことだけど強いことでもあるよね。僕なんてそろそろ「Next!」を頻発するお年頃を過ぎつつあるし。身の程をわきまえた行動をしないとと思うこのごろ。だからというわけではないけれど、先週末、ジミーと『X-Men』を見に行った時、3ヶ月以上ぶりにジミーとまた関係を持ってしまいました。でも、ジミーは最初からその気だった模様。だって、映画を見に行くのに、「とりあえずうちに来ない?」っていうこと自体、不自然。ま、それに応えてのこのこ行く僕も僕ですが・・・。

僕は昼ごはんを食べてなかったから、途中でファラッフル(チックピーをフライにしたギリシャの食べ物)のサンドイッチを買ってジミーの家に行った。一人、ジミー宅のキッチンでグレープフルーツ・ジュースと一緒に食べていた傍で、ジミーは椅子に座るでもなく、僕の隣に立ちっぱなしで僕が食べ終わるのをじっと眺めていた。食べ終わったら、今度はジミーのネコたちがくつろぐ寝室へ。2匹ともベッドの上で気持ち良さそうに横たわっている。僕も思わずベッドに横になってネコとじゃれあう・・・そこにジミーが入り込んできて、僕を後ろから抱きしめる、、、っていう、ま、すべて計算されつくされてたなと。

だけど、僕らの関係はまだ完全に軌道に乗ったわけではない。この日だって、映画が終わった夕方に僕らは別れたし。それ以降、平日にジミーからは一切連絡がないし・・・。

それから一週間後の今日、実はプライド・パレードがあった。ジミーは用事があるっていうので行かないといっていたのに、パレードが始まる1時間前に突然電話がかかってきた。結局、予定を変えてパレードを観ることにしたからというので、一緒に見ることになった。もともと僕が一緒に見ることにしていたジェームス、ボブ、ショーンと合流して5人で観覧。その後、みんなで夕食を食べに行こうとした段になって、ジミーは一人、「僕はこれで帰る」と言っておさらば。もう彼の思考が読めません。かといって「Next!」とも言えない・・・。

X-Men: The Last Stand

2006-06-04 16:58:25 | 映画・TV・エンタメ
メモリアルデー前後から、湿った南からの空気が入り込んだ東海岸一帯は、雷雨とジメジメした蒸し暑さに覆われた1週間だった。それが過ぎ去り、ほっと休まるすがすがしい、むしろちょっと肌寒いくらいの土曜日、久しぶりにジミーと映画を見に行った。今回見たのは『X-Men: The Last Stand』。

街角のいたるところで白い羽の生えたブロンドの青年が、上半身裸でひざまずくポスターが貼られ、そのゲイテーストをそそるデザインに、それが映画のポスターということも知らず好奇心だけが高まっていた。それがX-Menシリーズの新作映画のポスターだと知ったのはそれからしばらくしてのこと。

 僕が毎朝通勤の途中で目にしていたポスターとは違うのだけど、こんな感じのポスターだった。

最初にこのポスターを街頭で見かけたとき、「新手のビクトリアズ・シークレットの広告?」なんて思ってしまったのは僕だけ? 一時期、女性下着ブランドのビクトリアズ・シークレットが天使をモチーフにしたイメージ戦略を掲げてたのは記憶に新しい。僕の通勤経路にはビクトリアズ・シークレットのショップがあって、このX-Menのポスターもそれと同じブロックのバス停に貼られていた。意図的としか思えない。

  

それにしても、こうして並べてみるとパロディーとしか思えない。マッチョ文化の象徴であるアクション・ヒーロー漫画のキャラと、乙女文化の粋ともいえる女性下着広告が、こうも酷似しているというのは偶然じゃないでしょう。マッチョ文化にも脈々と流れる自己愛やナルシシスティックな美意識は、夢見る乙女としょせん一緒。「男」はそれを認めたがらないんだけどね。その無骨な「男らしさ」とは相容れない美意識をはなっから自己矛盾することなく追求しているのがゲイってなわけで。ゲイをモチーフにしたX-Menのキャラクター・デザインが、ビクトリア・シークレットの広告と酷似しているというのもそう考えると納得できるわけですわなぁ。 

 

 

コミック版のエンジェルのほうがマッチョ。

このエンジェル役の俳優は、ベン・フォスターというらしい。主役のヒュー・ジャクソン を差し置いて一人ポスターに出るくらいだから、今回の映画の中で主要キャラクターに違いないと思って期待しながら映画を見ることに――

やっぱり映画は見る前に期待してはダメだね。あれだけ街角を飾ったポスターだったのに、映画の中では主要どころか端役もいいところ。このエンジェル・ミュータントの父親のほうがよっぽどストーリーに重要な役割を担っている。

今回のエピソードは、製薬会社がミュータントを「治癒」して正常な人間に戻す薬を開発するという事件を中心に話が流れるのだけど、その製薬会社の社長が、このエンジェル・ミュータントの父親というわけ。 だけど、映画自体はABCD段階の「B」くらいでグーだった。特にゲイにとっては・・・。

例えば、この父親が、自分の息子がミュータントであることを知ってしまうシーンが挿入されている。

 * * *

 ――洗面所で一人、血まみれになりながらナイフや包丁で背中の辺りを切りつけている10歳くらいのブロンドの少年。洗面台の大鏡の前で泣きそうになりながら、どうにか背中の異物に手とナイフを伸ばそうとする。すると突然、父親が洗面所のドアをノックする。

「おい、おまえはそこで1時間も何をやってるんだ。大丈夫なのか?」

 「う、うん、大丈夫」

そう慌てて答えながら、この少年は血まみれになったサバイバル・ナイフや包丁、血のにじんだ布切れが散乱した洗面台を片付けようとする。だけど焦るあまり、物音を立てるばかりで片付かない。

それを聞きつけた父親が、

「おい、そこで何をやってるんだ。鍵を開けろ」と言って、強引に洗面台に入ろうとする。

洗面所のフック状の鍵は父親によって強引に壊され、父親が中に入ってきたときに目にしたのは、床に散乱した白い羽毛と、血まみれのナイフ、そしてその中で泣きながら立ち尽くす少年、、、その背中にはもがれた羽の付け根がわずかに残っていた。

「まさかお前がそうなるとは・・・」と困惑した顔で漏らす父親。

 「ゴメンなさい・・・」と泣きじゃくりながら謝る少年。

* * *

 これって、まさにゲイ雑誌片手に洗面所にいるところを父親に見つかったゲイ少年のシーン。好きでミュータントになったわけじゃないのに、ミュータントとして生まれてしまった自分を父親に対してゴメンなさいと謝る姿は、ゲイに生まれてしまった自分を責める僕らの少年時代を象徴していた。

ご存知の人も多いと思うけど、X-Menシリーズの映画監督、ブライアン・シンガーは彼自身がゲイで、「思春期にその特徴が現れ始めるミュータントの少年少女たちが、両親や一般社会から差別され、自分の運命を呪う・・・」というX-Menのコンセプトにゲイの辿る運命を強く重ね合わせて映画化している。 

今回の第3作では、アメリカの政府にも「ミュータント総務省」なる機関が設置されて、毛むくじゃらのミュータントがその長官も勤めるほど社会にミュータントが浸透・認知されているという状況設定。だけど、ここまで認知されたミュータントを「治癒」する薬が開発されたということで、ミュータントの間でも分裂が起きる。「ミュータントは『治すべき』病気じゃない」というセリフも聞かれたり、それでもなお、ミュータントである自分を嫌って「普通の人間になりたい」と思うミュータントもいたりする。

これを見ながら、「もしゲイをストレートにする薬が開発されたら、僕はどうするんだろう?」と考え込んでしまった。 映画を観終わった後、ジミーに、

「ねぇ、ジミーだったら、ゲイを治癒する薬が開発されたらどうする?」と聞いてみた。すると、さすがの理詰めのジミーにも難しい質問だったらしく、正面切っての回答は聞けなかった。映画の中で、悪役ミュータント、マグニートを演じるイーアン・マケランも薬を打たれて普通の人間になってしまう。だけど、最後のシーンで、わずかにミュータント・パワーが残っている(?)ような意味深なシーンが挿入されていた。

ジミーはそれを引用して、「ゲイすぎると薬も完全には効かないみたいだね。きっと、映画の中で出てきた薬は不完全で、一時的にしか効かないとかいう設定じゃない?」というジョーク交じりの変化球の返事だった。(イーアン・マケランは完全にカミング・アウトしてます、はい。)

【おまけ】 X-Manが上演される前に公開間際の新作映画についてコマーシャルが流れていた。その一つで気になる俳優を発見!映画名は『Tokyo Drift』というもので、夜の東京で地元暴走族(?)とカーレースをするアメリカ人青年の話(多分・・・)。

映画自体はだろうけど、主演を張るこの俳優ルーカス・ブラックはイ・ケ・テ・ル。(誕生日は1982年11月29日で23歳!)