オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

ストーカー殺人事件

2013-10-11 | 社会

いま、多くなっているストーカー殺人事件。ストーカーという言葉が使われ始めてから、他の殺人事件とは異質の事件、現代特有の殺人事件との印象があるが、愛憎のもつれから起こる殺人事件は古今東西、普遍的なものである。人への思いは素晴らしく、実力以上のことを達成させることもあるが、狂気の行動をとらせる場合もある。
ストーカー規制法をいくら厳しくしたところで、殺人は防げない。法律によって事態が解決した事例もたくさんあるだろう。しかし、人間が抱く感情は深く複雑だ。警察は感情の奥深くまで介入することはできず、対症療法的な対応しかできない。自分の身は自分で守るしかなく、ネットで知り合った人や、友達の友達と安易に交際しないことが鉄則だ。
ストーカーになりやすい人は確かに存在するように見える。十分な愛情を受けて育てられていないことや猜疑心に苛まれて人を愛することができなくなってしまったことが原因として考えられる。「自分を認めてほしい」「もっと自分を愛してほしい」という強い愛情の欲求がストーカー心理の根底にある。人はたくさんの人に支えられて生きている。人は決して独りでは生きていけない。誰かに支えられ、誰かを支えながら生きている。しかしそれを認識できるのは、親から充分な愛情を注がれて育てられ、仲間と友情を育んできたからだ。残念ながらストーカー行為に溺れてしまう人はそれを知る機会を失い、性格的に「感情のコントロールができない、自己中心的、プライドが異常に高い、責任転嫁する、思い込みが激しい、嫉妬深い、依存しやすい」などが挙げられる。ストーカー被害に遭わないためにも交際している相手の性格を冷静に観察することが大切だ。

 今回の三鷹殺人事件はfacebookで友達の友達と言う関係から、ルックスの良さで交際が始まったようだ。facebookは規約上実名での登録しか認めておらず、ニックネームや会社名、商品名、ハンドルネームなどの偽名を認めていない。認められていなくても登録はできるのだから、そのまま使えると思いがちだ。しかし、facebookでは、偽名のアカウントを定期的に削除する。facebookがなぜそこまで実名にこだわるのか。確かに実名だと人間は品位を保たねばならず、誹謗中傷や罵詈雑言は激減し、信頼関係を構築しやすくはなるだろう。実名制のおかげで8億人ものユーザーを獲得しているのも事実だ。世代別に見ると、男性は20代の登録者がやや多めなものの、世代間格差はさほどない。一方で女性は20代をピークに、少しずつ歳を重ねるに連れて登録率が下がる傾向にある。60代で比較すると、男性は4割、女性は2割強でしかなく、男女で2倍近い差が開いている。登録者率は37.5%。6割以上の人がFacebookに登録していない。登録しない一番の理由は49%の人が「実名登録がイヤだ」を挙げている。

 実名ならば個を特定できるため、プライバシー上のリスクがある。顔写真をアップするなど危険な行為でしかない。今回も被害者が特定できてしまい、マスコミに顔写真が流れた。加害者が復讐のために性的な画像や動画を海外サイトにアップし、それをツイッターや掲示板で拡散したため、映像は世界中を駆け巡っている。3組に1組は離婚する時代である。公開されたくないものをどんな形であれ、残すことは絶対に避けた方が良い。人間の気持ちなどあっけなく変わってしまうものである。荒んでいる世の中だから、どれほど用心深くなっても過ぎることはない。オウム事件以後、絶句する事件が毎年新たに起こる。格差社会は人間の心を荒廃させる。 自分の努力では如何ともしがたい社会、普通の人が普通に働けない不安定な社会、イラつく感情が制御できなくなり、容易に責任転嫁や逆恨みの行動へと人間を駆り立てる。今度の事件を教訓に、自分の身は自分で守る、危険に近づかない、当たり前のことをもう一度徹底させることだ。事件の当事者は普通の若者たちだった。決して異常な若者ではない。古今東西ありふれた愛憎殺人事件である。

アメリカ・カリフォルニア州では、別れた交際相手のポルノ画像/動画を嫌がらせに公開する、「リベンジ・ポルノ」が問題化し、法規制する動きがある。法案は、本人の了解の下に撮影された性的な画像を「深刻で感情的な苦痛」を引き起こさせる意図をもって公開し、被写体となった人物が「深刻で感情的な苦痛」を味わった場合、画像を流出させた人物に最高6カ月の懲役と1000ドルの罰金を課すというものだ。こんな軽い刑罰では殆ど抑止力がない。しかもカリフォルニア州の法案では、「撮った人物と投稿した人物が同一でなければならない」という条件があるから、自分撮りした画像が相手に公開されても罪にはならない。法律より、現実の方が先行している状態だ。カリフォルニア州には、無許可で撮影した他人の写真を投稿するのはプライバシー侵害だとして禁止する法律はこれまでもあった。だが新法の下では、同意の上で撮影された写真でも、写った人の同意なく投稿されれば違法とみなす。つまりカップルで一緒に撮影した写真を、別れた後に相手の同意を得ずに投稿するのも違法ということになる。リベンジ・ポルノ専用の投稿サイトさえ存在し、被害者が掲載写真の削除を求めると法外な料金を請求すると言う。

 ネットデビューする年齢から、ネットリテラシー教育も必要になっているご時世だ。

昨今、コンビニエンスストアの冷凍ケースに潜り込む、牛丼屋のカウンターで裸になる……。こうした悪ふざけが後を絶たない。こういった悪ふざけをするのは、幼い頃からネットに慣れ親しんできた、「デジタルネイティブ」世代だが、自分たちの悪ふざけが社会に及ぼす影響を予想できないらしい。ネット環境の整備と共に、携帯電話やスマートフォン等の普及も進み、いまや誰もが情報を発信できる時代になった。当然、発信者としての「ネット・リテラシー」を身に付ける必要がある。
「書き込みのマナー」をわきまえない大人も珍しくない。官僚や芸能人がツイッターの不穏当なつぶやきで免職処分を受けたり、名誉棄損容疑で逮捕されることも起こっている。
ネットに書き込んだ者が誰なのかは、しかるべき手段をとれば殆どが特定可能であり、決して匿名ではない。ネット上で個人を特定されないためには、どうすれば良いのか。ソーシャルメディアで公開するプロフィールは友人しか見られないよう閲覧制限をかけ、自宅や居場所を推察させるコメントは書き込まない。スマートフォンで撮影した画像を投稿するときは、GPS機能をオフにして撮影場所を特定されないようにするなど、ネットから自分を防御するには専門知識も必要な時代になっている。 


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