蓄音機でジャズを聴く!

蓄音機とジャズを中心に、日々の出来事をつづる。

私的名盤100選:87 「ミンガス・プレゼンツ・ミンガス」チャーリー・ミンガス(b)

2015-12-18 12:31:28 | ジャズ


このレコードも、ジャズを聴き始めてまもなくレンタルレコードで借りてカセットテープに録音した一枚です。

おそらくエリック・ドルフィー(as、bcl、fl)が入っているから、という理由だったのでしょう。

テープに録音したものは、ほとんど後からレコードかCDを買いましたが、このアルバムは買いそびれていたことに気がつきました。

予想通り地元の中古盤屋に600円で売っていました。

600円なんて、シングル盤の値段ですから、レコード買うには本当に良い時代です。

さて、久しぶりに聴いたミンガス・カルテットの演奏は、想像(記憶?)以上のものでした。

ドルフィー、テッド・カーソン(tp)はもちろん、ミンガスとダニー・リッチモンド(drms)も前衛的なプレイヤーで、演奏も今聴いても古さを感じないにもかかわらず、私にはスイング以前の集団即興演奏を聴いているような、素朴な美しさが感じられました。

黒人差別に対する抗議の曲が収録されているのでそこに焦点を当てて語られることが多いアルバムですが、ここでの演奏はジャズという音楽の歴史が産んだ最も美しい成果のひとつとして長く愛聴されるべきものだと思います。

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私的名盤100選:86 「処女航海」 ハービー・ハンコック(p)

2015-12-18 12:15:30 | ジャズ


終い仕度(しまいじたく)と思って、数年前にスイング・中間派系以外のレコードをほとんど処分してしまいました。

このアルバムも例外ではなく、CDと知人から貰ったキングの重量盤を両方とも手放しました。

ところが、「100選」も終わりが近づいて、あと何があったかな、と考えていたところ、このレコードのことを思い出し無性に聴きたくなりました。

高音質の重量盤が発売されていますが値段が高すぎます。

普通の中古を探していると、地元西荻窪の中古盤屋にありました。

二枚あって、一枚はキングの普通盤で盤質B、もう一枚は輸入のリバティ盤で盤質Aでした。

輸入盤はあまり信頼できないないので、キングの方にしようかとも思いましたが、結局盤質表示の良いリバティ盤を買いました。

帰って見てみると、中からライナーノーツと帯が出てきました。

輸入盤のはずだが?と思うと帯に「直輸入盤」の文字がありました。



そういえば、ブルーノートの日本プレスが許されたのは1967年で、それまでは輸入盤を販売していた、とどこかで読んだことがあります。

発売は東芝なので、輸入盤にライナーと帯をつけて売ったのですね。

ブルーノートの旧東芝盤は何枚か買いましたが、この形態は初めてでした。

少し得した気分です。

さて、このレコードは、当時のマイルス・デイビス・クインテットのサイドメンにフレディー・ハバード(tp)を加えて録音したもので、いわゆる「新主流派」の代表作とされています。

「新主流派」とは、このアルバムのメンバーに加えて、ボビー・ハチャーソン(vib)、ウェイン・ショーター(ts)、ジョー・ヘンダーソン(ts)など、モードとフリーを体現した若手の一群に対する呼称です。

それまでの主流はハードバップで傍流がフリーとすると、「フリーではないがもはやハードバップではない」ということから名付けたのでしょう。

しかし、その後のジャズの「主流」とはならず、ほとんどがフュージョンを演奏するようになったことを考えると皮肉なネーミングでした。

確かにここで聴かれる演奏は、瑞々しくて少し尖っている「新世代のジャズ」という印象を与えますから、ハードバップとひとくくりにできなかった気持ちは分かります。

ともかく、彼らを何と呼ぼうと、このレコードが名盤であることに変わりはありません。


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