さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

西オーストラリアの看護師採用システムについて

2014年11月30日 08時41分58秒 | Web log
例外にもれず、長いです。興味のない人はスルーしてください。

今日は、西オーストラリア州で看護師の道を目指している人に私が今回の就職活動を
経て学んだことを分かち合いたいと思います。

私の場合、思い通りにいかなかったのは学校を卒業した後の就職活動でした。
相手のあることですから、勉強と違って、自分の思いや頑張りでどうにかなるものでもなく
そこが大変でした。

就職にあたって、大切なのは2つ

1) オーストラリアで合計5年のTertiary Educationを受けたという実績(大学やTAFE、RTO等の
職業訓練校を含む)がない人はIELTSを受けて7.0を達成して AHPRAに登録すること

これをクリアしないことには何も始まりません。

次に目指すのは Grad Program

2) Grad programに申し込んで卒業後の進路を確保すること

学校でもこの2つがとにかく強調されました。

Grad programは永住権保持者であることと申し置きがあります。
それを承知で在学中に試しに申し込んだことがありましたが、当時永住権をもっていなかった私は
面接にすら辿り着けませんでした。

457という就労資格のあるビザは持っていましたが、Grad programは
457では話になりませんので、ビザもちゃんとクリアしましょう。

ただし、私立の病院で457のビザ保持者を Grad programで採用したケースも
ありますので、必ずだめというわけではないかもしれません。
それは政府管轄のGrad programが終了した後に病院側が独自でGrad program 開始前に
追加で採用した人でした。

それ以外には、以前にも何度か書きましたが

介護士、看護助手の経験をもっていると有利かなと思います。
例えば公立の病院で既に看護助手として働いていれば
そこのGrad programに採用される可能性が高いです。(保証はないですけど)

日本で看護師の経験をした人も有利かと思います。
コンバージョンコースで日本の看護師の資格を書き換えをして
オーストラリアの資格を目指している人も在学中に介護士、看護助手
としてまず人脈を広げたほうが就職活動のときに有利かと思います。

勉強しながら働くのも大変かと思いますが。

ここからは、私が最近知ったこと。

わたしのように

社会人として学校に入学し
介護士/看護助手としての経験がなく
Gradprogramに失敗し
シフト勤務に抵抗がある、フルタイムはできれば避けたい

という、不利な条件がある人はどうしたらいいのか?ですけど

西オーストラリア州の看護師採用システムはこうなっているそうです。

まず、准看の場合ですが、学校卒業後は Enrolled Nurse Division 2 
Level 1.1 という位置づけです。

Grad programに参加している病院は、Enrolled Nurse Divsion 2 Level 1.1の人
(要するに新卒)を採用しないというポリシーになっているようで、Grad Programを経ての
採用となるようです。

派遣看護師もこれは同じで、新卒でLevel 1.1の人は公立の病院に派遣してはいけないこと
になっているようです。

派遣会社の求人広告を私も求人サイトでみかけましたが、条件に最低でも6ヶ月~1年の
経験があることとなっています。

Grad program は強制ではないと講師陣は言っていましたが、急性期病院で働きたい人
にとっては必須です。

Level 1.2になるには、准看として1年働かなければいけませんが、Grad programに
失敗した場合、新卒での病院への就職は見込めません。

では、Level 1.1の新卒を雇ってくれるところはどこか?

介護施設か障碍者施設です。

介護施設は離職率が高いので採用してくれる可能性が高いです。でも私が何度か失敗したように
何等かの経験がないと不利のようです。

そして、パートタイムであっても、シフト勤務は必須です。

ので、私のように事情があってシフト勤務をできるだけ避けたい、曜日やシフトを選びたい
という場合は介護施設あるいは障碍者施設専門の派遣会社を当たってみましょう。

私が履歴書を送って翌日面接、即採用という経緯からも分かるように、人材は確実に
不足しているようですから。

介護施設・障碍者施設等で一年の経験を積んで、それから急性期の病院に看護師を派遣する
派遣会社に登録して急性期病院での経験を積みましょう。

そうしているうちに急性期病院での正式採用の道が開かれるかもしれません。

遠回りですが、病院で働くという希望が完全に断たれたわけではありません。
道は決して閉ざされてはいないのです。

わたしは在宅医療とか在宅緩和ケアに興味があるので、急性期を特に強く希望していた
わけではありませんが、急性期ケアで学ぶことは沢山あると思いますし、急性期で修行を
積んでから在宅医療、緩和ケアに進めたらよかったなぁという思いはありますけど...

ま、それはいいとして

こういうシステムがあるということを知らなかった私は、それを知ったときに、あぁ、
なんて時間を無駄にしちゃったんだろう....最初からターゲットがはっきりしていたら、
話は早かったのにと思いました。

残念ながら学校でもこういう事実は耳にしませんでしたしね。

想像ですが、こういうシステムが存在するというのは、離職率の高い介護施設に人材を送り込むための
トリックなのかなぁとも思います。介護施設を希望する人は本当に少ないですしね。

それから Grad programに失敗し、迷った挙句、大学へ進学して正看の道へ進んだ人を何人か知っています。
それも一つの方法かと思います。ただ、正看であってもGrad programは競争率が激しいと聞いていますので
気をつけてください。

ま、人それぞれ、私とは立場が違うでしょうから、格別参考にならないかもしれませんが、
オーストラリアで看護師としての就職活動に行き詰っている人、未経験で社会人から看護の道を
目指しているけど就職活動に不安を感じている人の励みになればいいかなぁと思って、記事を
アップしました。

どなたかの参考になれたら幸いです。

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