酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

大相撲、波乱?の幕開け

2018-01-15 10:44:50 | スポーツ
 横綱日馬富士が暴行事件で引退、たった一人の立行司・式守伊之助は「セクハラ」で出場停止―と場外での不祥事が相次いだ大相撲、注目の初場所が幕を開けた。相撲人気への影響が懸念されたが、満員札止めの大盛況。しかし、土俵は伊之助の代役を務めた勘太夫が稀勢の里―貴景勝戦で差し違えを犯すなど波乱含みのスタートとなった。

 復活が期待される稀勢の里だが、前途は超多難と見た。「今場所を全休しても進退問題が浮上することはない」との横綱審議会の〝温情ある〟言葉に甘えた方がよかったのではないか。稀勢の里には甘い横審も白鵬には厳しい。横審委員長は日馬富士の暴行事件で同席していた白鵬を叱責したうえ、取り口についてもきついダメ出しをしている。

 ≪さらに「横審宛て、私宛ての相当の量の投書があり、大部分は白鵬関の取り口に関するもの」として、白鵬関の張り手やかち上げなどの取り口にも言及。「横綱相撲とは到底言えない。美しくない。見たくない」との批判を紹介した上で、「白鵬関自身の自覚をどう促すか、協会も工夫、努力をしてほしい」と注文をつけた≫=12月20日・毎日=。「美しくない」「見たくない」は北村委員長の個人的見解なのか横審の総意なのか? 禁じ手ではない張り手やかち上げを「白鵬にだけ」使うなという理屈が分からない。

 相撲は立ち合いが勝負のカギを握っている。右か左かを差す、頭から当たる、(上手でも下手でも)前まわしを取りにいく、突っ張る(もろ手も)、張る、かち上げる、変化する、手を出して相手の勢いを止める…。これらのうちどれを選択するかは事前の作戦や相手の気配を見ながらということになる。白鵬は差す、上手(前まわし)を取りにいく、張る、かち上げるが大半で、このうち二つを封印されれば残りは差すか上手を探るかしかなくなる。これなら相手は取りやすい。

 横審メンバーは「横綱なんだから受けて立て」と注文を付けている。いつの時代の話をしているのか。30貫(112・5キロ)前後の力士がぶつかり合っていたころとは違うのだ。200キロ近い巨漢が突進してくるのが現代の大相撲だ。ラグビーなどコンタクトの多い競技で敗因や苦戦の原因について「受けてしまった」と答えるケースがよくある。受けたら負けるのが近代スポーツと言える。

 もっとも大相撲が厳密な意味でスポーツかどうかは微妙だ。伝統文化、神事でありかつスポーツでもある。この複雑な立ち位置が大相撲をややこしくしている。この不可思議さがまた魅力なのではあるが…。
 
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