LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

CINEMA 100 SPECIAL(4)

2006-04-19 | TV APPEARANCES
アラン・ドロンが番組の進行役を務めた
『シネマ100スペシャル フランス映画は大人の香り』より最終回です。

前回ご紹介したジャン・ギャバンに対するオマージュに続いて、
番組はいよいよアラン・ドロンが活躍した年代の紹介に入ります。
『サムライ』のテーマ音楽に乗せて暗闇の中から歩いて現れるドロンの姿が、
まるでいつか見た映画、あるいはダーバンのCMの再現のように懐かしさを感じさせます。
この後このコーナーでは『シシリアン』や『ル・ジタン』などフィルム・ノワール作品について言及され、
70年代半ばまでがドロンの全盛期であったと寂しく締めくくられています。

最後に故ジョゼ・ジョバンニ監督がフィルム・ノワールなどについて
自分の思い入れを感慨深げに語ったインタビューをここにご紹介します。
今となってはこれは大変貴重な映像となりました。

●ジャン・ギャバンについて
「ギャバンは魔術的な人だ。
『キャメラは感情のないガラスの目だ』と言った。
感情のないキャメラのために演技したのは、監督には感情があったからだ。
監督の彼を見る目も疲れてくると変わってくるだろう。
役者が神経にさわるときもある。
つまり監督の目は人間の目なんだ。
彼はそんなしょっちゅう変わるような目のために演技しない男だ。
撮影時には気付かなかった彼の感情表現が翌日のラッシュで初めてスクリーンに現れる。
彼の演技が監督とは関係のないところでキャメラに伝わっていたんだ。
演劇学校では学べない天性のものさ。
彼を失った映画界の損失は甚大だ。
1世紀に1人の人材さ。
彼を得たフランス映画界は幸運だった。
それだけでも素敵なことだよ。」

●暗黒街について
「60年代には暗黒街という閉ざされた社会が存在していた。
暗黒街の住人というのはチンピラ、ギャング、ヒモといった連中だ。
暗黒街には暗黒街の掟があった。
銀行強盗みたいに命を賭けた奴らには普通の世界と違って女性に危険を冒させなかった。
普通の世界、ビジネスの世界では女性も闘士になる。
だが暗黒街は違う。
危険を冒すのは男の仕事だ。
沈黙の掟というのもある。
誰かが捕まるとみんな口を閉ざした。
密告する奴なんていなかったな。
俺はこの世界のことをたくさんの本に書き映画を撮った。」

●フィルム・ノワールについて
「みんなああいう映画にちょっとノスタルジーがあるのは確かだ。
昔のフィルム・ノワールをもう一度作れという話が来ている。
やりたいけどもうできないな。
リノ・ヴァンチェラはもういないし、ドロンも年だ。
人を夢見させるキャスティングができないんだよ。
60年代の映画を今やり直しても駄目さ。
過ぎ去った過去だな。夢は終わったんだ。」

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« MAKING OF “1 CHANCE SUR 2”... | TOP | JAPAN ON AIR (1) »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | TV APPEARANCES