LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (2)-2

2007-11-18 | THE 00'S CINEMA
先週から放映が始まったこのドラマですが、
これまでフランス語盤DVDで推測しながら鑑賞していた部分が明らかになるにつれ
改めてこのドラマがよくできていることに感心させられています。

粋な台詞のやりとり、共演者たちとのうまく合った呼吸、
さらにドロンさんの見せるクールな刑事の演技の復活は
見事としか言いようがありません。

前作の『刑事物語』はもともと原作小説があるなかでの
ドロンさんのキャラクター設定だったわけですが、
今回は完全なオリジナル脚本で、
ドロンさんのイメージを忠実に再現しようとする
製作者たちの試みは非常に成功しています。

比較するのもどうかとは思いますが、
『刑事物語』の主人公ファビオ・モンタルは、
もともと生まれ故郷のマルセイユにしっかりと自身の生活基盤を築き上げ、
部下や友人たち人脈にも十分恵まれていた設定でした。
マルセイユの青い空と海の下、陽気な刑事であるファビオ・モンタルは
これはこれで魅力的な刑事像をドロンさんは作り上げていました。

一方の『フランク・リーヴァ』は潜入捜査官という宿命に人生を翻弄され
周りの人間との接触を一切断ち切ったまま故郷のパリに舞い戻ると言う
非常にドラマチックな設定をまず作り上げたことが
この脚本の第1の成功要因です。

ここに過去に愛しあった恋人との再会を絡め、
さらには潜入捜査中に知り合ってしまった別の恋人の悲しい最後や
その彼女との間にできた娘をその元恋人が育てていた事実など
複雑すぎて難しくわかりにくい設定ではありますが
演じているドロンさんの実人生に関連付けて考えていくと
全く違和感の無いものになってしまいます。

さらにその恋人を演じるのがミレイユ・ダルクというのも
あまりにもぴったりはまりすぎていて
画面を観ていると現実と虚構の世界の区別がつかなくなります。

また舞台となる冬のパリのロケ撮影による町並みの風景の美しさも素晴らしく
そこでコートを着たドロンさんの「歩く演技」もたっぷりと楽しめます。

まだまだドラマはラストまでドラマチックに展開していきますので、
ドロンさんのファンにとっては至福の期間が年末までしばらく続きます。

---------------------------------------------------------------

『帰らざる夜明け』『個人生活』『未知の戦場』でドロンさんとコンビを組んだ
ピエール・グラニエ・ドフェール監督が昨日お亡くなりになったようです。
80歳だったとのことです。
また一人ドロンさんゆかりの映画人の悲しいお知らせとなりました。

http://www.radio-canada.ca/arts-spectacles/cinema/2007/11/17/001-deces-granier-deferre.asp

Comments (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Asterix aux Jeux Olympiques | TOP | 訪中キャンセル »
最新の画像もっと見る

10 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは~ (徳丸虎龍)
2007-11-18 23:14:53
引き続きTB&コメントありがとうございました。それにしても、わ~、アランくんの写真がいっぱい!いや~んステキ、男前、カッコイイ~☆(←毎回こんな反応でスミマセン…)

このドラマ、何つっても年末まで毎週楽しめるというのがとっても嬉しいです。チェイサーさんはDVD鑑賞済みとの事ですから、結末もご存じなワケですね…。アランくんはともかくとして(笑)、私のセドリックがどうなるのか、ドキドキしながら見守りたいと思います…。殉職とかしなきゃいいけど…。
返信する
2週目終了! (ジュリアン)
2007-11-20 19:35:12
なんとか見逃す事なく2週目終了!
ひと通り観終わってから記事にしようかなって
考えてます。テーマ、これでもかというぐらい
流れてますね。いい曲です。
ホントなかなか見どころ多い作品で
女優陣の頑張りが凄いし、セドリックいい芝居です!
このコンビ、観てて楽しませてくれます!!

ドフェール監督亡くなったんですか。
全く知りませんでした。ドロンとの作品は
どちらかと言えばシブめの作品ばかりでしたが
サルドの音楽はどれも絶品でしたね。
今回の『リーヴァ』のジュリエット 『未知の戦場』
のハーモニーと雰囲気被ります。
返信する
徳丸様 (チェイサー)
2007-11-20 23:49:15
虎龍様はコタツとお読みするのですね。
ストレートな文章ともども面白いです。

私は結末まで観ましたが意味不明な部分も多くあり
今回の字幕放映は実質初めて見るのと変わらないです。

次回は1週飛んで29日ですね。楽しみです。
返信する
ジュリアン様 (チェイサー)
2007-11-20 23:54:45
主題曲の旋律は近年のドロンさんの作品の中でも
最も印象に残る曲ではないかと思います。
作曲者は監督の息子さんのようです。

『未知の戦場』のハーモニーの悲惨なラストは
今でも私の頭の中でトラウマになっています。
でも見た目は確かに『リーヴァ』のジュリエットに似てますね。 
返信する
毎週楽しみです (Astay)
2007-11-24 03:28:04
チェイサー様
お久しぶりです
私も『刑事フランク・リーヴァ』毎週楽しみに観ております
今週はお休みで残念でしたが・・・
チェイサー様は仏版のDVDをお持ちなので結末も知っておられるのですね
どうなるのか私はハラハラですが
wowowの番組表に6話の予告がちらっと書かれていましたが
見ない方が良かったかなと思ってます
でも、今後のリーヴァ刑事の活躍期待したいです
返信する
再びです・・・ (Astay)
2007-11-24 13:24:59
チェイサー様
昨夜の段階ではTBが反映されてなかったので書きそびれましたが
TBさせていただきました(v_v)
放送を観ての簡単な感想しか書いてないので躊躇してましたが
ま、これが私の限界かと思っております
返信する
Astay様 (チェイサー)
2007-11-24 23:56:42
コメントとトラバありがとうございます。
HPも開設されてから1年になるのですね。
動画の公開については私のスタンスは少し違うのですが、
いずれにしても大変お疲れ様です。

WOWOWの番組表、ちょっとネタバレ気味の解説でしたね。
鋭いAstay様のことですので、だいたいお察しがついたのではないでしょうか。
でも続きは私もとても楽しみです。
返信する
感激しました!! (トト)
2014-02-28 23:39:39
アランドロンさんのこと、本当にたくさん知ることを出来、感激しています。10代後半、アラン・ドロンさんの大ファンで、滅茶苦茶な英語でファンレターを2度程書き、何カ月後かにサイン入りのポートレートが送られて来て嬉しかったのを覚えています。その後、私にとっては波乱万丈の月日が流れ、アランドロンさんのことを考える余裕もありませんでした。 最近、病気治療の為に、自分の時間が出来、最近思い出していたアランドロンさんの映画のDVDをネットで探していたら、このブログに巡りあいました。 こんなに一生懸命アランドロンさんのことを追い続けて、ブログにされていおられる方がいて、このブログに巡り合えて本当に嬉しいです。 高校生の時、「高校教師」を見て、とても印象に残っていて、是非みたいと思っていたら、彼が気に入っている映画の一つであることが分かり、嬉しくびっくりしています。 当時、映画の中の彼を理想の男性として見ていて、作品よりもアランドロンが見たいから、彼の映画を見ていました。 私のいる世界とは別世界ですが、またブログ是非見させて頂いて、浸りたいと思います。 ありがとうございました。
返信する
トト様 (チェイサー)
2014-03-02 00:17:53
はじめまして。
ドロンさんに対する熱い思いをこめたコメントをありがとうございました。
最近はこのブログの更新もまったくできていないにも拘らず、このようなコメントをいただきますと大変うれしいです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
返信する
2018年11月24日から来ました (月子0629)
2018-11-24 08:28:13
この作品が放映された当時は、BSやCSも契約してなく悔んでます。amazonではセットで1万ちょっとするんですが、ボーナスが出たら買います。

部下の女性ジュリエットちゃんが可愛いくて、セドリックも格好良くて、上司がドロン様だなんて最高です。
手錠をかける側のドロン様!!素敵です。
皆様の文章が知性とユーモアがあり、楽しくて楽しくて、チェイサー様のサイトに出会えて感謝します。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | THE 00'S CINEMA