カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

南仏の夏休み(4)~アンティーブ

2013-07-25 23:58:30 |  └・フランス
カーニュ・シュメールから電車にのって
海辺の町アンティーブへ移動。

ピカソもアトリエを持ったこの町は
海辺の伸びやかな空気に満ちている。

プロバンス市場発見。


お野菜、くだもの、ハーブ、チーズ、オリーブ、、
どれも美味しそう~

市場内で行列を発見。
何かを釜で焼いてるみたいだけど、何だろう。
でもいい匂い~
ハーメルンの笛ひきの子供のように、つられて並んでみる。

焼いていたのはひよこ豆のクレープ。
香ばしいいいかおり。
日陰の階段に座ってお昼休憩。
ひよこ豆を使った料理はイタリアでもよくある。
なんとなく素朴なぽってりとした味の想像をしつつ食べたら、
あれ、なんだろう、とってもおいしい!
ひよこ豆だけじゃなく、チキンスープ的な出汁が入ってるのか
とっても味わいが深い。
そして、かけてあるプロバンス名物のハーブ塩がとってもいいかんじ。
へ~、なんだかいいもの見つけちゃった。

建物の間を抜けてくる海風に
心地よく吹かれている昼下がり。

ピカソ美術館へ。

ピカソのアトリエ跡に作られた美術館。
真っ青な海に臨む建物は、
海の輝きをいっぱいに吸い込んで、
ひとつの大きな光のようになって、
柔らかに、影なく照らす。
そこに集められた美術作品もすばらしく、
本当に満たされた時間を過ごした。

すっかりこの町が好きになった。
この町の光が好きだ。
青い海に反射して飽和した明るい光は
影のない不安定な浮いているような空間を作り出す。
不安定な中にいて安心する矛盾は
その不安定さが私の心と同化するからなのか、
それとも人が生まれた闇に似ているからなのか。


たくさんの町を旅してきたけど、
また帰りたい、そう思った町はそんなにない。
ここは、ここにはまた戻りたい。


観光客を除いてしまえば、何もない小さな港町。

それでもやっぱりいつか戻ってきたい。

その満ちあふれた光があるかぎり。

宿をとっているニースに戻って夕飯。
普段なら何か買って宿で食べるのだけど、
食事するスペースもない共同部屋の安宿、
仕方なくその辺のカフェで夕飯。
すっかり気に入ってしまったニース風サラダと
どうやらこの地方はロゼワインが主流だと、
町歩きの末、学習したので、今夜はロゼワイン。
意外にドライできりりと冷えた感じが夏の海辺にぴったりで。

独り酒をようやくできるような大人になった私は
まだ熱を帯びた夕暮れの海風に吹かれながら、
間もなく来る齢四十の誕生日をぼんやり思っているのでした。

南仏の夏休み(3)~カーニュ・シュメール

2013-07-25 22:44:05 |  └・フランス

翌朝、早速迷子になりまして、
彷徨ったあげくにようやく着いたカーニュシュメール

丘の上の町。


たくさんの印象派の画家に愛されたこの町は
その角を曲がる度に美しい景色が現れる。


かつて画家たちが目を輝かせて見つめた光を
ファインダーを通して眺める時
私の胸は大きく高鳴る。

この村の美しさは特別ではない。
それはここで暮らす人の穏やかな幸せが映すもの。


花に毎日水を注ぐように、
そっと注がれる家族への思いやり、
そうやって紡がれる日々の幸せ。


村の一番上の広場についた。

そこから見渡す景色は
どこまでも晴れ渡っているのでした。