このレコードも、ジャズを聴き始めてまもなくレンタルレコードで借りてカセットテープに録音した一枚です。
おそらくエリック・ドルフィー(as、bcl、fl)が入っているから、という理由だったのでしょう。
テープに録音したものは、ほとんど後からレコードかCDを買いましたが、このアルバムは買いそびれていたことに気がつきました。
予想通り地元の中古盤屋に600円で売っていました。
600円なんて、シングル盤の値段ですから、レコード買うには本当に良い時代です。
さて、久しぶりに聴いたミンガス・カルテットの演奏は、想像(記憶?)以上のものでした。
ドルフィー、テッド・カーソン(tp)はもちろん、ミンガスとダニー・リッチモンド(drms)も前衛的なプレイヤーで、演奏も今聴いても古さを感じないにもかかわらず、私にはスイング以前の集団即興演奏を聴いているような、素朴な美しさが感じられました。
黒人差別に対する抗議の曲が収録されているのでそこに焦点を当てて語られることが多いアルバムですが、ここでの演奏はジャズという音楽の歴史が産んだ最も美しい成果のひとつとして長く愛聴されるべきものだと思います。