ライオネル・ハンプトン(vb)を初めて聴いたのは、ジャズを聴き始めて間もないころのFM放送でした。
当時、オーレックス・ジャズフェスティバルという大掛かりなコンサートが毎年開催されており、81年の実況を放送していたのです。
ちなみに、オーレックスというのは東芝のオーディオブランドで、大手家電メーカーがこぞってオーディオ業界に参入していた幸せな時代でした。
松下電器がテクニクス、日立がローディ、サンヨーがオットー、シャープがオプトニカという具合です。
高度成長期が終わったとはいえ、まだまだ景気は良かったのですね。
私が就職した81年当時の定期預金利率は6パーセント代という、今から思うと夢のようなものでした。
話を戻して、そのときのハンプトンバンドのコンサートマスターが、後に日本でフュージョンスタイルでデビューして人気者になるMALTAこと丸田良昭(as)で、彼のアレンジによる「サクラ」も演奏していました。
さて、このアルバムは、それより40年も前の、ジャストジャズコンサートでのオールスターズによる名盤です。
聞き物はなんと言ってもタイトルにもなっている名曲「スターダスト」です。
ジョニー・ホッジス、ベニー・カーターとともにアルト三羽烏と言われたウィリー・スミスに始まり、チャーリー・シェイバース(tp)、コーキー・コーコラン(ts)、、スラム・スチュワート(b)(トレードマークのボウイングとハミングによるソロ)、バーニー・ケッセル(g)、(p)と続き、いよいよハンプトンが満を侍して登場します。
実は、ハンプトンが参加しているのはこの曲のみですが、それでも「看板に偽りなし」と言えるだけの名演です。
もちろん、ハンプが抜けた他3曲もアルバムの価値を落とすことのない良い演奏です。
1947年の実況盤ですが、録音が優秀なのも嬉しい限りです。