蓄音機でジャズを聴く!

蓄音機とジャズを中心に、日々の出来事をつづる。

今週の一枚「ラッシング・ララバイ」:ジミー・ラッシング(vo)

2016-10-28 12:08:08 | ジャズ


オールド・ベイシー楽団の専属歌手だったジミー・ラッシングは、私の最も好きな男性ヴォーカリストです。

ベイシーバンドを離れた後、コロンビアとヴァンガードを中心に数々の快作を残しました。

このアルバムはコロンビアでの3作目(女性ボーカリストAda Mooreとの共作を含めると4作目)で、ビッグ・コンボをバックに従えた前2作に対し、オルガン入りのクインテットを伴奏によりくつろいだ雰囲気で歌っています。

オルガンを弾いているのは、ヴァンガード・レーベルの中間派セッションでお馴染みのピアニスト、サー・チャールズ・トンプソンです。

オルガンが入ることで、このセッションがぐっとリラックスしたものになっています。

他のメンバーは、ベイシーバンドの同僚ジョー・ジョーンズ(drs)に、バディ・テイト(ts)、当時のジョー・ジョーンズ・トリオのピアニスト、レイ・ブライアント、初期のニュー・ベイシーバンドでベースを弾いていたジーン・ラミー、スキーター・ベスト(g)です。

気心の知れた面々をバックに、アルバムタイトルの由来となった「ロシアの子守唄」、ベイシー時代に感動的名唱を残した「ユー・キャント・ラン・アラウンド」の他、ブルースやスタンダードを軽めに歌っています。

ジミーさんのアルバムでは、最も親しみやすい一枚だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚「イントロデューシング」:カール・パーキンス(p)

2016-10-28 11:49:46 | ジャズ


最近のレコード人気のせいか、中古盤の価格が上がっています。

特にビル・エヴァンスの諸作は1800円位の値がついているものもあり、驚いています。

アナログが見直されて、世界中に眠っている膨大な数のレコードが日の目を見るのは嬉しいことですが、相場が500円以上 上がるというのは複雑な心境です。

もっとも、CD誕生以前の相場に戻ったとも言えるのですが。

さて、この盤も高値を心配しつつ探していたのですが、幸い1000円で入手できました。

以前CDは持っていましたが、レコードは初めてです。

処分したものの、時々「ライラック・イン・ザ・レイン」のフレーズが頭の中に蘇ることがあり、レコードで買い直しました。

地味な選曲ですが、聴くほどに味わい深くなるピアノトリオです。

それに、やっぱりジャケットがいい。

グランドピアノの蓋の曲線が、そのままデザインになっています。

毎度のことですが、LPレコードサイズならではの楽しみです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の一枚 「カインド・オヴ・ブルー」 マイルス・ディヴィス(tp)

2016-10-12 16:53:20 | ジャズ


これは、私にとって不思議なアルバムです。

いや、不思議ということに最近気づきました。

今、私の手元にはこのレコードもCDもありません。

しかし、演奏内容は良く覚えています。

では、以前レコードかCDを持っていたかというと、はっきりした記憶がありません。

これは珍しいことで、処分しても入手した時の記憶は割と残っているものです。

とすると、レンタルレコードを録音して聴いていたのかもしれません。

その記憶もないというのも珍しいのですが・・・。

いずれにしても、先日、ディアゴスティーニの新シリーズ「ジャズ・LPレコード・コレクション」の創刊号を購入し、このレコードを手に入れました。



最初テレビコマーシャルを見たときは、「やはりレコードブームなんだなぁ!」程度の関心しかなく、買うつもりはありませんでした。

しかし、ディスクユニオンに行くと実物が展示されており、コメントも高評価。

「そういえば持っていなかったな。では、安いし買ってみようか?」となった訳です。

興味を引かれたのは、まず180gの重量盤だということ。

また、どうやらオリジナルマスターから新たにカットしたらしいこと、の2点です。

後日、仕事帰りに職場近くの書店で購入し、夜遅いので聴くのは翌日にしてとりあえずマガジンを読んでみました。

実質3ページ程度のボリュームで、平凡な内容です。

アーティストの生い立ちとかコンプリートディスコグラフィーなど、もう少し充実した中味を期待していたので残念です。

このシリーズの主役はレコードということなのでしょうか?

さて、そのレコードですが、180gのグルーヴガードレス盤はさすがにずっしりとした手応えです。

音は、比較対象が無いですが、かなり良いと思います。

しかし、盤質(プレス)は、輸入盤にありがちなプレスミスのようなノイズが数カ所、キズによる連続ノイズが2箇所ありました。

さらに、最も残念なのはジャケットです。

オリジナルジャケットに忠実なのは良いですが、あまりに紙が薄い!

どうせなら、ここだけはしっかりした厚紙にして欲しかったです。

ところで、ディアゴスティーニでは、このシリーズと同時にレコードプレーヤーも販売するそうです。

先日書いた「世界大音楽全集」と同じ手法です。

時代は違えど、レコードプレーヤーがさほど普及していないという背景は同じだということでしょう。

それにしても、「世界大音楽全集」とこの「ジャズ・LPレコード・コレクション」の装丁の差はどうでしょう?

単に値段の差(物価が4倍と考えると前者の価格は10000円程度になる)だけではなく、「もの」に対する「思い」の差だと思います。

そうそう、肝心の演奏の方ですが、やはり素晴らしい内容です。

マイルスとしては過渡期の作品ですが、単なる「問題作」ではなく美しい作品集に仕上がっています。

ビル・エバンス(p)の参加も興味深く、コルトレーン(ts)もこのくらい抑制された演奏ならば言うことはありません。

キャノンボール(as)のプレイも生き生きとしています。

「100選」を選んでいるときには、なぜかこのアルバムのことは全く思い浮かびませんでした。

本当に不思議です。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする