井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

お世辞と謙遜

2021-04-28 18:55:00 | 日記・エッセイ・コラム
「お世辞と謙遜は、時間の無駄だと思っています」
と言った人がいた。

それは言い過ぎでしょう、と普通はなるが、その人の環境を考えると、そうも言いたくなる気持ちもわかってくる。

昔から、優秀な女性ピアニストになぜか多いのだが、お互いに賛辞と謙遜をいつまでもやっている場に遭遇することがあった。

こうなると、いつも批判的な人が多いヴァイオリン、フルート、ソプラノの方が健全に見えてくるくらいだ。

本当に素晴らしい人同士は、お互いに「ありがとう」とか「嬉しい」で済ませておけば良いのに、謙遜大会が始まると、そこまで素晴らしくはない人々にとっては、かなり居心地が悪い空間が誕生したことになる。
そうなると時間の無駄と言っても過言ではない。

そのような環境から生まれた前述の発言だと推測した。

もちろん、状況によってお世辞や謙遜も必要だとも思う。
何事もちょうど良いのは難しいのである。

文化芸術活動の継続支援事業補助金

2021-04-23 22:06:22 | アート・文化
ウイルス騒ぎで仕事がなくなった文化・芸術団体等が、文化庁を通して「何とかしてくれ」と訴えたのが1年前。

「何とかします」と当時の安倍首相は言ってくれたのが昨年春。

で、いつの間にか発表されていた「文化芸術活動の継続支援事業補助金」

昨年7月に第1次募集が始まり、私が存在を知ったのが9月。第3次募集開始直前だった。

それからは大急ぎで関係者に声をかけ、ホールや演奏者を確保し、9月下旬の締め切りギリギリに書類を提出。

それからまた急いで何曲か作って、演奏者に楽譜を渡し、10月末の録音録画にこぎつけた。

そこからが大変なのである。

まず「事業計画書」を提出しているのだが、毎日のように、細かい訂正を事務局が求めてくる。

それで交付が決定したのは何と11月中旬。

そこから1か月以内に「事業報告書」を提出せねばならない。
報告書は「証憑書類」と共に出す必要がある。

「証憑書類」という言葉を生まれて初めて知った。領収書の類いのことである。

そして、支払いにクレジットカードでも使おうものなら領収書以外に「クレジット明細書」と、そのお金が引き落とされた「通帳のコピー」が必要になる。

どこまで国民を信用していないのだろうか。

その「超面倒くささ」に辟易していたにもかかわらず、新規募集(いわゆる第4次募集)には、再度応募した。

何故か。

我が国の政府が「演奏したらお金あげます。質は問いません。」などと言ったことは今までなかったからだ。

もし同じ収益を演奏会で賄おうとしたら、4000円のチケットを500枚売らねばならない。
しかも、演奏会の場合、面倒な作業と演奏の準備を同時にこなさなければならない。
客を集めて質を下げる(練習できないので)か、客を集めないで質を上げるか、どちらかの選択を常に強いられてきた。

それに比べると、この面倒な作業は、ほとんどが本番後なので、当然ながら質を下げることにはならない。

なので、どれだけ面倒でもやるのである。

そして新規募集の収録は2月末に行い、その報告書は、ようやく先週(4月中旬)提出した。
そのような訳で、ブログ書いている暇なぞ、全くなかった。

そして、補助金もまだもらえないでいる(道理で最近お金が足りない。)

そうこうするうちに、今年度の募集が始まった。ARTS for the futureという名前がついている。

今度は個人では応募できない。

そんなこともあろうかと、今までいくつかのグループで活動していた。
その内のいくつかに現在働きかけているところだ。

今度はお客様を呼ばなければならない。

だが、数は問わないみたいだし、一応全額補助のように読みとれる。

さあ、頑張ろう。