酔眼独語 

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菅官邸に潜む身中の虫

2021-08-12 16:18:24 | 政治
朝日新聞などの世論調査で菅内閣の支持率が30%を切った。不支持率は50%を上回る。いずれもこの内閣発足以来最低・最高である。内閣存続は危険水域に入ったと言っていい。

《朝日新聞社は7、8日に全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は28%と昨年9月の発足以降、初めて3割を切った。不支持率は53%。東京五輪開幕直前の7月調査の支持31%、不支持49%からいずれも悪化した。五輪開催は「よかった」が56%、「よくなかった」は32%だった。

 政府・与党には、五輪による政権浮揚への期待があったが、思うようには表れていない。開催が「よかった」という人でみると、内閣支持が41%と全体で見た場合より高く、一定の押し上げ効果があるものの、それでも限定的だ。

 第2次安倍政権(2012~20年)では昨年5月に記録した内閣支持率29%が最低だった》=朝日digital=.。

 世論調査の数字の低さもさることながら、気になるのは菅の絶不調ぶりである。8月6日広島で開かれた平和祈念式典ではあいさつ文の肝心な部分を読み飛ばした。9日の長崎では式典に遅刻した。いったい何が起きているのか。

 《菅義偉首相は6日、広島市で開かれた平和記念式典のあいさつで、事前に用意した原稿の一部を読み飛ばした。政府は直後に訂正。首相はその後の記者会見で「おわびを申し上げる」と陳謝した。

 首相は「わが国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要だ」などのくだりを読み忘れた。
 式典に参列した公明党の山口那津男代表は会見で「核兵器のない世界を目指す一貫した政府方針に何の揺らぎもないと思う」と首相を擁護した》=Jijicom。

《菅首相は10日、長崎市で9日に開かれた平和祈念式典に1分遅刻したことについて、「少し前に会場に着いていたが、結果的に時間管理上の問題で遅刻した。心からおわび申し上げたい」と陳謝した。首相官邸で記者団に語った。加藤官房長官は10日の記者会見で首相秘書官に注意したことを明らかにした》=読売online=。

 官邸や首相周辺は読み飛ばしは「原稿が糊でくっついてしまっていたため」、遅刻は「トイレに行っていたため」と説明している。読み飛ばしや遅刻より深刻なのはそれぞれの言い訳のあまりなみっともなさだ。読み飛ばしは国会の演説などでも時々ある。しかし、原爆忌の挨拶という厳粛な場で、数分の原稿を読み飛ばすなどあり得ない。「糊でくっついていた」という説明は、菅が下読みも自らの言葉も入れることなくただ渡された原稿を読むだけの人間だと言ってるに等しい。こんな説明を考え付く神経を疑う。

 トイレもそうだ。年を取れば誰もがおしっこが近くなる。菅も同様だろう。旅程の一部にトイレタイムを挟むのは秘書官のイロハのイだろう。

 こう書いてきて、かつて安倍官邸にいた佐伯某のことを思い出した。例のアベノマスクの発案者とされる人物である。「マスクさえ届けば国民の不安なんか吹っ飛びます」と安倍に進言したとされる。

 今回の菅の失態に関する説明と佐伯の進言は似ているのではないか。菅や安倍を見下し、馬鹿に仕切っている官僚の姿が透けて見えるのだ。「この総理にはこの程度の提言で十分」「とりあえず取り巻きが悪かったことにしておけば菅は満足」。側近といわれる彼らはおそらくこのように考えている。

 自らの政治哲学を持たず、国民に届ける一言半句もない首相、支える側近が「しょうがねえな」と思うのは仕方あるまい。次に菅が失敗したときどんな言い訳が飛び出すのか。おそらく「そりゃあないよな」というような代物だろう。菅官邸に巣食う獅子身中の虫、「そうしたものに気づかない」菅が哀れに見える。
 


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