シャープのガラパゴスとソニーのリーダーが発売になり、相変わらず電子書籍の話題が花盛りだ。しかしいまだに「紙かデジタルか」とか、「旧大陸vs新大陸」みたいな構図で語られていて、どうにもピンとこない。
旧勢力の紙出版vs新勢力の電子出版という、このとらえ方はだいぶズレていると思う。結論から言うと、電子書籍って旧勢力サイドの出版業界にとって、希望の光であり、最後の頼みの綱なんですよ。
出版業界がここまで地盤沈下し、息を切らしているのは、言うまでもなくインターネットという無料怪物の影響が大きい。ただで読める文章があふれていたら、有料で購入する文章が苦戦するのは当たり前の話である。
だから、旧勢力=紙、新勢力=デジタルじゃなくて、旧勢力とは「有料でコンテンツを買ってもらう仕組みのビジネス」のことで、新勢力とは「無料でコンテンツを提供して広告収入を得る仕組みのビジネス」のことだ。
出版社や新聞社はどうにかネット経由でお金を出してもらえる仕組みを模索してきたが、ことごとくそのハードルの高さに挫折してきた。
大ヒット漫画というキラーコンテンツを多数持つ講談社でさえ、有料配信のビジネスモデルを確立できず、09年に最前線のデジタル部署を解散。映像にしても、フジテレビのヒットドラマが1本100円に落としてやっと売れるレベル。
ネットでお金を出すのはバカバカしいという心理的な抵抗以上に、ネットは課金手続きが面倒くさく、だからケータイの小さい画面にすら負けてきた。
それが今、これだけ出版業界が電子書籍に熱心になっているのは、ipadやキンドルのような有力なプラットホーム、電子書籍リーダーの登場によって、インターネット経由の課金システムの確立に光明が見えたからですよ。
「電子書籍の波に乗らないと、新しい時代に乗り遅れちゃうぞ」じゃなくて、「今度の電子書籍の波に乗れば、昔からのうちらの商売のやり方でもなんとなりそうだぞ」という、旧勢力サイド歓迎の展望。
無料で何でも読める巨大な敵の前に、歩いても歩いても砂漠と屍だらけだったところに、町の灯りがともったのだ。
だから電子書籍は一見、新勢力のシステムに見えて、じつは旧勢力のための道具。
出版社にとって、お金を出して「本」を買ってもらうという古い仕組みを守るための頼みの綱が、新しい端末ルートの電子書籍であり、古い水夫はようやく新しい海に出るための船を手にしたのだ(copyrightよしだたくろう)。
まあ、書店さんや印刷業者さんは困るだろうけど。
旧勢力の紙出版vs新勢力の電子出版という、このとらえ方はだいぶズレていると思う。結論から言うと、電子書籍って旧勢力サイドの出版業界にとって、希望の光であり、最後の頼みの綱なんですよ。
出版業界がここまで地盤沈下し、息を切らしているのは、言うまでもなくインターネットという無料怪物の影響が大きい。ただで読める文章があふれていたら、有料で購入する文章が苦戦するのは当たり前の話である。
だから、旧勢力=紙、新勢力=デジタルじゃなくて、旧勢力とは「有料でコンテンツを買ってもらう仕組みのビジネス」のことで、新勢力とは「無料でコンテンツを提供して広告収入を得る仕組みのビジネス」のことだ。
出版社や新聞社はどうにかネット経由でお金を出してもらえる仕組みを模索してきたが、ことごとくそのハードルの高さに挫折してきた。
大ヒット漫画というキラーコンテンツを多数持つ講談社でさえ、有料配信のビジネスモデルを確立できず、09年に最前線のデジタル部署を解散。映像にしても、フジテレビのヒットドラマが1本100円に落としてやっと売れるレベル。
ネットでお金を出すのはバカバカしいという心理的な抵抗以上に、ネットは課金手続きが面倒くさく、だからケータイの小さい画面にすら負けてきた。
それが今、これだけ出版業界が電子書籍に熱心になっているのは、ipadやキンドルのような有力なプラットホーム、電子書籍リーダーの登場によって、インターネット経由の課金システムの確立に光明が見えたからですよ。
「電子書籍の波に乗らないと、新しい時代に乗り遅れちゃうぞ」じゃなくて、「今度の電子書籍の波に乗れば、昔からのうちらの商売のやり方でもなんとなりそうだぞ」という、旧勢力サイド歓迎の展望。
無料で何でも読める巨大な敵の前に、歩いても歩いても砂漠と屍だらけだったところに、町の灯りがともったのだ。
だから電子書籍は一見、新勢力のシステムに見えて、じつは旧勢力のための道具。
出版社にとって、お金を出して「本」を買ってもらうという古い仕組みを守るための頼みの綱が、新しい端末ルートの電子書籍であり、古い水夫はようやく新しい海に出るための船を手にしたのだ(copyrightよしだたくろう)。
まあ、書店さんや印刷業者さんは困るだろうけど。