酔眼独語 

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これって失言、事実誤認?

2018-08-03 06:12:54 | 政治
 自民党のあまり程度の良くない議員たちが、心の赴くまま放言し、尻拭いに追われている。杉田某、稲田某、谷川某…。無知無理解と偏見に基づく発言が大半だが、中には「これも失言なのか」と首をかしげるケースもある。たとえばこれ。

 ≪福井照・沖縄・北方担当相は1日に北海道中標津町で開かれたシンポジウムで、太平洋戦争が「千島列島で始まり、千島列島で終わった」と述べた。ハワイの真珠湾攻撃に向かう日本の連合艦隊が集結したのは択捉島単冠(ひとかっぷ)湾で、「北方四島は千島列島に含まれない」とする政府見解と異なる発言。終了後に指摘を受け、間違いを認めた。

 シンポは内閣府が、修学旅行などの誘致事業の一環で開催。福井氏は「二度と戦争をすべきでない」と語る中で「千島列島で始まって千島列島で終わった太平洋戦争が日本の最後の戦争」と述べた。

 政府はサンフランシスコ平和条約で千島列島の権利を放棄したが、日本固有の領土の北方領土は千島列島に含まれないとしている。

 福井氏は2月、大臣就任記者会見で色丹島(しこたんとう)を「しゃこたんとう」と言い誤ったほか、約1カ月後、この誤りを釈明する際「昭和8(1933)年まで斜古丹島(しゃこたんとう)と呼ばれていた」と事実誤認の発言をしている≫=8.1毎日jp=。時事や共同、産経も同趣旨で報じている。


 しかし、これは失言なのか。北方領土の範囲についての政府見解には変遷がある。吉田内閣時の国会質疑で外務省は「放棄した千島列島に南千島(国後・択捉島)も含まれる」との見解を示している。これに照らせば福井発言は少なくとも失言などというべき性格のものではない。この発言を取り上げて伝えるなら「閣僚が現政府の統一見解と異なる意見を述べた=閣内不一致が露呈した」―とすべきであろう。

 ところが毎日も産経も共同も、疑義の或る政府見解と違う発言をしたから失言だという。政府に都合の悪い発言ではあるが、いわゆる失言とは質が異なる。こういうのを叩くのも政権への忖度の一種ではないのか。もう少し物事の本質に迫る記事を書いてほしいものだ。
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