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9月13日の大井玄氏の学習会は延期となりました。代わりに、岡野守也氏(上図の左)をお招きしお話を伺います。
詳しくは、当会のブログ(ここをクリック)をご覧ください。
8月30日の総選挙の日まで「政権交代」に期待を込めて(?)、全国紙や週刊誌が競って選挙関連の特集記事を掲載しました。内容はまさに玉石混淆、何を取り上げ、何を捨てるかは読者の判断基準にまかされています。
「政権選択」がかかる総選挙まであと2週間に迫った8月16日から、朝日新聞は14回にわたって「自民、民主両党を中心とした各党のマニフェスト」を個別の政策ごとに検証する特集を始めました。この企画はとにかく、混迷する大量情報社会の中で「私の問題意識」を整理し、考える基本的な材料を提供してくれた大変よい企画だったと思います。
総選挙で「308対119」で圧勝し、「政権交代」を現実のものとした民主党によるこれからの日本の将来を議論し検証する際に、この14回にわたる「にっぽんの争点」は資料的価値が十分にあると判断しましたので、全14回のテーマをまとめておきます。それぞれのテーマは「どう違うの」、「実現できるの」、「それでもわからん!」という3つの部分からなっています。「実現できるの」という部分に問題解決の難しさが表れていますし、「それでもわからん!」という部分に本質的な問題提起がなされているように思います。
「09政権選択」 にっぽんの争点
①財源 消費増税か 予算見直しか(2009-08-16)
どう違うの
実現できるの:民主「9.1兆円削減」 自民「年2%成長」 根拠、甘い読み
それでもわからん!
②子育て 新「手当」か 幼児無償化か(2009-08-18)
どう違うの
実現できるの:少子化 欠ける具体策
それでもわからん!
③年金 「10年加入」か 一元化か(2009-08-19)
どう違うの
実現できるの:負担・給付見えぬ詰め
それでもわからん!
④医療 「後期高齢」維持か 廃止か(2009-08-20)
どう違うの
実現できるの:避けられない財政負担 それでもわからん!
⑤景気対策 企業が先か 家計に分配か(2009-08-21)
どう違うの
実現できるの:長期戦略ともに抽象的 それでもわからん!
⑥雇用 派遣規制 日雇いだけか(2009-08-22)
どう違うの
実現できるの:働き方・機会兼ね合いは
それでもわからん!
⑦政と官 政治家主導か 官僚頼みか(2009-08-23)
どう違うの
実現できるの:議員の力量・連携カギ
それでもわからん!
⑧国と地方 「分権」一色 表現には差(2009-08-24)
どう違うの
実現できるの:やる気・やり方 不透明
それでもわからん
⑨公共事業 再び推進か 1.3兆円削減か(2009-08-25)
どう違うの
実現できるの:地方圧迫なら反発必至
それでもわからん!
⑩農業 所得補償か 減反・転作か
どう違うの
実現できるの:競争力高める策に弱点
それでもわからん!
⑪科学技術 行政一元化か 実績強調か(2009-08-27)
どう違うの
実現できるの:省庁の壁崩す人材は?
それでもわからん!
⑫環境 実現性か 削減目標優先か(2009-08-28)
どう違うの
実現できるの:企業や家庭は負担増に
それでもわからん!
⑬外交安保 対米「連携」か 「間合い」か(2009-08-29)
どう違うの
実現できるの:主張と現実の差
それでもわからん!
⑭総集編 公約 有権者に届いたか(2009-08-30)
暮らし・財源 論戦の軸 「まず交代」 かすむ政策
それでもわからん!
これら14のテーマの下に展開された議論はすべて、 2007年1月1日に開設した「私のブログのテーマ」である
「経済」 「福祉(社会)」 「環境」、不安の根っこは同じだ!
「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ
の枠組みの主な構成要素であることがおわかりいただけるでしょう。つまり、日本とスウェーデンの両国の間には「この14のテーマ」について大きな落差があるということです。その具体的な事例はすでにこのブログでも数多く書いてきました。
つまり、この14の解決すべき日本の課題のすべてについて、スウェーデンではすでに、概ね、うまく対応できているということです。その相違は「民主主義の成熟度」の問題、具体的には、それに基づいて築かれた「社会システム(制度)」の相違によるものだと思います。
追記
上の記事に、isoroku-hitosiさんからコメントをいただきましたので、「追加」として、私が2007年7月15日に書いた記事を参照していただくようコメントしました。しかし、この記事は2年以上前の記事ですので、当時は正しい理解であっても、現在も正しいとは限りません。その後議論を深めて民主党は、図中のA案(カナダ方式、スウェーデンの旧制度)ではなくて、B案(スウェーデン方式、スウェーデンの新制度)に近い考えを選択したようです。
そこで、最新の情報として、2週間前(8月30日)に行われた総選挙の民主党のマニフェストの18ページの「3.年金・医療」の項に書かれていることを記しておきます。
18.一元化で公平な年金制度へ
【政策目的】
○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。
○雇用の流動化など時代に合った年金制度、透明で分かりやすい年金制度をつくる。
○月額7万円以上の年金を受給できる年金制度をつくり、高齢期の生活の安定、現役時代の安心感を高める。
【具体策】
○以下を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる。
<年金制度の骨格>
○全ての人が同じ年金制度に加入し、職業を移動しても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化する。
○全ての人が「所得が同じなら、同じ保険料」を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算する「所得比例年金」を創設する。
○所得税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。
以 上
2009年9月13日 追記
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「政権選択」がかかる総選挙まであと2週間に迫った8月16日から、朝日新聞は14回にわたって「自民、民主両党を中心とした各党のマニフェスト」を個別の政策ごとに検証する特集を始めました。この企画はとにかく、混迷する大量情報社会の中で「私の問題意識」を整理し、考える基本的な材料を提供してくれた大変よい企画だったと思います。
総選挙で「308対119」で圧勝し、「政権交代」を現実のものとした民主党によるこれからの日本の将来を議論し検証する際に、この14回にわたる「にっぽんの争点」は資料的価値が十分にあると判断しましたので、全14回のテーマをまとめておきます。それぞれのテーマは「どう違うの」、「実現できるの」、「それでもわからん!」という3つの部分からなっています。「実現できるの」という部分に問題解決の難しさが表れていますし、「それでもわからん!」という部分に本質的な問題提起がなされているように思います。
「09政権選択」 にっぽんの争点
①財源 消費増税か 予算見直しか(2009-08-16)
どう違うの
実現できるの:民主「9.1兆円削減」 自民「年2%成長」 根拠、甘い読み
それでもわからん!
②子育て 新「手当」か 幼児無償化か(2009-08-18)
どう違うの
実現できるの:少子化 欠ける具体策
それでもわからん!
③年金 「10年加入」か 一元化か(2009-08-19)
どう違うの
実現できるの:負担・給付見えぬ詰め
それでもわからん!
④医療 「後期高齢」維持か 廃止か(2009-08-20)
どう違うの
実現できるの:避けられない財政負担 それでもわからん!
⑤景気対策 企業が先か 家計に分配か(2009-08-21)
どう違うの
実現できるの:長期戦略ともに抽象的 それでもわからん!
⑥雇用 派遣規制 日雇いだけか(2009-08-22)
どう違うの
実現できるの:働き方・機会兼ね合いは
それでもわからん!
⑦政と官 政治家主導か 官僚頼みか(2009-08-23)
どう違うの
実現できるの:議員の力量・連携カギ
それでもわからん!
⑧国と地方 「分権」一色 表現には差(2009-08-24)
どう違うの
実現できるの:やる気・やり方 不透明
それでもわからん
⑨公共事業 再び推進か 1.3兆円削減か(2009-08-25)
どう違うの
実現できるの:地方圧迫なら反発必至
それでもわからん!
⑩農業 所得補償か 減反・転作か
どう違うの
実現できるの:競争力高める策に弱点
それでもわからん!
⑪科学技術 行政一元化か 実績強調か(2009-08-27)
どう違うの
実現できるの:省庁の壁崩す人材は?
それでもわからん!
⑫環境 実現性か 削減目標優先か(2009-08-28)
どう違うの
実現できるの:企業や家庭は負担増に
それでもわからん!
⑬外交安保 対米「連携」か 「間合い」か(2009-08-29)
どう違うの
実現できるの:主張と現実の差
それでもわからん!
⑭総集編 公約 有権者に届いたか(2009-08-30)
暮らし・財源 論戦の軸 「まず交代」 かすむ政策
それでもわからん!
これら14のテーマの下に展開された議論はすべて、 2007年1月1日に開設した「私のブログのテーマ」である
「経済」 「福祉(社会)」 「環境」、不安の根っこは同じだ!
「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ
の枠組みの主な構成要素であることがおわかりいただけるでしょう。つまり、日本とスウェーデンの両国の間には「この14のテーマ」について大きな落差があるということです。その具体的な事例はすでにこのブログでも数多く書いてきました。
つまり、この14の解決すべき日本の課題のすべてについて、スウェーデンではすでに、概ね、うまく対応できているということです。その相違は「民主主義の成熟度」の問題、具体的には、それに基づいて築かれた「社会システム(制度)」の相違によるものだと思います。
追記
上の記事に、isoroku-hitosiさんからコメントをいただきましたので、「追加」として、私が2007年7月15日に書いた記事を参照していただくようコメントしました。しかし、この記事は2年以上前の記事ですので、当時は正しい理解であっても、現在も正しいとは限りません。その後議論を深めて民主党は、図中のA案(カナダ方式、スウェーデンの旧制度)ではなくて、B案(スウェーデン方式、スウェーデンの新制度)に近い考えを選択したようです。
そこで、最新の情報として、2週間前(8月30日)に行われた総選挙の民主党のマニフェストの18ページの「3.年金・医療」の項に書かれていることを記しておきます。
18.一元化で公平な年金制度へ
【政策目的】
○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。
○雇用の流動化など時代に合った年金制度、透明で分かりやすい年金制度をつくる。
○月額7万円以上の年金を受給できる年金制度をつくり、高齢期の生活の安定、現役時代の安心感を高める。
【具体策】
○以下を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる。
<年金制度の骨格>
○全ての人が同じ年金制度に加入し、職業を移動しても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化する。
○全ての人が「所得が同じなら、同じ保険料」を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算する「所得比例年金」を創設する。
○所得税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。
以 上
2009年9月13日 追記
貴重な情報を得ることができました。有難うございます。
連載最後の8月30日の記事で「まず交代かすむ政策」という小見出しを拝見し、有権者の空気を捉えた表現と感心しました。現実にその通りになりました。
多くの有権者は、民主党のマニフェスト実現性には懸念を抱きながら新政権の今後を見つめていると思われます。民主党のマニフェストをこの記事で鳥瞰して、あらためて日本の未来をデザインするビジョンの欠如を感じる次第です。
コメントありがとうございます。私たちは大量の情報の中から、必要な情報をすくい取り、保管しておく必要があります。
今発売中の雑誌『AERA BUSINESS』(アエラ臨時増刊No.42 9月20日号)の13ページに竹中平蔵ゼミ2 政権交代
:自民党は何をまちがったか 民主党政権でよくなるのか という対話です。
滝川クリステル:民主党政権になって、これから日本はどうかわりますか。
竹中平蔵:民主党の政策には、たとえば脱官僚とか、魅力的なものもある。それから年金改革についてもスウェーデン型に持って行くというのは長期的に間違っていないと思うのです。しかし、民主党のマニフェストを読んでも、民主党の経済運営の全体像がよくわからない。それはつまり、このマニフェストにはマクロ経済の概念がないということです。
私は竹中さんがこのような発言をしたのを見たり聞いたりしたのは初めてです。ご参考まで。
http://blog.goo.ne.jp/backcast2007/e/7475134c46353d96f633304fa8489073
私には民主党が現在参考にしているスウェーデンの年金制度は、1999年の新制度ではなくて、その前の、スウェーデンが21世紀にはふさわしくないとして捨てた1960年の旧制度のように見えるのですが。私の理解が間違っていればよいのですけれど・・・・・