自然農法の実証試験 4年間の取り組みのまとめ(2007年~2011年):
<記事を見直し、不具合を訂正しました:2017年9月12日、初稿:2014年7月26日>
<はじめに>
88坪の家庭菜園(水戸)は福島原発事故で放射能汚染されたため、やむなく中止している。
放射能汚染の無い九州、中国、四国、関西地方の家庭菜園家でエコロジーに関心のある方には自然農法はお勧めです。家庭菜園の除染の様子などもこれまでYouTubeに詳しく投稿してきました。
これまでの取り組みをブログにまとめました。
向日葵やソルガムによるファイトレメデイエーション除染は全く効果がなかった! 逆に、表土を除去し、不耕起・無肥料・無農薬で栽培した向日葵やソルガムがいかに繁茂してるかその様子をYouTubeで御覧下さい。改めて自然農法の素晴らしさを実感していただけると信じます。
自然農法の一連の実証試験から得られた結果は、完全な無肥料・無農薬・不耕起 &草生栽培(冬から春はマメ科の赤クローバ、夏から秋はマメ科のクロタラリアを共生植物とする)でも、太陽エネルギーのみで作物の栽培が可能であることである。
自然農法の創始者 福岡正信氏は偉大であった!
「技術的な問題ではないんです。無農薬で、無肥料で、農機具を使わなくて、無公害の食品を作れといえば、現在では出来ないことはないのであるが、それをやったら一番困るのは農協なんです。農協がつぶれてしまう。農協は肥料と農薬と農機具を売って、それによって繁栄しているんです。」(福岡正信氏)
福岡正信さんは「わら一本の革命」のなかで、「どの宗教にも属しておりません。お山の大将、一匹オオカミで終わる男でしょう。しかし、それでかえって、どこで誰がどんなことをやっているのか、よくわかります」と、前途を絶望され、晩年は宗教哲学へ傾斜されたようです。福岡さんは、カエサルのいう「現実のすべて」が見えてしまった不幸な思想家と思います。吉田松陰のように、優秀な門弟=戦略家・高杉晋作/坂本龍馬、実務家・伊藤博文に恵まれなかった。福岡さんに触発された、岩澤/木村さんは共に優れた実務家ではあるが、戦略家は出てこなかった。
自然農法による野菜は、例えば人参ではあの特有の臭みがなく、上品な味がするため野菜嫌いな人でも食べられる。また、耕やさないため、作物の成長は場所により不揃いとなるので、一時期にたくさん採れず収穫時期が長くなり、家庭菜園には好都合である。
自然農法はその土地で育った、雑草に負けない野生種の種を用いて初めて成果が得られるものである。種苗メーカの開発した種子は、過保護(ふかふかの土、肥料、農薬)の下で一斉に均一に揃った作物を収穫する生産者向きに開発されている。野生種の種は入手できなかったので、作物が雑草に負けないように黒マルチングを併用した。そのため、雑草地に直接種を蒔いて育てる本来の自然農法(福岡正信氏)とは違った取り組みをした。マルチングはしているが、不耕起・無肥料・無農薬には変わりはない。比較実験のため、別畝で従来の慣行農法も実施している。収量比較から自然農法の特徴がつかめると考えた。
原発事故により関東、東北の自然は破壊されてしまった。私自身も2011年3月15日、放射性プルームが水戸上空を通過しつつあることを、インターネット(茨城県モニタリングポスト)で知りながら、知人の葬儀のため、一番空間線量率が高い(1.5μSv/h程度と推測)7時半から一時間半余り簡単なマスクを付けてやむなく戸外にいた。その時の放射性ヨウ素の被曝から翌年の春、6kgの体重減少、頻脈、声が出にくくなるなどの甲状腺機能異常の症状が出た。一年後の昨年5月、人間ドックで甲状腺機能亢進症と診断された。(私は研究のため東海村原子力研究所の原子炉JRR-2で放射化した放射性同位元素を扱い、3mSvの被曝を経験している放射線作業従事者でもあるので、被曝問題は人一倍関心が深い)
NHK、マスメディア(中でも事故直後からの読売新聞の風評報道は酷い!)は御用学者を使って被曝の影響は無いと、事故の影響を風化させようとしているが、チェルノブイリ原発事故の経験から、
この数年で甲状腺ガンなどが急増する時期を迎え、水俣病の再来(因果関係が証明できないため原因不明として患者は永らく放置された)となることを大変危惧している。
自然農法は、豊かな自然があってこそ成り立つゼロ・エミッション型の究極の農法である。残念ながら私の住む地方は放射能汚染されてしまい、農業資材の購入の際は放射線測定器(堀場製作所シンチレータ方式Radi)は手放せない。畑はRadiで測定を繰り返し、これまで表土を3回除去、土嚢に詰めてブロック塀沿いに積みあげ保管している。
事故後3年4ヶ月経過の現在、畑表土の放射線線量率は原発事故前と同じ水準の0.05μSv/h程度、隔離した土嚢・排土の盛り山は0.2μSv/h~0.4μSv/h程度である(一部訂正 2014年7月26日)。
春一番などの風で巻き上げられた土埃や、最近判明(2014年7月23日)した原発建屋カバー解体とがれき撤去作業で放射性物質飛散 1兆ベクレル超、原発から20km離れた水田で収穫されたコメから100Bq/kgを超える放射性セシウムが検出されるなど(下記に再掲)、予期せぬ再汚染があるので、残念ながら、この畑で自然農法を再開する目処は立っていない(一部追加 2014年7月26日)。
なお、自然農法ナウとして、"twitvideo"に投稿した多数の動画・静止画が再生できなくなっているので、その内容を見直し差替えた。
<目次>
1. Livedoor ブログから
自然農法に関する一考察(その2)
自然農法に関する一考察(その3)
自然農法に関する一考察(その5)
自然農法に関する一考察(その6)
自然農法ナウ 総集編(1)
自然農法ナウ 総集編(2)
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140723/k10013231491000.html
がれき撤去で飛散 1兆ベクレル超と推定
東京電力福島第一原子力発電所で、がれきの撤去作業で飛散した放射性物質が福島県南相馬市の一部の水田を汚染したおそれがある問題で、東京電力はこの作業で1兆ベクレルを超える放射性物質が飛散したとの推定結果を明らかにしました。
去年、福島第一原発から20キロ余り離れた南相馬市の一部の水田で収穫されたコメから、国の基準の1キログラム当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出され、原因の1つとして、去年8月に3号機で行われたがれきの撤去作業で飛散した放射性物質が風で運ばれたおそれが指摘されています。
この問題に関連して、東京電力は飛散した放射性物質の量が1時間当たり2800億ベクレル、全体では1兆1000億ベクレルに上るとの推定結果を23日開かれた原子力規制委員会の専門家会合で示しました。
福島第一原発では、現在も1時間当たり平均で1000万ベクレルの放射性物質が放出されているとみられていますが、今回の推定結果はがれきの撤去作業で飛散した放射性物質の多さを改めて示しています。
福島第一原発では近く1号機でもがれきの撤去を行うため建屋を覆うカバーの解体を始める予定で、確実な再発防止策と地元への説明が強く求められています。