LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

Romy Schneider ロミー 映画に愛された女

2009-11-18 | ROMY
先月出版された“Romy Schneider ロミー 映画に愛された女 女優ロミー・シュナイダーの生涯”
をご紹介します。

作者である佐々木秀一氏がロミーに関する国内外の膨大な資料を体系的に整理し、
短かった彼女の生涯を緻密に再現したボリュームたっぷりの豪華本です。

当然のことながら我らがドロンさんについての記述も随所に登場し、
彼女の人生に彼がどれだけ影響を及ぼしていたか(あるいはしていなかったか)を再確認することができました。
特に感動的なのはやはり彼女の最後に接して取ったドロンさんの迅速な行動と、
詳しく書けませんが、その後彼女のお墓に対して行った彼女への思いやりです。

ざっと読みながら感じたことは、
ロミーは優秀なブレーンに恵まれなかったことが彼女にとって最大の悲劇だったということです。
結果としてそれが後の彼女の経済的な苦境、破綻に発展していくことになるわけですが、
最愛の息子を亡くしても映画に出演することで生きる希望を失わなかった彼女の強さを見るにつけ、
この経済的な苦境を和らげることができるアドバイザー的な立場の人間がそばにいれば
彼女の人生は少なくともあと20年は永らえたのではないかと私は個人的に推測します。
巷でよく言われているように家庭内の悲劇や芸術的な行き詰まりで彼女の死が早まったと論じるのは、
少しセンチメンタルなものに感じるのです。

彼女の人生の後半に生活を共にしていたパートナーの男性たちはいずれも彼女よりも年下であり、
人生経験も社会人経験もまだこれからという人物ばかりでした。
ドロンさんがダヴィッドの死後、彼女の生活を陰ながら支えていたとはいえ、
恐らく直接的な経済援助までは行っていなかったであろうと推察します。
そういう意味で彼女との共演作を用意していたのは間接的な援助であったのかもしれません。
皮肉にもそれが実現する直前に彼女が逝ってしまったことに対するドロンさんの悔恨を思うと、
こちらも胸が痛くなります。

そういったかなり現実的な事情を彼女の伝記を読みながら私が感じ取れたのは、
筆者のロミー研究の素晴らしい成果から生まれて来ていることは間違いありません。

私もドロンさんについてこれぐらいの文章が書ければと常日頃考えているわけですが、
筆者の実にプロフェッショナルな仕事ぶりに比べれば
本業の仕事の合間合間に筆を進めることの難しさをこのブログを書きながら痛感しているような今の私では
まだまだアマチュアの域を出ていないな、と恥ずかしくなってしまった次第です(涙)
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