オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

決められる政治は超特急で・・・・

2013-12-23 | 政治

こんなに急いでいいのだろうか
田植えする人々の上を
時速二百キロで通り過ぎ
私には彼らの手が見えない
心を思いやる暇がない
この速度は早すぎて間が抜けている
苦しみも怒りも不公平も絶望も
すべてが流れてゆく風景
こんなに急いでいいのだろうか
私の体は速達小包
私の心は消印された切手
しかもなお間にあわない
急いでも急いでも間にあわない
          谷川俊太郎

これは谷川俊太郎が新幹線に初めて乗ったときの詩である。
 リニア新幹線は1980年代、バブル絶頂期の自民党政権下で芽生え、バブル崩壊で忘れられた。2007年、経済再生コールの中で蘇生。JR東海主体の建設計画を追認、決定したのは民主党政権である。震災直後の11年5月、国民的議論も行われることなく、決定された。
 地震列島での大地を切り裂く巨大開発。「国家百年の愚策」である。人口減少の時代、そもそも需要がない。座席稼働率60%前後の東海道新幹線と競合し、建設費が膨大だ(9兆円超)。しかも、使用電力が従来の新幹線の3倍から5倍といわれている。ルートの大半が地下40メートルの深さで、万一の乗客救出が困難である。
 自民党政権に戻り、自民党のお家芸が日本全国で復活している。大企業の交際費にかかる税金を減らすというのもその一つだ。お得意先を派手に接待して、夜の街にカネを落とそうというのだ。応援してくれる業界団体の声は聞くのに、ふつうの庶民の声に耳をふさぐのも、またお家芸である。デモはテロと同じ・・・・・こんな発想しかできない政治家が日本を牛耳っている。「決められる政治」「スピード感のある政治」は、どんな反対があっても、超特急で奈落の底へ国民を連れていく。


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