GPSが普及すると道迷い遭難が激減するみたいな妄想を、私も長年にわたって持っていました。が、現実はそう甘くないようです。逆にGPSを持っていることから全身に漲ってくる全能感が変な方向に作用する人が増加して、今後さらに道迷い遭難が増えていくのかもしれませんね、と、予言しておきましょう。
[滋賀]雨乞岳で道に迷う
東京新聞 2011年10月31日
四国の方の山で13人の団体さんがGPSとともにビバークしたのはつい先日だったと思うのですが、再び「GPSがあるのに道迷いで救助要請」という事案がでてきてしまい、もはやコメントに苦労します。
このように、GPSを持っていても道迷いで救助要請してくる人が後を絶たないという現実からわかるのは、多くの一般登山者レベルでは「自分の位置がわかっていたとしても、登山道から外れたら身動きとれない」ということです。
よく「迷ったら登り返せ」と言いますが、登った先に断崖絶壁が控えていた場合、それをうまく迂回するといった芸当ができる登山者は、おそらくごく少数なのです。また「迷ったら、わかるところまで引き返せ」といったところで、足元しか見ていない登山者が途中のことをどれだけ覚えているのでしょうか。たぶん、戻ろうとして振り返った瞬間に、戻る方向すらわからんケースが多いと思います。
某誌の読図特集で原稿書いておきながらアレですけど、読図で現在地を確認することが道迷いの防止になるというのはあまりにも単純すぎてダメだよなあ、と思います。なぜならば、GPSがあれば読図しなくても現在地をはっきり確認できるはずなのに、結局、道迷いで救助要請してくる人がこれだけいるわけです。
道迷いを防ぐにはどのように行動すればいいのか、もちっと総合的に考えないとダメですね。
[滋賀]雨乞岳で道に迷う
東京新聞 2011年10月31日
四国の方の山で13人の団体さんがGPSとともにビバークしたのはつい先日だったと思うのですが、再び「GPSがあるのに道迷いで救助要請」という事案がでてきてしまい、もはやコメントに苦労します。
このように、GPSを持っていても道迷いで救助要請してくる人が後を絶たないという現実からわかるのは、多くの一般登山者レベルでは「自分の位置がわかっていたとしても、登山道から外れたら身動きとれない」ということです。
よく「迷ったら登り返せ」と言いますが、登った先に断崖絶壁が控えていた場合、それをうまく迂回するといった芸当ができる登山者は、おそらくごく少数なのです。また「迷ったら、わかるところまで引き返せ」といったところで、足元しか見ていない登山者が途中のことをどれだけ覚えているのでしょうか。たぶん、戻ろうとして振り返った瞬間に、戻る方向すらわからんケースが多いと思います。
某誌の読図特集で原稿書いておきながらアレですけど、読図で現在地を確認することが道迷いの防止になるというのはあまりにも単純すぎてダメだよなあ、と思います。なぜならば、GPSがあれば読図しなくても現在地をはっきり確認できるはずなのに、結局、道迷いで救助要請してくる人がこれだけいるわけです。
道迷いを防ぐにはどのように行動すればいいのか、もちっと総合的に考えないとダメですね。
ほとんどの登山者には遠い存在で、コアな山屋さんや裕福な中高年くらいしか買いません。
中高年は電子機器にとにかく疎いですから、地図読みもあわせて ちゃんと使いこなせるかは疑問ですね。
いろんな調査でもでてますが、店頭に立っていても地図の読めないお客さんの多いこと。
コンパスもプレート付を買う人は一握りです。
植生屋さんかつ測量屋さん予備軍だったので、道のないところをよく歩かされました。通常は入っていけない場所(当然道はない)に入って調査をしたり、道を無視してあるポイントまでまっすぐに登らされたり、そんなことをしていると地図と地形を読む勘のようなものができるのですが。日常的に舗装道だけを歩いている人たちにそれは無理なのかもしれません。
よく考えてみれば、乗せてもらっているだけの人やカーナビに頼りっぱなしの人は道を覚えませんもの。
だいたいそんな感じだと思いますよ。
むしろGPSがなくても、地図が無くても、山をしっかり覚えるようにしていれば、歩けてしまうと思います。
猟師とか木こりがそうですよね