朴槿恵・前韓国大統領の罷免に伴う異例の大統領選で、野党の文在寅（ムンジェイン）候補が当選し、10日に大統領に就任しました。政権は２期続いた保守から９年ぶりに革新側に移りました。冷静な判断で国政の正常化を急いでもらいたいと思いますが、日本との二国間関係でも文氏には、大局観にもとづく理性的な判断が求められます。
懸念されるのは、一昨年暮れに日韓両政府が交わした慰安婦合意について、再交渉を求めると主張してきたことです。
日韓がともに外交の知恵を生かし、譲歩し合って築いた合意です。これを認め、尊重することなしに話は始まりません。緊張が続く北朝鮮情勢に対処するためにも、日韓関係が再び慰安婦問題によって悪化する事態は絶対避ける必要があるでしょう。
文大統領は10日、首相に李洛淵・全羅南道知事をあてる新政権の重要人事を発表しました。李氏は韓国紙・東亜日報の元東京特派員で、国会議員時代には韓日議員連盟副会長を務めた「知日派」として知られます。関係改善が期待されます。
韓国首相に「知日派」李氏起用 東亜日報の元東京特派員
韓国の文在寅（ムンジェイン）大統領は１０日、就任後初の記者会見を開き、政権の要を担う首相に李洛淵（イナギョン）・全羅南道（チョルラナムド）知事をあてる新政権の重要人事を発表した。李氏は韓国紙・東亜日報の元東京特派員で、国会議員時代には韓日議員連盟副会長を務めた「知日派」として知られる。悪化している日韓関係への影響を考慮した可能性がある。