蓄音機でジャズを聴く!

蓄音機とジャズを中心に、日々の出来事をつづる。

私的名盤100選:71「ノー・プロブレム」デューク・ジョーダン(p) & チェット・ベイカー(tp)

2015-06-26 10:55:38 | ジャズ


ウエストコーストを代表するトランペッターで中性的とも評される独特の声で歌うチェット・ベイカーと、チャーリー・パーカー(as)のバックで演奏したこともある、イーストコーストのデューク・ジョーダン(p)の初共演盤です。

イーストとウエストと言っても昔の話で、このアルバムが録音された1979年当時は二人ともヨーロッパを中心に活動していましたので、何の違和感もなく協調し合い、しっとりとした情感が漂う名作となりました。

二人を強力にサポートするのは、デンマークの名人ニール・ペデルセン(b)。

デューク・ジョーダンの代表作「ノープロブレム(危険な関係のブルース)」から始まって、彼のオリジナルばかりを6曲演奏していますが、美しいテーマをベイカーがことさら美しく吹いています。

繰り返し聴きたくなるレコードです。

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私的名盤100選:70「スター・ダスト」ライオネル・ハンプトン(vib)オールスターズ

2015-06-26 10:47:57 | ジャズ


ライオネル・ハンプトン(vb)を初めて聴いたのは、ジャズを聴き始めて間もないころのFM放送でした。

当時、オーレックス・ジャズフェスティバルという大掛かりなコンサートが毎年開催されており、81年の実況を放送していたのです。

ちなみに、オーレックスというのは東芝のオーディオブランドで、大手家電メーカーがこぞってオーディオ業界に参入していた幸せな時代でした。

松下電器がテクニクス、日立がローディ、サンヨーがオットー、シャープがオプトニカという具合です。

高度成長期が終わったとはいえ、まだまだ景気は良かったのですね。

私が就職した81年当時の定期預金利率は6パーセント代という、今から思うと夢のようなものでした。

話を戻して、そのときのハンプトンバンドのコンサートマスターが、後に日本でフュージョンスタイルでデビューして人気者になるMALTAこと丸田良昭(as)で、彼のアレンジによる「サクラ」も演奏していました。



さて、このアルバムは、それより40年も前の、ジャストジャズコンサートでのオールスターズによる名盤です。

聞き物はなんと言ってもタイトルにもなっている名曲「スターダスト」です。

ジョニー・ホッジス、ベニー・カーターとともにアルト三羽烏と言われたウィリー・スミスに始まり、チャーリー・シェイバース(tp)、コーキー・コーコラン(ts)、、スラム・スチュワート(b)(トレードマークのボウイングとハミングによるソロ)、バーニー・ケッセル(g)、(p)と続き、いよいよハンプトンが満を侍して登場します。

実は、ハンプトンが参加しているのはこの曲のみですが、それでも「看板に偽りなし」と言えるだけの名演です。

もちろん、ハンプが抜けた他3曲もアルバムの価値を落とすことのない良い演奏です。

1947年の実況盤ですが、録音が優秀なのも嬉しい限りです。

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私的名盤100選:69「スタン・ゲッツ・カルテット」 スタン・ゲッツ(ts)

2015-06-26 10:42:44 | ジャズ


モダン・テナーでは、スタン・ゲッツが最高のプレーヤーだと思います。

どんなテンポでも、自在にスイングしメロディアスなフレーズが次々と湧き出てきます。

ゲッツは生涯を通じて好調を維持しましたが、この作品は初期の傑作として知られているものです。

クールと呼ばれていたころで、以降徐々に音色もスタイルもウォームなものへと変わっていくことを考えると貴重な一枚です。

それゆえこのアルバムの熱心なファンも多く、評論家の久保田高司さんなどは「このアルバムを知らない人と、私はゲッツについて語りたくはない。」とまでライナーノーツに書いています。

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私的名盤100選:68「キャノンボールズ・ボサノバ」キャノンボール・アダレイ(as)

2015-06-26 10:37:04 | ジャズ


ボサノバといえばまずスタン・ゲッツ が思い浮かびますが、これは巨漢のアルト奏者、ジュリアン・アダレイがセルジオ・メンデスらブラジルのミュージシャンと入れた一枚です。

ゲッツはクールで愁いを帯びた音色が魅力ですが、キャノンボールはカラッとした明るい音で爽やかに吹いています。

本来のボサノバにはむしろこの方が合っているのかと思います。

キャノンボールは、パーカーの再来とかファンキージャズの中心人物というイメージが強いですが、このような演奏も魅力的です。

彼のアルバムの中では最も好きな一枚です。
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