昨日、事業所のスタッフが、とても良いディスカッションをしていました。
内容は、できる部分とできない部分のアセスメントが重要であるということ。
どちらも大事であるということ。様々な活動のアセスメントの基本が、この「できるか」「できないか」です。
できる部分は支援がいらない、そして活用する。
できない部分は、できない要因を考えて、構造化等の支援を考えたり、もしくはジョブマッチングの参考にしていく。
のような、感じのディスカッションでした。
ついつい興味があって、(ウザがられるのを覚悟で)少し内容を深めるために、1つの考えを伝えました(横は入り)。
それは「何でできないのか」もしくは「何でわかならないのか」ということ。
「何でできないのか」、「何でわかならないのか」を考える上で、私がいつも気をつけていることで、「知的な障害の特性と、自閉症の特性をわけて整理する」ということです。
「何でできないのか」、「何でわかならないのか」の状況の中では、情報の内容が本人の知的なレベルよりも高いレベルの情報で、わからないと言うことからおこる要因からおこる場合があります。知的な障害特性からおこる困難さと想定されます。
「何でできないのか」、「何でわかならないのか」の状況の中には、情報の1つ1つの内容は理解できるが、全体がつかめなかったり、情報の中から優先順位の高いものに注目できなかったり、いくつかの情報を整理して考えることが出来なかったり、・・・・・などなどの、情報処理の特性からおこる場合がある。これらの情報処理困難さが自閉症の特性からきているのであれば、支援者は、自閉症の特性として整理し理解する必要があります。
わが事業所には、知的障害と自閉症の障害を重複してもっている利用者が多く。私がスタッフに注意をうながしているのは、個々の特性と大きいくくりでとらえるのではなく、本人の知的な障害の特性、自閉症の特性、または身体的な特性とわけてアセスメントを整理していくことが重要ということだということです。
私は、昔、苦い経験があります。ある自閉症児の親御さんに、本人のコミュニケーションの困難さを、自閉症の特性としてではなく、本人特性として伝えました。その後、その親御さんは、一般的な方法で、とにかく訓練訓練と言語指導をはじめられた。しかし、私が期待したのは、本人の自閉症の特性にあわせた視覚的な理解と表出の支援でした。
時に支援者は、本人特性という大きなくくりで伝えてしまいます。また日本人は直接障害名を言うのは苦手だったり、受け入れなかったりする場合もありますが、勇気を出して「彼は自閉症の特性として・・・」とつけて説明できようトレーニングが必要だと私は考えます。(もちろん保護者、話す相手の状態に配慮しながら)
まだ、1週間もたっていないのに、深みのある実践と研修、ディスカッションができていて嬉しく思います。
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