豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

埼玉県警の山岳救助隊ニュース平成23年新年号が公開されてた

2011年02月15日 | 遭難と救助について考える
昨年末に発見して以来マイブームになっている埼玉県警山岳情報ですが、新年号が公開されています。リンク先のうんと下を見てください。




今回のタイトルは・・・・・・・


昨年の遭難発生件数は過去最悪
新たな傾向は「トレラン・無装備・高尾山」





センセーショナルでいいですね。




1番目として、トレランの軽装に対して書いています。確かに、北アルプスの稜線でも「大丈夫か、おい」と言いたくなるような装備で走っている人を見かけますね。個人的には防寒着だけでも充分に持っていて欲しいですね。ゴアのカッパを防寒着の代替にするとか、そういうのはヤメたほうがいいです。


2番目には「無装備(装備があっても使いこなせない)」というタイトルでいろいろ書かれています。注目ネタはGPSでしょうか。GPSを用いて現在地を報告してくる道迷い遭難者のことがちょろっと書かれています。

遭難のニュースをこまめにチェックしていますと、GPSがあるのに道迷いしちゃって救助要請という事例はいくつもありますね。大騒ぎになったのは大品山で7名が「読図訓練」山行なのに道に迷い、GPSがあるのに自力下山せず、さらに1ヶ月後には記者会見まで開いたので当ブログでツッコミしまくったのがありましたね。

GPSばっかり見ていて周囲を見ていなければ遭難しますし、イザ!という時にGPSを出せばいい、なんて考えていると手遅れになりますし、「迷ったら登り返せ」と言いますけど、一度変なところに入り込んだら、素人だとそう簡単に登り返しなんてできないよな、と、思いますな。


ラストの3番目には、高尾山デビュー登山者、というタイトルで、ヤバい感じの登山者について触れています。登山道の標識が整備されていない、とねじ込んでくる狂犬みたいな登山者がいるそうですね。個人的には「あるあるある!」と言いたくなる気分です。私も「ここの登山道はペンキマークが少ない。朝日新聞に投書してやる!」と息巻いている登山者と遭遇したことがあり、思わず○○○してから△△△して、×××してから、ちゃんと山小屋まで安全に誘導したことがありますわ。楽しかった~。




で、新年号はこれだけでは終わらず、秩父における厳冬期登山の注意点と、平成22年9月から12月に起きた遭難の概況、そして「山岳救助隊員の声」という文章が掲載されています。

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (HOKUTEN)
2011-02-16 17:13:19
ゴアのカッパに防寒性があると思っている人はかなりいますね。防寒とは文字通り「寒さを防ぐ」ものですが、ゴアだけじゃ断熱性と保温性がないので防寒には当たりません。しかし、「着ると暖かいじゃないか」と凄まれる事も多く、防風効果による感覚だといくら説明しても通じなくて困ります。
GPSにしても平地の何にしても、道具って扱えてはじめて能力を生かせるのですが、道具の特性を勉強もせずに思い込む人が多いのも事実で、店頭で説明しても逆切れ寸前になる人もいます。
GPSはコンパス非搭載モデルでは移動して初めて正確な移動方向が表示されますから、多分そういう要因もあったろうと思います。が、周囲の景色、見ないんですかね・・・。
私は結構太陽の方向で自分がどっちに向いているか、簡易的に頭の中の方位意識を補正していますけど。
Unknown (bongo-pete)
2011-02-17 00:51:24
HOKUTEN様

>私は結構太陽の方向で自分がどっちに向いているか、簡易的に頭の中の方位意識を補正しています

これは私も昔からやっていて、想像してた方向とは違うところに太陽があると「あれ?」と思ってしまうほどなんですけど、これって一般的なんですかね。
Unknown (おてんばやまんば)
2011-02-17 12:21:06
一般的じゃないかも。

私は仕事で自転車で動くことが多いのですが、初めて行く場所でちゃんと地図も持っていなかったりすると、太陽を見上げて方向を確認する習性があります。
が、同僚にその話をすると、“野生児丸出し”みたいな言われ方しました。

ただ、これに頼ってると、曇りでお陽さんが出ていないときに、困るんですよね。(苦笑)
Unknown (bongo-pete)
2011-02-18 14:23:32
おてんばやまんば様

>ただ、これに頼ってると、曇りでお陽さんが出ていないときに、困るんですよね

それでも太陽の光は樹林帯でも方向が分かりますからねえ。