蓄音機でジャズを聴く!

蓄音機とジャズを中心に、日々の出来事をつづる。

ケンウッド KP-747

2017-04-28 14:56:29 | オーディオ


このプレイヤーはヤフオクで1円で落札しました。

動作確認をしていないとの理由でジャンク扱いでしたが、写真を見るとターンテーブルが本体とは別にビニール袋に入っていますし、本体はかなりキレイな感じなので未使用ではないかと思いました。

1円なら、とオーレックスの交換針が届く間に保険のつもりで入札すると、あっさり落札しました。

送料が1700円程かかりましたが、これはご愛嬌です。

ユルユルの梱包でしたが、佐川さんが丁寧に扱ってくれたのか無傷でした。

写真通りターンテーブルとシートが別のビニール袋に入っていましたが、なぜか石灰のような白い粉にまみれています。

とりあえず水洗いをしてベランダで乾かしている間に本体を点検すると、ボディもダストカバーも使用感がなく輸送中にアームを固定しておくためのネジもワイヤーも外した形跡がありません。

つまり、新品保管中に何らかの事故で箱が壊れ、別梱包のターンテーブルとマットだけ被害にあい本体は難を逃れた、ということなのでしょうが、実用上は問題ないので気にしないことにします。

なにせ、1円ですから。

さて、未使用品と言えども可動品とは限りません。

ターンテーブルとマットを戻してスタートボタンを押すと、何とアームが中央部に移動するではないですか!

「あ、壊れてる」と思ったら、レーベル縁まで行ったのが戻ってきてちゃんと外周部に針を落として普通に演奏が始まりました。

この不可思議な動きは、自動選曲機能のためでした。

光学センサーを搭載したアームが、レコードの無音部を読み取りに出動した訳です。

肝心な音の方ですが、驚きました。

オーレック同様カートリッジ交換はできないタイプですが、プラスチック製のボディやスイッチ類、薄っぺらいダストカバー、華奢なトーンアームなど、まるでプラモデルのような外見にも係わらず、出てきた音は立派なオーディオ機器のものでした。





おそらくはミニコンポ用の機種なのに、駆動方式はメンテナンスフリーのダイレクトドライブで、オーディオ全盛期の日本メーカーの底力を感じました。

ところで、この機種もオーレックスSR-Ⅴ5も外見のそっくりな他社モデルがいくつかあるようです。

外見は同じでも、駆動方式が違っていたり、T4P規格のカートリッジが付いていたりします。

当時のメーカーは競合すると共に、共存すべきところは協力し合ってコストダウンを図っていたんだな、と思い知りました。

恐らくここいらへんがメイド・イン・ジャパンの強みだったんだろうと思います。

オーディオブームは終わったと言われますが、20年も続いたものが果たして「ブーム」で片付けられて良いのでしょうか?

オーディオは文化としてキチンと成立していました。

初任給15万円程度の若者が6畳一間のアパートに暮らしながら立派なオーディオ装置で好きな音楽を聴いていた。

何と豊かな時代だったのでしょう。

今更ながら無くしたものの大きさを感じます。


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今週の一枚「ウオーク・オン・ザ・ウォーター」 ジェリー・マリガン(bs)

2017-04-12 11:26:30 | ジャズ


ジェリー・マリガンを初めて聴いたのは、オーレックス・ジャズフェスティバル(1981年)のテレビ放送でした。

35年位前の、ジャズを聴き始めたばかりで右も左も分からないころです。

真っ白な長髪のやせて背の高い老人が、デカいサックスにもかかわらず柔らかい音色で吹く何とも優しいメロディーが耳に残りました。

その曲が「ソング・フォー・ストレイホーン」でした。

その後間もなくこのアルバムを買ったのですが、数あるマリガンのレコードの中から何故これを選んだのかは記憶にありません。

テレビで聴いた曲名を覚えていてそれを頼りに探したのか、それとも偶然だったのか分かりませんが、とにかくこのアルバムには「ソング・フォー・ストレイホーン」が収録されています。

ライナーノーツを読むまでは、「ストレイホーン」がデューク・エリントンの片腕とも影とも言われたアレンジャー、ビリー・ストレイホーンのこととは知らず、「ストレイ」=「さまよう」(楽器の)ホーンと解釈して、曲の雰囲気にぴったりだ、などと思っていたものです。

さて、このアルバムは、マリガンが当時率いていたビッグバンドによる録音ということです。

メンバーは、おそらく(当時の)若手中心なのでしょう。

今見ても聞き覚えのある名前は、トム・ハレル(tp)とミシェル・フォアマン(p)しかありません。

もっともこの二人にしても、そのころの私は全く知らなかったのです。

購入当時は、持っているレコードが少なかったせいもあってよく聴きましたが、その後疎遠になっていたのを先日10年以上ぶりに聴いてみました。

よく聴いていたのでどの曲も聞き覚えがあるのですが、懐かしさを覚えるよりもあの頃は聞き流していた各プレイヤーのソロフレーズやアレンジが新鮮に響きました。

ところで、今回検索していて分かったのですが、このレコードは1982年度グラミー賞(最優先大規模ジャズ・アンサンブル・アルバム賞)を受賞しています。

初耳でした。

日本のジャズ界ではグラミー賞はさほど重視されていないようで、毎年の受賞作が話題になった記憶もありません。

ベイシーの「プライム・タイム}(1978年)、「オン・ザ・ロード」(1981年)、「ウォーム・ブリーズ」(1983年)、「88 ベイシー・ストリート」(1985年)も受賞していますが、こちらも全く知りませんでした。

それはさておき、35年も前に買ったアルバムが未だに楽しめるとは、レコードというのは本当に安いものです。

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