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これまで、
われわれ日本人を含む東アジア人は遺伝的特質として
1 倹約遺伝子を持つ割合が高い
(日本人の96%でPPARγに倹約タイプ)
2 インシュリン分泌能力が欧米人の半分しかない
ということを書きました。
最近では、日本人の2型糖尿病発症に関わる遺伝子として
インスリン分泌に関係しているらしいKCNQ1という遺伝子が
発見されました(2008 理化学研究所)。
↓
2型糖尿病に関連する遺伝子「KCNQ1」を発見 -日本人の2型糖尿病発症の2割に強く関与 -
このKCNQ1遺伝子の遺伝情報のうち
たった1塩基が異なるだけ(SNP=1塩基多型)で、
2型糖尿病発症リスクは1.3~1.4倍になるといいます。
1塩基多型は、以下でご確認を。
A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)はそれぞれ塩基。
Aさんの「T(チミン)」の部分とBさんの「G(グアニン)」の部分
1ヶ所だけが違っている。
日本人の2型糖尿病発症の2割に、
この1塩基の違いが関わっていると推計されるのだそうです。
欧米人では、インスリン分泌に関係する遺伝子として
TCF7L2という遺伝子が知られていて、
これを持つ人は、持たない人の1.6倍
糖尿病になりやすいことが判明しています。
しかし、
TCF7L2を持つ人が体重を5%下げるだけで
糖尿病の発症を、ほぼ完全に抑制できるといわれます。
つまり、遺伝的なハンディーがあったとしても
食事や運動といった環境因子を改善することで
糖尿病を発症しないようにできるわけです。
次回は、そのポイントを述べたいと思います。
つづく 敵を知り、己を知れば、百戦危うからず 6
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