○○さんから連絡が途絶えてからしばらく経ちます。ところが先日、アメリカのニュースサイト「web newspaper "B4 BREAKFAST"」(Before Breakfast、つまり「朝メシ前」の意)を眺めていたらこんなニュースが目に止まりました。(以下、翻訳)
日本トピックス
「熊と号泣する女性」
某月某日、県営総合鉄道荒縄線乳搾り駅(注1)駅舎で、女性が熊とともに号泣しているところを駅長が発見した。
この女性は駅舎ベンチにて昼食(持参の弁当)後、春の柔らかな日差しに包まれて眠気に襲われうとうとしていたところ、食べ物の匂いにつられてやってきた熊のジョニー(オス 5歳)を人食い熊であると勘違いし、どのみち食われるのならせめて一撃を食らわそうと、肝臓に正拳を決めた。心やさしき熊であるジョニーは哀しみのあまり泣き出し、女性もまた自身の技の威力に驚き、涙をこぼした。それから約1時間弱の間、両者は泣き続けていたが、涙も枯れようかという頃に駅長が駅舎へ到着し、発見したとのこと。女性はその五分後の列車でその場を去った。
この、乳搾り駅創立以来の未曾有の大惨事のさなか、あろう事か駅長は駅から10km離れた打ちっぱなしゴルフ場で賭けゴルフに興じていたという。そのことを重くみた荒縄線取締役会は彼を解雇、代わりに熊のジョニーを暫定駅長として勤務させている。この件に関し取締役の一人に電話で尋ねたところ「なんせ熊だから人件費というものがかからんからな。日に二本しか列車のない駅、奴はそれで人並みの給料を取っていたんだ。これで奴も年貢のおさめ時だぜ」と、ウィンクしてみせた(注2)という。
やはり彼女は(前回の記事には書きませんでしたが、女性なのです)僕からの手紙を受け取り、それほど間を置かずに僕を訪ねてきていたようです。未だに行方不明ではありますが。このニュース記事では彼女の行方はまったくわからないので、さっそくB4 BREAKFAST紙あてに問い合わせのメールを送りました。
乳搾り駅で弁当を食べていること、熊のジョニーを泣かせたパンチはおそらく僕が彼女に通信教育で伝授した「ヨロイ通し」であること、などの点からその女性が僕を訪ねてきた人である可能性は非常に高い、その後の彼女の足取りに関して何か情報があれば教えていただきたい、と。彼女に送った道案内の手紙も添付しました。
現時点では何も連絡がありません。進展があればまたブログでお知らせいたします。
(注1:原文では「CHICHISHIBARI STATION」となっていました。おそらく「荒縄線」という鉄道路線名からの連想であろうと思われるのですが、「搾り」と「縛り」では大きな違いがあるのでここでは正しい地名に直しておきました)
(注2:電話口でウィンクを確認することは素人にはとても難しいことなのですが、プロの記者にとっては「朝メシ前」のことなのでしょう)
(フィクション)
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(*旧ブログ2005年5月23日付より移動)