あや乃古典教室「茜さす紫の杜」

三鷹市&武蔵野市で、大学受験専用の古文・漢文塾を開講しました。古文教師の視点から、季節のいろいろを綴ります。

道真公のこと⑬

2013-03-21 23:51:08 | 道真公
榎社から、天満宮とは逆方向に行くと、
天拝山という山があります。

その麓には、武蔵寺(ぶぞうじ)というお寺さんがあり、
「道真公が滝浴びをした」と言われる小さな滝があり、
道真公の和歌も残っており、
道真公が自ら彫ったと言われる、
彫像を御神体とする「御自作天満宮」があります。

そもそも論として、
「天拝山」という山名は
「道真公が、山に登って、自分の無実を天に訴えた」ところから、
来ていると言われています。(山の古名は、天判山)

その「天拝山」の由来になった道真公の故事
(天に昇って自分の無実を訴えた)とは、
鎌倉期の建久・建保年間には、
既に成立していたと考えられる天神縁起に拠っています。

天神縁起の記述としては、正確には以下。
902年に、菅原道真が自分の無実を、百余日間、
武蔵寺境内の「紫藤(しとう)の瀧」にうたれて身を清めた後、天拝山に登り、
七日七夜、岩の上に爪立って祈り続けると天から
「天満在自在天神」と書かれた尊号がとどいて、
願いが成就された(あくまで伝説としてですが)。