「2010年ぜひ見たい天体現象」の第3回目は
謎の月面現象「LunarX(ルナX)」です。
半月の欠け際に突如現れるなぞのX(エックス)模様…、
おそらく有史以来、ずっと現れていたはずのこの現象、
見えている時間が約4時間という短さから今までこの現象は
まったく知られていなかった。
今から5~6年前、アメリカのアマチュア天文家が偶然発見して、
人々に知られる現象となった。
詳細はこちら→Astronomy Picture of the Day (2009 March 11)
こちらは2009年3月29日に撮影された「LunarX」→Web
この現象がなかなか見られない理由は2つあります。
1つは前述したように見られる時間が非常に短いこと。4時間というと長く
感じますが、満ち欠け周期29.5日の中で、この現象が発生する時間が
わずか4時間ですので、見られる確率はかなり低くなります。
もう一つの理由は現象が起きる時刻を特定することが難しい点です。
月は秤動があるので微妙にふらついています。そのため必ず上弦の月で
起きるわけではありません。クレーター「プールバッハ」に明暗境界線
が来た時にだけ、この現象が起きます。
その時刻を特定する方法はあるのか? 答えはYESです。
天文年間の「太陽の月面余経度と月面緯度」を見ると特定できます。
その前に、「LunarX」の基礎情報…
「LunarX」はクレーター「プールバッハ」と「ワーナー」の間の稜線に
日の出直後の朝日が当たることによって起きます。その月面経度が
358度です。
月面余経度とは単純に言うと月面の明暗境界線(月面上の日の出地点)
を表しています。この月面余経度が358度になるとき、日本から月が
見えていれば「LunarX」が見えるということになります。
月面余経度は1日に12.2度移動します。1時間あたりの移動は0.51度です。
「LunarX」の見え方
I or Partical X 余経度357.0(±0.6)時間(-2:00)
earliest X 余経度357.7(±0.2)時間(-0:35)
peak X 余経度358.0(±1.2)時間(0:00)
latest X 余経度358.2(±0.4)時間(0:25)
では本題です。
「LunarX」が起きる日時の探し方
1.天文年間「太陽の月面余経度と月面緯度」の表からYが352~353の日を
探しましょう。
2.次にその日のY=358.0の時刻を調べましょう。
(例)2010年12月13日(月)Y=353.43(中央標準時9時)
この日は午前9時に明暗境界線の位置が353.43度になるので、
「LunarX」が起きる358.0度になるのは何時かを計算します。
月面余経度は約2時間で1度移動するので10時間後の
19時に月面余経度が358.43度になることが分かります。
18時が357.92度なので上記の「earliest X」の時刻になります。
18時10分に358度となって「peak X」の時間になると予想されます。
3.日没時刻と月出時刻と月没時刻を調べましょう。
12月13日の日没時刻は16時19分(薄明終了17時51分)です。
月出が11時13分、月没が23時34分なので十分見えることが分かります。
2010年に「LunarX」は4回起きますが、見られる日は12月13日だけのようです。
・4月21日(水)予想ピーク17:30(日没時刻18:20)月高度71°(方位南南東)
・6月19日(土)予想ピーク16:00(日没時刻19:04)月高度41°(方位南東)
・10月15日(金)予想ピーク14:30(日没時刻17:01)月高度14°(方位南東)
・12月13日(月)予想ピーク18:10(日没時刻16:19)月高度49°(方位南)
2009年は11月24日が好条件で見える日だったのですが曇天でだめでした。
「LunarX」はマニアックな現象ですが「2010年ぜひ見たい天体現象」のひとつですね。
謎の月面現象「LunarX(ルナX)」です。
半月の欠け際に突如現れるなぞのX(エックス)模様…、
おそらく有史以来、ずっと現れていたはずのこの現象、
見えている時間が約4時間という短さから今までこの現象は
まったく知られていなかった。
今から5~6年前、アメリカのアマチュア天文家が偶然発見して、
人々に知られる現象となった。
詳細はこちら→Astronomy Picture of the Day (2009 March 11)
こちらは2009年3月29日に撮影された「LunarX」→Web
この現象がなかなか見られない理由は2つあります。
1つは前述したように見られる時間が非常に短いこと。4時間というと長く
感じますが、満ち欠け周期29.5日の中で、この現象が発生する時間が
わずか4時間ですので、見られる確率はかなり低くなります。
もう一つの理由は現象が起きる時刻を特定することが難しい点です。
月は秤動があるので微妙にふらついています。そのため必ず上弦の月で
起きるわけではありません。クレーター「プールバッハ」に明暗境界線
が来た時にだけ、この現象が起きます。
その時刻を特定する方法はあるのか? 答えはYESです。
天文年間の「太陽の月面余経度と月面緯度」を見ると特定できます。
その前に、「LunarX」の基礎情報…
「LunarX」はクレーター「プールバッハ」と「ワーナー」の間の稜線に
日の出直後の朝日が当たることによって起きます。その月面経度が
358度です。
月面余経度とは単純に言うと月面の明暗境界線(月面上の日の出地点)
を表しています。この月面余経度が358度になるとき、日本から月が
見えていれば「LunarX」が見えるということになります。
月面余経度は1日に12.2度移動します。1時間あたりの移動は0.51度です。
「LunarX」の見え方
I or Partical X 余経度357.0(±0.6)時間(-2:00)
earliest X 余経度357.7(±0.2)時間(-0:35)
peak X 余経度358.0(±1.2)時間(0:00)
latest X 余経度358.2(±0.4)時間(0:25)
では本題です。
「LunarX」が起きる日時の探し方
1.天文年間「太陽の月面余経度と月面緯度」の表からYが352~353の日を
探しましょう。
2.次にその日のY=358.0の時刻を調べましょう。
(例)2010年12月13日(月)Y=353.43(中央標準時9時)
この日は午前9時に明暗境界線の位置が353.43度になるので、
「LunarX」が起きる358.0度になるのは何時かを計算します。
月面余経度は約2時間で1度移動するので10時間後の
19時に月面余経度が358.43度になることが分かります。
18時が357.92度なので上記の「earliest X」の時刻になります。
18時10分に358度となって「peak X」の時間になると予想されます。
3.日没時刻と月出時刻と月没時刻を調べましょう。
12月13日の日没時刻は16時19分(薄明終了17時51分)です。
月出が11時13分、月没が23時34分なので十分見えることが分かります。
2010年に「LunarX」は4回起きますが、見られる日は12月13日だけのようです。
・4月21日(水)予想ピーク17:30(日没時刻18:20)月高度71°(方位南南東)
・6月19日(土)予想ピーク16:00(日没時刻19:04)月高度41°(方位南東)
・10月15日(金)予想ピーク14:30(日没時刻17:01)月高度14°(方位南東)
・12月13日(月)予想ピーク18:10(日没時刻16:19)月高度49°(方位南)
2009年は11月24日が好条件で見える日だったのですが曇天でだめでした。
「LunarX」はマニアックな現象ですが「2010年ぜひ見たい天体現象」のひとつですね。