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王者:ミゲール・コット vs 挑戦者:フロイド・メイウェザー
試合結果:メイウェザー判定勝ち
●所見~コットの場合~
SW級での戦いではフットワーク、コンビネーション、堅実ガードで第1線級の相手を3タテKOした。
現状でM・パッキャオ、メイウェザーの対戦相手として考えられる最強の選手と思われる。
そのスタイルは基本的にSL級時から変わらない。
相手がどうだろうと顎を引き、テンプルにガードを置き、上目使いで相手を見据え、リズミカルな
フットワークから強烈な左ボディフック、重圧なコンビネーションで攻める。
そのコンビは相手のその時の状態から判断し、打つもので無く、予め意図的に構成された感があり、
例えば、M・タイソンが取ったナンバーシステムを引用しているのではと思わせる。
試合中はセコンドから 「 4241、1434 」 とかの声が出ているかもしれない。
しかし、この攻撃力をしてもこの相手には当たらない。
ロープに詰めた際、相手はL時ブロックで反りながら交わすが、ボディはそれ程動かないので、
ボディブローはガードの上からでもある程度効かせる事は出来ると思われたが、実際、相対すると
簡単ではないのか。
負けたけれど落ち込む事は無い。
相手が強過ぎた。
また世界王者になれるよ。
800万$も貰ったしね。
●所見~メイウェザーの場合~
1Rの前半、左フックを打ち、ボディへのジャブを打った。
この動きを見てこの選手の優れている所は判断力とその処理速度と思った。
相手の状態(態勢、位置、距離)を瞬時に把握し、その時、自身が何をすべきか、何が最良かを
これも瞬時に判断し、ベストの動きをアウトプットする。
それが攻撃もあり、ディフェンスもある。
その時々で考え、判断し、動いている。
もっとも判断力が優れ速いとしてもアウトプットの動きの反応が遅かったり体が動かないのでは
意味無いが、言うまでも無く、この選手の動きは頗る速い。
Z・ジュダー、N・ハメドなどは相手に隙があると感覚的に打ち込んだりするが、この選手はしっかり
考え、その上で動いている。
それでいて両者と同等のスピードがある。
それが強調された試合として、
ちと古いがvsG・バルガスがあり、相手がカウンターを狙うべく、ガード位置を何度も変えたが全く
乗らず、逆にガードの隙間を狙って左をバシバシと打ち込んだ。
もうひとつ、vsF・ヌドゥでKOシーンの右3連打があったが、あれは3連打のコンビでなく、
一発目を入れ、相手の状態を把握し、次のパンチは同じ右と判断し打ち込み、3発目もしかり。
もしも左の方が良いと判断したならば右左右の3連打だったかもしれない。
この試合、右フックを多用したが、それは長い距離からハンドスピードで相手のテンプルに打ち込み、
ナックルもしっかり返っている。
そのナックルの返しだが、あの距離から親指を上に向けた打ち方で返るのか。
ロングの右フックはSR・レナードがvsM・ハグラーの1R、打ち込んだ様に、親指を下に向ける様な
打ち方でなければベストで決まり難い。
この選手はリーチが極端に長い訳でなく、肘もそれ程曲げて無いが、返る。
手首を内側に曲げると効かないが、相手は効いているから然程曲げて無いのだろう。
左フックも凄いが右フックも芸術的だ。
ディフェンスはよく見ると意外にシンプルで、ワンツーに対し、ワンはパリング、ツーは腰を折るスリップ。
3発目を打たれたとしても、同じく腰を折るスリップで交わす。
それらの動きは相手の各パンチに対し、其々判断し、その時ベストなディフェンスをしている感がある。
相手が良く見え、判断が速く、体も速く動けるならば食う等無い。
もしかすると我々ファンは、過去110年、更には未来40年を含め、史上最高のボクサーを目の当たり
にしているのかもしれない。
コットはここ数試合で最高のコンディションに仕上げていたように見えましたし、実際そうしたはず。それを空転させたメイに脱帽です(近代的な肩を使ったディフェンスの究極系と思えます)
パッキャオ戦は見たいけど、見栄えの良いパンチはややパッキャオが多く打ち込むように見えるも僅差でメイの判定というすっきりしそうにない結末になりそうで複雑です。
はい、評価高いです。
強い相手と戦って無いとの声を聞きますが、私は十分に戦っていると思います。
パッキャオと戦わない事でケチが付くのでしょうが、どのボクサーも考えられる全ての相手と戦う訳
では無いですから。
レナードは華やかなキャリアを残しましたが、
A・プライアーが「SR・レナードと戦いたい」、
M・ハグラーが「若いM・ナンにチャンスを与えるべきだ」、
そハグラーとの再戦に「負けを公表し、条件を飲むならば戦ってやるよ」
等、一蹴してきた印象があります。
>Unknownさん
このブログは基本的に試合の印象を書くもので、選手の総合的な評価を書くものではありません。
ボクサーは何かを機に変化する事はまま有ります。(どこかの記事で書いてます)
だから試合毎に良悪があり、それを見た印象も変わります。
それにより以前の記事を自ら否定となる事もあります。
読む側からするとそれが掌返しに感じられと思いますが、スポーツの解説や評論家などは皆同じです。
読む側を欺かぬよう書いてますが、主観で偏るのは仕方ない事です。
それでも不快に思う人の為に「信じないで下さい」と2010/3/5の記事で言い切ってます。
私のコットの評価は元々低いものではありません。
vsパッキャオ、vsマルガリートⅠではどこかのコメントでコット勝利予想と書いてます。
装甲力が弱い印象は今未だにあります。
この試合、負傷が小さかったのは10オンスのグローブによるものと思います。
グローブが大きい程、顔の外部へのダメージは小さくなるからです。
内部へのダメージは一概にそうとは言えないですが。
誰の贔屓でも無いです。
但し、好き嫌いはあります。
嫌いな選手でも良い試合をすれば良く書くし、好きな選手でも悪い試合ならば悪く書きます。
メイウェザーは好きな選手で今迄に悪い試合は無かったです。
鼻血について、
鼻血は出難くなる事はありますが、出なくなる事は無いと思います。
鼻の粘膜はデリケートなので体の少しの異変で軟になったりします。
特に胃に異変がある時、口及び鼻の粘膜が弱くなります。
どの人も食べ過ぎで口内炎になった事があるでしょうし、或は肉を食べ過ぎで鼻血ブー(古っ)て人も
居るでしょう。
メイウェザーも同じ人間なので普段と違うウェイト作る為に食を変えた事によるのかもしれません。
その鼻にパンチ食らえば出る事もあります。
それが「強烈なパンチを食い、ダメージを受けた」と捉える事は違うと思います。
ボディブローについて、
コットのそれはSL級時から「背中まで貫通する」と言われる程、威力があるのでメイウェザーと言えど
効くでしょう。
パッキャオも4R辺りに動きが止まってました。
メイウェザーのアゴもボディも打たれ強いと思ってません。
スタミナロスについて、
vsデラホーヤ以来で普段より、7ポンド重いウェイトであれだけ動けば、ロスするでしょう。
レナードもvsD・ラロンデでは動きが重かったし、パッキャオもvsクロッティでは終盤動きが止まり、
アッパーを打ち込まれてました。
オールドファンには史上最高と謳われるSR・ロビンソンもLH級挑戦ではスタミナ切れでKO負けと
なってます。
メイウェザーはその状態でも最適なエネルギー消費を判断し、必要最小限で動き、11、12Rを
立て直したと見ました。
マイナス部分を記事に書かなかった理由は、
・勝敗に影響する様な大ごとと思わなかった事。
・それを凌駕する程、攻撃のパフフォーマンスが印象的だった事。
・印象を全て書く訳で無く、文字数が多くならない様にしてます。
某人気ブログでは「どこまで続くんだ?」と、途中でやめたりします。
>ゲートさん
ショルダーブロックは現代では多くの選手が実践してますね。
先日のP・マリナッジもしかり。
昔から実践するボクサーも居たのでしょうが、その効果を明確にし、定着させたのはメイウェザーと
思います。
vsパッキャオの予想は持ってますが、もしも実現したならば記事に書きます。
しかし、その予想も6月の試合内容で変わる事もあります。
僕もそのコットを空転させたメイウェザーに脱帽です。細かい技術面はわかりませんが、あの右フック(ストレートにも見えます。独特の打ち方ですかね)、左アッパーはしびれました。僕から見ればもうただ強いだなんてレベルを超えていると思います。やはりもう残すはパッキャオしかいませんね。
ううむ、エンドレスな予感が...
まぁ~こんな話は
「ほぅ、御主はそうきますかい、拙者はこうでござる」
てのが互いに気持ち良いのですわ。
>さんちょうさん
コットのコンディションは良かったですね。
メイウェザーはこの階級は重いと思います。
W級2ポンドオーバーくらいがGoodですかね。
右は手打ちっぽいですが、スローで見ると撓っているし、速いし、ナックル返ってるし、
見ていて「はぁ~すげえな」って感じです。
戦える相手はパッキャオでしょうが実現するとは思えないです。
他に誰がいますかね。
S・マルティネス、カネロは話は挙がるでしょうが実際は難しいでしょうし。
互いにイライラするだけです。
これ以上、この件で話すべき事はありません。
今日初めて拝見しましたが、両者を事細かに分析されていて、初見の人にも分かりやすいと文だと感心しました。
僕もメイウェザーは十分強い相手とやってると思ってます。
コットは実力で負けた相手はパッキャオのみで(マルガリは石膏疑惑の為除外)メイウェザーが戦った相手の中でも最強ですし、そのコットに圧勝とは行かないまでも完勝出来るのはさすがだと思いますね。最終回の右フックでコットのガードをこじ開けてからの高速左アッパーは芸術で有り、これを見れただけでもWOWOWを見た甲斐が有りました。
メイウェザーを語る上で忘れてはならないのが、SFe黄金時代に全盛期のコラレスと戦った事です。あの階級では規格外の長身とリーチと破壊力を秘めた怪物コラレスが相手ではメイウェザーも危ないと私は見てましたが、蓋を開けて見れば、メイウェザーが圧勝でした。
あれがメイウェザーの出生試合だったと思いますね。
メイウェザーは強いボクサーと戦ってないと仰られる方々はコラレスを弱いと思ってるんでしょうかね?
試合後に必ず出るパッキャオ戦の話題ですが、私はさほど見たいとは思ってません。
というのもパッキャオはマルケス戦で評価を大きく落としました。
メイウェザーに遊ばれたマルケスとどっこいどっこいのパッキャオでは、戦う以前の問題だと思ってるからです。
勿論ブラッドリー戦で改めて怪物性を発揮してくれれば、対メイウェザーへの興味が湧いてきますが、ブラッドリーは若手のボクサーの中では最速で、デイフェンス技術も高いので、そう簡単には行かないだろうと思います。
訪問ありがとうございます。
ネットに公開いるので読み易く書いているつもりです。
専門誌でメイウェザーのディフェンスを評して”魔法の様な”と書いてましたが、その通りと思います。
オフェンスもしかり。
キャリアについて、ヘナロ、コラレス、カスティーリョ、ジュダー、デラホーヤ、マルケス、モズリー、
そしてコットと、ハイレベルな攻防技術の選手をほぼワンサイドで下しているのが高い評価のひとつです。
因みにマニアの中で評価の低いデラホーヤも私は高いです。
史上最高の評価ですが、向こう40年は大袈裟だったかもしれません。
しかし、こんな話は切りの良い数字を言うべきで、
近代史開始を1900年とし、既に110年を超え、向こう20年としたら130年史で最高となります。
ヨネクラ会長も大橋氏を ” 150年に1人と ” 吹きましたが、
” 130年に1人 ” では 「 はぁ? 」 て感じだったでしょう。
vsパッキャオは私は見たいですが、実現は無いと思います。
パッキャオvsハットン直後がベストだったと思います。
それが実現していたならば ” 同時代のライバルは2度戦う ” の格言もあったかもしれません。
vsブラッドリーは試合が近くなったら予想を書きます。
両者はバッチリ咬み合うと思います。
措置など何もしません。
どの人もボクシングファンでこのブログの読者です。
感情的になる事などよくあります。
抽象的な中傷 ( シャレでは無いよ ) や悪意的なものはズバッと削除しますが。
私が嫌うのはエンドレスな事です。
( エンドレスファイターの六車氏は嫌いでは無いですが )
定着した主観同士ではその時点で答えは無く、散々やり取りした挙句、変化無く、虚しさが残るだけです。
例えば亀田の肯定派と否定派が議論したら泥沼化する様に。
だからと言って私の主観に同意、賞賛を求めるので無く、異論、否定、ぶった切りも全然OKです。
ただ、気持ち良い人と気持ち良く話したいだけです。
気持ちの良い人とは、人がコミュニケーションで感じるフィーリング、それです。
文面だけでも感じる事は出来ます。
第3者は静観して頂くのがよいです。
”紳士的な..”は書いた場所と言い方に誤解があったかもしれません。
どの人にも”察してね”の意を込めてます。
コメント欄で下までスクロールするのも手間ですし。
F・メイウェザーについては次戦で話しましょう。
では、バイビー ( って古っ )